20日(日)は、上北沢で行われたSGCの4月例会に行ってきました。昨日に引き続き、マスクなしでのゲーム会参加です。まだ薬なしでは厳しいのですけれども、マスクはようやく手放せる時期になってきましたよ。長かった…
Tempus (テンパス) / Warfrog

複雑系ワレスのテンパス。4人。

そういやすっかり存在すら忘れていた「テンパス」。mixi の長時間ボードゲームコミュで少し話題が出たので、久しぶりにプレイしてみました。前回プレイのレポート等はこちらをどうぞ。
そしてしばらくプレイしていて思い出してきました。このゲームは土地の争奪戦だということを。トークンの移動先は当然として、都市の建設予定地としても土地の確保は重要です。というのも、(自他を問わず)都市は隣接して建造することが出来ないためです。そして当然のように土地は狭く、計画的な都市建設の前に、競争相手との戦いに勝たなければならない状況もしばしば起こります。
「テンパス」における紛争は、人が生存するための土地確保がたいてい原因となります。山岳を除くあらゆる陸上の土地は得点源あり、さらに高得点となる都市の建設ともなるからです。このゲームにおける軍事力は、トークンと都市の価値、そして「発明カード」の存在です。発明カードはそれ自体に特殊効果がありますが、戦闘時には条件さえ揃えばそれで戦力を増加させることも可能なのです。
カードがなければ、単に自他のトークン数によって勝敗が決まります。手持ちのカードがない相手に対して戦闘を仕掛ける時には、単に多くのトークンによって攻め込むだけで確定した結果(=勝利)が得られます。したがって手札のカードが無くなると相手に対して大きなハンディになるということです。カードにはさらに時代の進歩時にも使用されるので、そのマネージメントは極めて重要です。


「テンパス」は、ワレスがデザインしたシンプルな文明進化ゲームです。多くの競合要素が「土地」に集約されており、特定の種類の土地を適切なタイミングで多く持つことによって優劣が決まるというシンプルな判定を用いています。しかし進歩に関しては、ゲーム後半になるにつれて都市の比重が高くなり、最終的には大きな得点源になります。文明進化ゲームとして、このあたりの表現は実にスマートです。
ただ、都市も土地を基盤にしているわけで、結局は最後まで限られた土地を巡っての戦いが繰り広げられることになります。都市を建造可能な土地は終盤の入り口にさしかかる頃には枯渇するか、それに近い状態になりますので、その時点で負けているプレイヤーは、勝っているプレイヤーに対して争いを仕掛けない限りはどうにもなりません。このあたりのバランスとゲームの基本的構造は好みが分かれる点でしょう。
序盤からの計画性が極めて大事なゲームなのですが、それは最初のプレイ(あるいは久しぶりのプレイ)ではわかりにくく、このセッションでも中盤過ぎに都市の建設がままならなくなって愕然となった人が何人かいました。ルールによって都市は隣接して建造不可であり、また山地にも立てられないため、無計画に建造していると、ただでさえ狭い土地がさらに非効率に使われることになってしまうのです。
ルールの文面だけ見ると多くの要素がコンパクトに詰め込まれていて魅力的に見えるゲームではあります。しかし実際にプレイしてみると、勝ち筋のバリエーションが少なく、残念ながらデザイナーの狙いである「軽さ」は「薄さ」に感じられてしまいました。
http://ejf.cside.ne.jp/review/tempus.html
Winds Of Plunder (略奪の風) / GMT Games
海賊家業も大変だ。5人。

ボードは大きく4つのエリアに分かれています。ひとつのエリアには3つの港があります。各プレイヤーは海賊船をひとつずつ持ち、それらいずれかの港に配置されます。プレイヤーの手番では、自分の海賊船を港から別の港へ必ず移動(航海)させなければなりません。どの港へ移動可能かは「風向き」によって決まります。
「風向き」は、プレイヤーの投票によって決まります(!)。各プレイヤーは保有している「風キューブ」を好きなだけ手の中で握り、全プレイヤーが一斉に公開します。そのラウンド中は、最も多くの風キューブを握っていたプレイヤーが希望する方向(東西南北)へ風が吹き、そして船の移動方向もそれで決まります(東西と南北の風では移動ルールが少し違うのですが略)。
海賊船を別の港へ移動させると、そこに配置してあるタイルに書かれた勝利得点(VP)とアイテムなどを獲得します。アイテムとは「武器」「乗組員」「食糧」の3種で、これらの個数はボード上で管理されます。それぞれのアイテムを最も多く保有していると特典となる能力を使えます(アドバンテージ)。
また「武器」を多く持っていると、他人の海賊船からアイテムやVPを奪うことが出来たり、あるいは寄港した港で「評判」を得ることが出来ます。「評判」を得た港には自分のキューブが置かれます。あるエリアにある3つの港すべてでに自分のキューブが配置されるとボーナス点が入ります。エリアごとに早く評判を得た方が、より高い得点が入ります。


