moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲーム等々)と、その周辺の話題を中心にした個人ブログです。

タグ:つくばゲーム会

28日(水)は、つくばはおのさん宅にて開かれた平日自宅ゲーム会に行ってまいりました。TXに乗ったのが久しぶりなら、秋葉原に行ったのも久しぶり。以前に来た時はまだ工事中だったTXの地上入り口周辺が完成して整備されてました。でもスタバなのか… いや、どうでもいいんだけど。

さてこの日のお題は、ルールがドイツ語だったためにbiscoさん宅に積みゲーと化していたゲームがおのさん宅へ届けられたので、それらをプレイするという企画。もちろん独語ルールブックはおのさんに読んでいただきました。以下のレポートで「bisco便」と書かれたゲームがそれらにあたります。なお、正式なレビューは、biscoさんのブログで公開されます。なお、こちらのレポート中に書かれた用語は、かなり適当に僕が作ったものですし、ゲームの内容も記憶に頼って書いているので、不正確な情報が混じっているかもしれませんのでご注意をば。

このゲーム会の参加者は、午前中はおのさん、かゆかゆさん、僕の3人で始まり、午後からはふうかさんが合流して4人になりました。ふうかさんは(たぶん)初めてお会いしまして、というか当日までふうかさんがいらっしゃることを知らなかったので、個人的にこのゲーム会は軽くサプライズイベントにもなったのでした。言うまでもなく、女性が加わるとゲーム会はとても楽しいものになりますね。

Keep Smiling / FX Schmid

ブラフとダイスと。2人ゲーム。bisco便。

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かゆかゆさんと対戦。各プレイヤーは、笑い顔emojiと怒り顔emojiのコマ2個ずつと、無表情顔コマemoji1個の計5個ずつを持ち、自陣に伏せて置きます。手番では3D6して、出た目をルールに規定された組み合わせの中から選んで自分のコマを前進させます(コマ1個〜3個/1マス〜12マス)。コマは前進しかできません。相手のコマを飛び越すことは可能です。自分のコマが止まったマスに相手のコマがあれば、それはゲームから取り除かれます。こうして敵陣に達したコマは、ボード脇にある得点欄(6〜1点)で空いている最大数に伏せて置きます。ゲーム終了時、その得点欄に笑い顔コマがあればプラス、怒り顔があればマイナス、無表情コマは0点として計上し、総得点を競います。

ブラフが焦点となっているゲームで、それ以外の見どころはないくらいのシンプルさ。ダイスを3個も使うので、それがアヤとか駆け引きとか笑いとかを誘発する基軸になっています。

ただ、ブラフゲームがそもそも自分の気性に合わないし、シンプルすぎることが逆に苦手に感じてしまう、自分にとってはそんなタイプのゲームでした。なので当然のようにボロ負けです。
http://www.boardgamegeek.com/game/9253

Pferdeaeppel / Butehorn Spiele

なぜドイツ人はゲームにう○こを取り入れるのが好きなのか? 2人ゲーム。bisco便。

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8×8マスのボードを使用し、対角のマスにコマをひとつずつ置きます。ひとつは茶コマでもうひとつは白コマで、プレイヤーはそのどちらかのみを担当します。ゲームは白コマの移動から開始します。コマはいずれもチェスのナイトと同じ移動(八方桂)が可能です。移動した先のマスには「馬糞」マーカーをひとつ置かなければなりません(義務)。その後で、盤上の任意の空いているマスに馬糞マーカーをひとつ置くことができます(これは任意)。以後、馬糞の置かれているマスにコマを移動させることは出来ません。

茶コマプレイヤーの目的は白コマをキャプチャすることで、白コマプレイヤーはできるだけ長い手番を逃げ回ることが目的になります。終了時の馬糞マーカー(2種類ある)によって得点計算しますが詳細略。互いに担当する色を変えて交互にプレイし、得点が高い方が勝ち。そんな感じ。ランドルフらしい、2分でインストが終わるシンプルなアブストラクト。何となーく既視感があるものの、ゲーム自体は面白かったです。作戦もあれこれ考えられますし。

