Tyros (チロス) は、フェニキア人の商人となって、古代チロスから出発し、地中海沿岸で交易や都市開発を行うゲームです。
作者は複雑系デザイナーであるマーチン・ワレス。「チロス」の難易度はそれほど高いわけではありませんが、独自のアイデアにあふれた交易・開発・紛争ゲームです。
ゲームボードは、地中海沿岸の全域のマップになっています。
マスは四角いエリアによって区分けされており、それぞれ番号が付けられています。
船と都市マーカーです。
船は都市を建設するために必要なコマです。
船も都市も、勝利得点を得るために重要な役割を果たします。
交易品カードと帝国チップです。
このゲームには架空の「帝国」が4国登場します。それはマップのエリアに「帝国チップ」が置かれることによって位置と大きさが決まります。いずれの帝国もどのプレイヤーに属するものではなく、中立的な存在です。
交易品カードは、4つの帝国に対応した4種類のカードです(どの帝国に対して使えるジョーカーもあります)。都市や船の建設に必要なカードです。他のプレイヤーと交易することも出来ます。
これは土地タイルです。
土地タイルは、帝国の領土を広げるために使います。土地タイルはマップのエリアの数だけあります。
各プレイヤーは、自分の色を決めて、対応する都市マーカーと船を取ります。自分の船を2個取って、それぞれが「チロス」の都市のあるエリアに置きます。
続いて帝国の位置を決めます。あらかじめ決まった位置に帝国チップを置く方法とランダムに置く方法があります。
帝国チップを置いたエリアに対応する土地エリアを除いた残りをよく混ぜて、各プレイヤーに4枚ずつ配布します。残りはストックとして脇に積んでおきます。
交易品カードをよく混ぜて山札として、これでゲームスタートです。
ゲームはラウンド(ターン)を繰り返して進行します。各ラウンドは3つのフェイズで構成されています。
最初は「交易品カードの分配」フェイズです。
各プレイヤーに10枚(4人プレイ時)か12枚(3人プレイ時)の交易品カードを配布します。
2つめは「帝国の拡張」フェイズです。
すでに帝国チップが配置されているエリアに隣接するエリアに対応する土地タイルをプレイすることで、そこに帝国チップを置きます。これは可能であれば必ず行わなければなりません(出来ない時には、手持ちの土地タイルを全部公開した上でパスします)。
土地タイルをプレイしたら、そこに隣接する帝国のチップが置かれます。複数の帝国に隣接するエリアであれば、土地タイルをプレイしたプレイヤーが、どの帝国チップを置くかを選択することが出来ます。
なお、「チロス」に隣接したエリアに帝国チップが置かれた場合、チロスにもただちにそれと同じ帝国チップが配置されます。
土地タイルをプレイしたら、1枚をストックから補充します。
3つめは「カードアクション」フェイズです。 このフェイズがこのゲームのメインです。
カードアクションフェイズでは、5つのアクションのうち1つを行うか、あるいはパスをします。
アクション1「船の移動」
船は帝国チップの置かれているエリアを伝って移動します。いずれかの帝国領でなければ、船はエリアに入ることは出来ないのです。船の移動方向はタテかヨコのエリアだけです。
また、移動を終了するエリアに船は2隻までしか入れません。移動途中で2隻を超えるのは構いません。
移動したら、船が移動したエリアの数と同じ枚数の交易品カードを捨てなければなりません。捨てる交易品カードは、移動を終了したエリア(目的地のエリア)に置かれた帝国チップに対応した交易品カードでなければなりません。
さらに、移動目的地に、他のプレイヤーの都市が建設されていたら、任意の1枚の交易品カードをそのプレイヤーに差し出さなければなりません。
アクション2「都市の建設」
あるエリアに自分の船が単独で1隻か2隻あれば、そこの自分の都市を建設することが出来ます。他のプレイヤーの船があるエリアでは都市建設は行えません。
都市を建設しようとするエリアに置かれている帝国チップに対応した交易品カードを5枚捨てれば、都市を建設することが出来ます。もしそのエリアに2隻の船があれば、交易品カードは4枚で済みます。
そしてそのエリアにある船を1隻、自分のストックに戻します(マップ上から除去されるのです)。
ひとつのエリアには1つの都市しか建設することは出来ません。
アクション3「船の建設」
自分の建設した都市か、まだ誰も都市を建設していない「チロス」のエリアで船を建設することが出来ます。
船の建造コストも交易品カードで支払います。基本的にはそのエリアの帝国チップに対応した交易品カードを1枚支払います。
ただし、他の船(自他問わず)があれば2枚支払います。そのうちの1枚は、そのエリアの帝国チップに対応した交易品カードでなければなりません。
チロスで船を建設する場合は別のルールが適用されます。
アクション4「銀行との交換」
交易品カードを山札か捨て山から交換します。3枚の交易品カードを捨てて、山札から3枚引くか、あるいは捨て山から任意の1枚を選んで取ります。
なお、山札の交易品カードが無くなったとしても、ラウンドの途中では切り直しません。
アクション5「他のプレイヤーとの交換」
他のプレイヤーと交易品カードを交換することが出来ます。交換することが出来るのは1人のプレイヤーだけです(交換を持ちかけること自体は何人でも出来ます)。
交換することが決まったら、任意の枚数の交易品カードを交換します。同枚数でなくても構いません。
もし、交渉がまとまらず、交換相手がいなかった場合にのみ、他のアクションを行うことが出来ます(交換が成立したらアクション消費となります)。
そして「パス」。
全員がパスをしたらこのフェイズは終了です。パスをしたとしても、手番が回ってきたらアクションを行うことが出来ます。
これでラウンドが終了します。
手札の交易品カードを3枚だけ残して、後は捨てなければなりません。次のラウンドでは、スタートプレイヤーは時計回りに移動します。未使用の山札と捨て札の交易品カードを集めてシャッフルし、新たなラウンドを開始します。
これを繰り返し、誰かが手持ちの土地タイルを使い切ったラウンドの終了時にゲームは終了します。その後で得点計算を行います。まず、エリアの得点を計算します。
得点の対象になるエリアは「都市を建設したエリア」と「都市のないエリアに1人のプレイヤーの船だけがある」だけです。このような時、そのエリアを「支配」しているものとして扱われます。
「支配」しているエリアから獲得する得点は、それが属する帝国の大きさによって異なります。基本的に、より大きな帝国にあるエリアを支配している方が大きな得点を獲得するようになっています。また、船だけで支配しているよりも都市で支配している方が得点が高いです。
その他、最初に4帝国全ての都市を建設したプレイヤーには7得点がボーナスとして与えられます。また、帝国ごとに最大の都市数を建設したプレイヤーにも7得点のボーナスが入ります。
これらを合計し、最も多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。
マップ上で流動的なのは「船」だけです。帝国チップと都市は一度配置されたら動きませんので、自分の手札やタイルと相談しながら、計画的・効率的に得点を稼いでいかなければなりません。誰がどれだけの点数を重ねているかは盤上を見ればわかるので、プレイの方針もおのずと決まってくるでしょう。
運の要素もあるので、理詰め一辺倒というわけではありませんが、「チロス」は、ワレスらしいシビアなゲームのようです。運悪く未プレイなのですが、個人的に好きな要素がたくさん詰め込んであって、遊んでみたいオーラをひしひしと感じますね。
= DATA =
◆タイトル :Tyros (チロス)
◆デザイナー:Martin Wallace
◆メーカー :Kosmos
◆3-4人/10歳以上/70~90分程度