その他、手番ではアクションポイントを使ってカードを引いたり、あるいはそれを使ったり出来ます。GMTのゲームらしく、強力なカードをうまく使いこなすことも重要なテクニックです。アクションポイントは他に、風向きを決めるための風マーカーを補充したり、風向きの効果を一時的に変えてしまう「突風」などに使うことが出来ます。
ゲームは全部で9ラウンドです。最後に、未使用の風キューブやアイテムの保有量をVPに換算し、それをゲーム中に得たVPと合算して、その結果が最も多かったプレイヤーの勝利です。
「略奪の風」は、シミュレーションゲームを多数発売しているGMTが、2007年に発売したユーロスタイルな構造のゲームです。GMTが発売する軽いタイプのゲームには荒っぽい作りのものが少なからずありますけれども、「略奪の風」はよくまとまっています。全体的に競合要素が多く、そのおかげでゲーム終了まで緊張感が失われずに持続します。風向きを投票で決めることも含めて、それほど新しい要素はありませんけれども。
このセッションで僕は、序盤に他プレイヤーの多くが「武器」の収集に走ったこともあって、しばらく非武装に近い状態になっていました(海賊船なのに…)。しょうがないので他船を避けるように誰もいない港に寄港することで評判マーカーを効率的を配置する方針で進め、そのおかげで中盤過ぎまでVP的に優位に進めることが出来ました。
たださすがに終盤になって他プレイヤーから多くの干渉を被ることとなり、武装のない自分としてはかなり厳しい展開(抵抗する手段がない)になりましたが、VP的には全員がダンゴ状態となって接戦となってきました。最後は、OKさんが最終手番で高得点を獲得し、その結果2位をわずか3点差でまくり、トップで終了しました。僕は同点2位。トップと最下位は6点差くらいの僅差でした。
やや混沌として先が読みづらい内容が気になったものの、細かい点数を地道に積み重ねていき、最後に接戦になるあたりは僕の好みのゲームです。
http://www.boardgamegeek.com/game/7571
6-Tage Rennen / Holtmann VIP

ジャンピングチャ〜ンス(棒)。4人。

これもまた久しぶりのプレイ。自転車レースがテーマのゲームです。前回のレポートはこちら。手番では手持ちのカード1枚で自転車を進め、進んだ先のマスに他の自転車がいれば、さらに前に進めます。
前回は8人プレイだったのでゲーム的にどうよ? という展開でしたが今回は4人。ちゃんと序盤から自転車レースっぽい駆け引きが繰り広げられて一安心。そしてちゃんと面白かったが素晴らしい。恐らく4~5人くらいが適正人数かと思います。
そして2ゲームやって連勝! 久々に気持ちのよい結果が出て大満足です。前回も8人プレイという点を除けば、どちらかと言えば印象が良かったので、僕と相性が良いゲームなんでしょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/515
Race for the Galaxy (レース・フォー・ザ・ギャラクシー) / Rio Grande Games

ということでこのゲームで〆ました。例会の残り時間も少なく、急いでゲームをプレイしなければならなかったので撮影もしませんでした。あわてていたこともあってミスが多く、結果は当然のように最下位でした… 次でまたがんばればいいや。
レポートは以上です。1日楽しませていただきましたが、持ち込みゲーム数が2点だけだったので個人的には少し物足りなかったかも。次回はもうちょっと余裕をもって準備を行い、4~5点は持ち込むくらいの勢いで行きたいです。ということで、お疲れさまでした。また次回例会でもよろしくお願いいたします。
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