例えば逃げる側の白プレイヤーも移動後に馬糞を置けますけれど、この日のゲームで僕はそれをしませんでした。ですが、茶プレイヤーの足を止めるためにあえて馬糞を置くという手があったかもしれないなー、とか帰りのTXの中でぼんやり考えが浮かびました。けっこう奥深いゲームなのかも。

ただーし! こいつにはゲームそのものではなくボックスアートに強烈な問題があります。なんでこんな写真をでかでかと使ったのかマジで意味不明なんですけど。しかもその問題写真のあるフタが下の箱と分離できない構造にもなっていて他の代用も不可。なんの嫌がらせ? 下のBGGへのリンク先とか biscoさんのブログでボックスの写真を見られますが、閲覧は自己責任でどうぞ。それで不快感を感じられたとしても僕は知りませんので。あえて言うなら食事中の人は見ない方が良いです。

このキワモノすぎるパッケージさえなければ手に入れることも考えるのですけど、それは絶対に無理ですからっ。しょうがないから自作でもしようかな。
http://www.boardgamegeek.com/game/6856

Zeitreise / Fata Morgana Spiele

箱を作るところからがゲームです(←ありがち)。3人。bisco便。

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2/8の日記へレポートを上げた「Cloak & Dagger」が元ネタになっているゲームです。「Cloak & Dagger」はスパイが種類の異なる秘密文書を封筒に集めることを目的にしていましたが、「Zeitreise」はタイムマシンでさまざまな時代を巡り、種類の同じ歴史イベントカードを集めることが目的です。ゲームの進行方法や基本的なメカニクスは「Cloak & Dagger」とだいたい同一です。

異なるのは、「Cloak & Dagger」ではオプション扱いになっていた特殊効果なカードが最初から組み込まれていることと、揃える歴史イベントカードの種類と枚数の多さ(13種×3枚ずつ39枚+特殊カード数枚)です。ゲーム準備時に、これらの歴史イベントカードが最初から箱の中に封入される点も異なります。

このセッションでは箱に入っているカードを全て記憶するようにしましたが、2/8の「Cloak & Dagger」プレイ時はメモを取って良いことにしていました。ただでさえ運の比重が高いゲームですし、「Zeitreise」でもそうした方がいいと思いますね。下の写真は後片付けの時の様子ですけれども、ゲーム開始時からこんなにカードがたくさんありますので、とても覚えきれるものではありません。

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それと、他プレイヤーがどの時代ボックスを選んだのかがわかってしまうとゲームにならないので、他手番中はその様子を見ないようにしていなければなりません。「Zeitreise」ではコンポーネントが頑丈で大きいため、他手番時には完全にそっぽを向いていなければなりませんでした。一方「Cloak & Dagger」は小箱のデザインがシンプルなために遠目に区別が付きづらく、小箱を入れてある大箱もコンパクトなので、テーブルの下でカードの操作が行えます。なので、そこまで神経質になる必要はありません。

この日は単にプレイアビリティがあまりよくない&孤独なゲームと感じたに過ぎませんでしたが、後日シンプルな「Cloak & Dagger」をプレイしたら、「Zeitreise」の印象が少しだけ悪い方へ傾いてしまいました。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/19347

Capt'n Sharky - Abenteuer auf der Schatzinsel / Die Spiegelburg Coppenrath

昨年の子供ゲーム賞ノミネート作。3人。新作。

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新作なので説明は適当に(←emoji)。最初はタイルをめくって、そのシンボルと同じ絵をボード上から探し、それに応じてコマを進めて、進んだ先に宝箱があれば開けることができます。これは磁石を使ったギミックになっていて、うまくそこに宝石があったら1〜2個もらえます。

これが一通り終わったら、持っている宝石を「はじき飛ばす」アクションゲームに移行します。ボードの中央から専用の器具(カタパルト)で、ボード外に置いた大きな船の模型めがけて、自分の宝石を一つずつ撃ち込みます。うまく船の中に宝石が入ったら1点です(下の写真参照)。

