太平洋空母決戦

moon Gamer

8/30(土) に、千歳烏山はゲーム倉庫にて、SGCのたまさんと「太平洋空母決戦 / 国際通信社」をプレイしました。本作は、「ウォーゲームハンドブック2012」の付録ゲームで、太平洋戦争開始から1年数か月間ほど (真珠湾攻撃〜い号作戦) をテーマにした戦略級ゲームです。

国際通信社の「ウォーゲームハンドブック」は、同社の「コマンドマガジン日本語版」の別冊で、2010年から年1冊のペースで刊行されています (現時点で最新は『2013』)。主にウォー・シミュレーションゲームの入門者を対象にした内容になっており、手軽なゲームが付録となっているのが特徴です。

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「太平洋空母決戦」が付録になっていた「2012」も、国際通信社サイトのページには「ウォーゲーム入門セット」と記載されており、本作は初心者向けを意図して制作されたウォー・シミュレーションゲームです。

エリアとポイントtoポイントが混然一体となった極めて珍しいシステムの採用や戦略的自由度の高さなど、デザイナーの並々ならぬ意欲が感じられる作品でもあります。

■ウォーゲーム・ハンドブック2012『太平洋空母決戦』
http://commandmagazine.jp/other/wghb/2012/

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ただし、「太平洋空母決戦」は他の「ウォーゲームハンドブック」付録ゲームとは異なり、ルールブックの文章密度が高く、プレイ時間も180分と、初心者向けゲームとしてはやや長めになっている点には注意が必要です。

プレイ時間はともかく、ルールの文章が読みづらかったことは問題です。ウォー・シミュレーションゲームのルールブックに慣れ親しんでいる僕でさえ、「ウォーゲームハンドブック2012」に掲載されたリプレイ記事とルールブックを突き合わせるなど手間をかけなければ、本作全体の構造を細部まで把握することが出来ませんでした。

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結局、そういうことをやってもいくつかの不明点が出てしまったので、それらについてコマンドマガジンへ問い合わせ、その回答を得て、ようやくルールの全容を理解するに至りました。

なお、僕の質問に対するコマンドマガジンのレスポンスは迅速かつ正確なもので、実に素晴らしい対応でした。

このような経験を元に、プレイ中に必要なルールを効率的に参照することを目的にしたプレイエイドを作成してみました。例によって BoadGameGeek で公開しておりますので、よろしければどうかご覧になってください。

Play Aid in Japanese | Isoroku's War 1941-1943
http://www.boardgamegeek.com/filepage/94638/play-aid-in-japanese

このプレイエイドのプロトタイプは実際に対戦で使用し、そこで気がついた点を改訂したものを公開しています。ファイルは PDF 形式で、全 5 ページです。

以下に、プレイエイドの各ページについて補足のコメントを書いておきます。

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◆プレイエイド1ページ 「ターン手順」
各フェイズの構成と、作戦の詳細について記してあります。各軍の作戦フェイズで何を行うかを抽出し、参照するルールを明示しました。

各作戦フェイズにおけるプレイヤーの選択肢は、ルールブックの記述上は 5 つ (8.1〜8.5) です。しかし、全てのケースをベタに展開して、あえて冗長に考えるなら 8 つになります。このプレイエイドでは、作戦フェイズで各プレイヤーの選択肢は 8 つであることを前提にしてまとめています。

また、ゲームターンと作戦フェイズの「開始時」と「終了時」に何を行うか (又は行えるか) も明示しました。これもまた冗長な表記ですが、本作は初心者向けなのですから、これくらい説明が回りくどくてもいいと思います (少なくともわかりにくいよりマシ)。

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◆プレイエイド2ページ 「作戦」
上述のように作戦フェイズの選択肢は 8 つとして、それらの内容を個別にまとめました。背景が青の選択肢は、移動に関わる行動です。

作戦フェイズにおいて、プレイヤーが指定したり、あるいは作戦実施の障害となったりする対象が「機動部隊」「空母」「陸上機」「空母か陸上機」「艦船」と、状況によって異なっているので、その点にはご注意を。

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◆プレイエイド3ページ 「戦闘参加ユニットの決定と戦術の選択」
戦闘が開始された直後から射撃が行われる直前の段階には、様々な処理や判定が行われます。それを、ルールブックの記述を元に、フローチャートもどきにまとめてみました。

ソフトウェア的なフローチャートとしては問題のある記述なのですけれども、とにかく上から順に矢印をたどって、質問には「はい」「いいえ」を答えていけばいいようにしてみました。

ここは何度も書き直して制作に最も時間のかかったページです。それでもなおこれが正確であるか、正直なところ自信がありません。お気づきの点があればどうかご連絡を。

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◆プレイエイド4ページ 「射撃と雷撃」
射撃の処理と、その事後処理を箇条書きのような形式でまとめました。

雷撃は日本軍がうっかり忘れやすいと思った (そうでもないかな?) ので、ここに併記しました。

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◆プレイエイド5ページ 「補給判定」「修理」
「補給判定」は、ルール 4.5 が読みづらかったので、それを箇条書きに分解してみました。
「修理」は、スペースが余ったのでおまけのような感じで。

なお、このページはページの上下で同じ内容になっています (実質 A5サイズ)。

このプレイエイドについて何かお気づきの点があれば、この記事へのコメント、Twitter (@moonblogger https://twitter.com/moonblogger)、あるいは、プレイエイドを公開した BoardGameGeek でご連絡ください。どうかよろしくお願いいたします。