moon Gamer

「ボードゲームで豊かな人生」。アークライトで購入したゲームに添付されているルールブックにはこんな文言が書いてある。僕たちはボードゲームで本当に豊かになれるのだろうか?

たいていのボードゲームはタダではない。店で売っているものだ。お金を出して購入したゲームが果たして面白いかどうか、事前にどんな吟味をしたとしても、箱を開けただけではよくわからない。そして、それを確認するためだけであったとしても、プレイ機会を実現するためには実に長い道のりが必要となる。

まずは遊ぶメンバーを集め、遊ぶ場所を確保しなければならない。もちろん長い文章が書かれたルールブックを、あなたの貴重な休暇の一部を費やして読み込み、それを人に説明できるほどに理解しておかなければならない。

そうまでして何とかゲームをプレイするまでにこぎ着けたとして、必ずしも良い結果が得られるとは限らない。短くもない時間をかけてプレイしたゲームが終わった後、同卓のメンバーたちから微妙な反応しか返ってこなかったなんてことは決して珍しいことではない。

それどころか一緒に遊んだ人が、後日評価サイトで「いまいちだった:5点」とか書いてしまうかもしれない。あなたが勇気を持って購入し、あなたが場をセッティングし、あなたがルールを読んで、あなたがインストしたゲームが、顔見知りとはいえ他人によって5点とか付けられちゃうわけだ。

さらに鬱なことに、後でルールブックをよく読み返してみたら誤読が発見されたり、実はエラッタが出ていたとかいうこともある。そうすると休日をつぶしてまでしてきたこれまでの苦労はいったい何だったのかと頭を抱えたくもなるだろう。

しかも、だ。あなたが本格的に落ち込むのはこれでもまだ早いかもしれない。なぜなら、後に残った無駄に大きな箱のゲーム本体をどうするか、という問題がずっしりとあなたの肩にのしかかるかるからだ。

仲間内に不評でネットにも「いまいち」なんて書かれたゲームが再びプレイされる日が来ることを期待する人こそ、きっと幸せで豊かになれるような気がする。さて、あなたは今、"豊かな人生"を歩んでいますか?