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少なくとも最初のゲームは楽しいですよ。でも何回か遊ぶとボードの構成をすぐに覚えてしまうでしょうね(ノミネート止まりだったのは、それが原因かも)。大人が子供たちにゲームのやり方を教えてあげるような、そんなシチュエーションになら最適かと。このセッションはかゆかゆさんの圧勝。僕はひとつも宝石を船に入れられませんでした…
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/36727


ここで一時ブレイク。
お昼はインド料理の食べ放題バイキング(謎)でおいしくいただきました。

Geisterschiff / Schmidt Spiele

カオスなゲーム。特におのさんがカオスwww ここからふうかさんが入って4人。bisco便。

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海賊船にある宝箱を開けて、その中にある宝物5点分を持って自分のスタート地点へ帰ることが目的。手番では2D6して、目の合計だけ自分のコマを進めます。もしどちらかのダイスに「6」の目が出ていたら、幽霊船長(フリント船長なの?)コマを6マスまで船上で動かすことができます。船上で幽霊船長に接触したコマは船から叩き出されます(宝物1個を失って海に落とされ1回休み)。また幽霊船長は船に装備された大砲を撃つことも可能で、砲撃目標となった陸地エリアにいるすべてのコマは1回休みとなります。

船の宝箱を開けるには、カギを船長室から取って、それを所持していなければなりません。カギには2種類あって、宝箱の錠前に合致したカギを使わなければなりません。でもカギの取得はランダムですし、宝箱の錠前のタイプを調べるには、宝箱のある船室に行って調べなければわかりません。うむemoji

さらにプレイヤー同士の決闘ルールもあります。決闘時の武器は素手かサーベル、あるいは鉄砲で、強さによってダイス振りの回数が決まります。決闘に勝てば相手からアイテムを1枚ランダムに奪えます。なお、武器はカギと同じく船長室にありますが、やっぱり入手はランダムです。

こういうゲームにレビューなんて野暮な話。ノリで楽しむのが一番です。直接攻撃系パーティゲーム(そんなジャンルがあるのかは知らないけど)の常として、このゲームでは各自が本能に任せて殴り合い撃ち合い飛ばし合いの果て、おのさんが幽霊船長に5回くらいはとっつかまって海にダイブされるという伝説プレイを披露してましたemoji

で、海に放り出されるたびにアイテムが1個ずつ無くなるものですから、最後には丸腰のまま、近くにいる目に付いた他のプレイヤーに見境無く殴りかかる(武器がないから素手で殴るしかない/しかも負けても失うものが無い/ひどい話だemoji)という聖職者にあるまじきバーサークプレイまで飛び出し、もはやゲームが面白いのかおのさんが面白いのかわからなくなるくらい失笑の渦に巻き込まれたセッションでございました。ははは…emoji

ちなみに、終盤は必死に追いすがるおのさんとフリント船長の砲撃をかいくぐり、なんとか勝たせていただきました。面白かったけど、二度目のプレイがあるとはあんまり思えないなemoji
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/3846

Her mit den Kroten! / Noris Spiele

シャハトが前世紀にデザインした変則トリックテイク。4人。bisco便。

…説明&写真略。biscoさんにまかせた。
いや、まぁ、シャハトの言いたいことはわかるのだが。
http://www.boardgamegeek.com/game/12086

Red November (レッド・ノーベンバーを救え) / Fantasy Flight Games

潜水艦脱出ゲーム。4人。わりと最近作。

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沈みゆく潜水艦「レッドノーベンバー」の船員となり、降りかかる数々のトラブルを解決しながら、最後まで生き残りをはかるゲーム。このところ微妙に流行中の協力ゲーム的フォーマットながら、最後は潜水艦を見捨てて逃げ去るというオプションがあるシニカルさをも併せ持つ、何とも言えないブラックな雰囲気が漂うのが特徴です。プレイタイムがやや長めなのが欠点といえば欠点ですが、テンポがとても良いので、少なくともこのセッションは冗長な感じはしませんでした。

ところで、このゲームでもわれらがおのさんがやってくれましたw 終盤も終盤、端の船室に発生した浸水対策のため、そこへおのさんが移動したところ、運悪くそこに隣接する唯一の船室でも火災が発生。消火するアイテムを所有していなかったので、誰かが火を消してくれるまで閉じ込められることになってしまいました。この時点で残りわずか5分。

ところがさらに運悪く、おのさんがいる船室でも火災発生! なんとか自力で消化を試みるものの失敗、暗くて狭い船室でもう助からないと悟ったおのさんが取った行動は、まずコーヒーでウォッカの酔いをさますこと(超CoooooL!)。そしてその後、燃えさかる炎の中、ひとり静かに船室で白く燃え尽きていったのでした。合掌。下はその記念写真(緑のコマ)。

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ひとりの尊い犠牲者が出たものの、レッドノーベンバー号は帰港し、他の乗組員3人は無事でした(ひとりはウォッカで酔いつぶれて寝てましたけどw)。これは面白いゲームだ。またどこかでやろうっと。
http://www.boardgamegeek.com/game/12086

Wackelkuh / HABA

これで〆です。4人。新作だよね?

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久しぶりにハバのゲームをプレイしました。ふうかさんが購入してきたばかりの箱を開けて即プレイ。写真をご覧になれば一目瞭然で、牛(名前はエルザ)を倒さないように木製フォークでタイルを取り合う山崩し(将棋崩し)系のゲームです。これが意外にも盛り上がりまして、なぜかというとエルザの後ろ足が不安定なギミックになっているため、どきどき感がもうたまらんわけです。子供たちと遊ぶにしても、飲み屋で大騒ぎするにしても、どちらのシチュエーションにもハマりそう。
http://www.haba.de/haba/produktAnsicht.htm?c=PC_AK_74

レポートは以上です。
当日2日前あたりから微妙に体調が下降気味だったのですけど、このゲーム会が楽しすぎて吹き飛びましたよ。でもやっぱり疲れたのか、帰りのTXでは爆睡してましたけれども。
ゲームを提供していただいた biscoさん、そのルールを読んでインストしていただいたおのさん、そして同卓のかゆかゆさん、ふうかさんに厚く御礼申し上げます。おかげさまで楽しいゲーム会となりました。また機会がありましたら、ぜひともよろしくお願いいたします。

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20日(木)は、先月に引き続いて、つくばのおのさん宅で開かれた平日ゲーム会に参加してきました。参加者はおのさんの他、米出さん、Kさん、そして僕の4人です。今回も新作を中心に5点のゲームを遊びました。すでに国内もショップで扱われているタイトルもいくつかあります。

この日は朝から京王線が遅れ気味(車内で急病人が出たそうで)で、危うくTXに乗り遅れるところでした。乗り継ぎで岩本町から秋葉原駅まで小走りしたら、ふくらはぎがつりそうになりましたよ。運動不足もいいところだ…


Filou / 2F-Spiele

ブラフ絡みな競りゲーム。3人。

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Kさんの到着が遅れたので短時間ゲームを3人でプレイ。思惑とブラフが交錯する競りゲーム。

準備では全員が同じ構成のカードを受け取り、そこからランダムに1枚を取り除いてからゲーム開始。手札には「-8」から「15」まで幅広くあって、特殊なカードも2枚あります。

スタートプレイヤーから順に手札から1枚ずつ裏返しにして出し、それを競りにかけます。3人プレイの場合、最初にパスしたら3コイン、2番目にパスすると6コインを受け取ります。

競りの開始時と1人がパスした時点で、場のカードが1枚ずつ表向きにされます。こうして、最後まで残ったプレイヤーがビッドした額を支払って、場のカードをすべて受け取ります。

考える要素はないわけでもありませんが、どちらかといえばパーティゲーム寄りのデザインですね。競り開始時の情報が伏せられているためでもありますが、ブラフっぽい駆け引きが自然発生するあたりは面白いです。けっこう好きかも。
http://www.boardgamegeek.com/game/32125


Giganten der Lüfte / Queen

ダイス振りまくり。3人。

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飛行船の時代がテーマなダイスゲーム。道具や人、技術に資金等を集めて、得点を競います。

手番開始時に、場にカードを1枚補充した後、場の任意のカードを1枚だけ選択します。そのカードを入手するための条件はカードに指定されており、それを自分が振ることが可能なダイスを振って出したら成功。選択したカードを受け取ります。失敗したら「+1」タイルをもらいます。「+1」タイルを使うと、振ったダイスの目を修正できます。

カードは大別して6つのジャンルがあり、ひとつのジャンルで1枚のカードが保有可能です(2枚目の同ジャンルカードを保有したら古いカードは廃棄)。カードには特典があり、例えば振るダイスの数が増えたり、目の数が大きなダイスが振れたり、ダイスの目を有利に補正できるなどです。

大きな飛行船(ヒンデンブルグ?)が完成するか、もっと小さな飛行船の山札が一定枚数以下になったらゲーム終了で、得点の大きなプレイヤーの勝利です。

当日話にものぼったのですが、なんとなく「王への請願(Um Krone und Kragen)」を思い出しました。あちらよりも、終盤までプレイヤー間の勢力差がつきにくくなっているようです。カードはかなり入手しやすく、ダイスゲームによくある一発逆転的なギャンブル性は低めです。
http://www.boardgamegeek.com/game/32116


Hamburgum (ハンブルグ) / Eggert-Spiele moon Gamermoon Gamer

ロンデル三部作(?)の最新版。ここから4人。

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ハンブルグの街で営む行商一家の名声を高めるゲーム。ビール・砂糖・布を作り、それらを船で出航させたり、あるいは売却して建築資材を購入して建物を建てたりしつつ、教会への寄付を行って名声を高めたりします。

アクションの選択は、「古代(Antike)」「インペリアル(Imperial)」でおなじみのロンデルを用います。最初は任意のアクションを選択し、次からは3マスまでコマを移動可能で、4マス以上移動させる場合には1マスにつき1名声点(VP)を支払います(1周してもよい/8マスなので1周すると5名声点の支払い)。実施可能なアクションには以下のようなものがあります。

商品製造(ビール・サトウ・布/各1マスずつ)

生産力だけ該当のコマをもらいます。ゲーム開始時の生産力は「1」です。生産力は商品に対応する製造所(醸造所・サトウ工場・紡績所)を建設することで増加します(ただし、ある商品の製造所が建設されると、売却価格は下落します)。

貿易(2マス)

手持ちの商品を時価で売却するか、あるいは建築資材(材木・レンガ・教会の鐘)の購入が行えます。1アクションで売買はどちらかしか行えません。購入、あるいは売却は複数個・複数種類をまとめて行うことも可能です。
ただし、商品を売却する時には、自分の船を使わなければなりません。1隻の「船」で1種類の商品が売却可能で、その輸送力(1~3)までの個数を扱えます。一方、建築資材の購入は、個数が多くなるほど単価が上昇します。例えば、1個の建築資材を購入した場合のコストは「20」ですが、5個だと「200」になります。

造船所(1マス)

新しい船を造ります(コストは材木1)。新しい船は停泊所の「3」に置きます。停泊所は「1」~「3」のマスがあります。もし、すでに「3」のマスにプレイヤー数と同じ数の船がある時に新しい船が造られた場合、下の数字のマスにすべての船が移動します(『1』の船は所有者のストックへ戻る)。そして、新造船だけが「3」のマスに入ります。
船は、貿易において商品の売却量を決める重要な意味があります。

教会(1マス)

6つある教会のうち、任意のひとつの「寄付」を行います。コストは、建築資材やお金などです。最初のうちは低いのですが、完成が近づくにつれて、だんだんと高くなってきます。 各教会には5枚のタイル(寄付トークン)があり、必要なコストを支払って1回の寄付を行うたびに、そのタイルを獲得し、盤上の対応した教会マス(マップ上)に自分のコマを置きます。各タイルは、それぞれ異なる条件で名声点を得る効果を持ちます。
そして5枚目のタイルが取られると、その教会は「完成」します。最後に教会を完成させたプレイヤーにはボーナス名声点が入り、建築場所の制限がなくなります(後述)。

市庁舎(1マス)

新しい建物を建設します(コストは材木1+レンガ1)。原則として建物は、マップ上の自分が寄付をした教会に隣接するマスか、あるいはすでに自分の建物があるマスに隣接したマスに新設可能です。ただし、教会をひとつでも「完成」させたプレイヤーは、この制限がなくなります。また、建てようとするマスの色と同色の建物しか建設できません。
建物にも各種効果があり、これをうまく利用するとゲームをより有利に進めることができるようになります。

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今期ドイツゲームシーンにおけるフリーク向けゲーム群を象徴する作品のひとつです。ゲームが開始されたら乱数の要素は一切なく、また隠された情報もありません。まさに多人数の完全情報ゲームというわけです。ですから、多くの選択肢を吟味しつつ、綿密な計画と正確な決断を前提とした濃密な駆け引きへの対応力が求められるという、まるでゲーマーズゲームの標本のような内容を持っています。

ルールの分量は一般的なドイツゲームに比べれば若干多いくらいでしょうか。しかしひとつひとつの処理は簡潔かつ明瞭で、個々の要素が相互にどのような関係であるかは、このゲームの対象となっているフリーク層であれば、ルールブックの文面を読めばすぐわかるでしょう。もっとも、この見通しの良さは、ライバルとの競争が厳しくなることに直結しているということでもあります。

初めてプレイしてみて、面白いゲームであることは実感しました(惨敗でしたけど)。序盤において手の作り方はいくつかあって、それらを研究してみる価値はありそうですね。もちろん再戦はどこかで必ず。

※注:ホビージャパン版ルールにおいて、寄付トークンの効果(P5)の上から4番目(下から2番目)の効果は、「いずれかの教会の地区内の~」ではなく、「すべての教会の地区内の~」としてプレイしました。(英文ではなく)ドイツ語ルールではそうなっているそうですし、またその解釈の方が自然です。
http://www.boardgamegeek.com/game/30381


Tribune: Primus Inter Pares (護民官) / Heidelberger Spieleverlag

以下、ゴニンカン禁止。4人

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アクションの任意選択&順次実行形式なカードゲーム。

各ラウンドの開始時、ボードの「エリア」へルールに沿ってカードをランダムに配置します。そしてプレイヤーは5個ずつ自分のコマを持ちます。このコマをスタートプレイヤーから順に1個ずつ、場の定められた地点に配置していきます。配置する場所には1個しかコマを置けません。全員が配置し終わったら、やはり決まった順番にひとつずつ解決します。

ボードは大別して「エリア」と「グループ」に分かれています。エリアは8ヶ所(コマの置き場所は22ヶ所+コイン獲得用エリア2ヶ所)、そのほとんどはカードの獲得のために使います。ただし、解決処理過程でコインを獲得したり、また単にコインだけを獲得するためだけのエリアもあります。また『月桂冠』という勝利条件に関係するコマを入手するエリアもあります。

「グループ」にもコマが置けます。グループは7つあり、これはカードの種類(色)に対応しています。ここにコマ配置したプレイヤーは、そのグループに対応したカードを最初は2枚、それ以後は、現在のグループ支配者よりも(数値または枚数どちらでも)より多くのカードをプレイすることで、新たな支配者となります。

グループの支配者は、初回支配時と、支配を継続することによって特典を得ます。どのような特典かは、グループによって異なります。多くの特典には選択肢があります。例えば、手札を改善するか、あるいは勝利条件のクリアを目指すために必要なものを受け取るかを選択するなどです。

ゲームの目的は、6種ある条件のうち4つをクリアすることです。条件クリアに必要なファクターは、ほとんどがグループを支配することで受けられる複数の特典を組み合わせるか、あるいはそれら支配を繰り返すことでもたらされます。

つまりこのゲームは、グループの支配が重要なのであって、カードはその手段に使われます。ボードの大半をしめるエリアはカードを得るために使われており、それ自体が目的ではありません。とはいえ、だからといって疎かにもできないですし、資産であるコインもきちんと管理しなければなりません。考えどころ、悩みどころは多くあります。

で、このセッションですけれども、やっと中盤あたりかな? とかのんびり構えていたら、米出さんが速攻で勝利条件を4つクリアして終了。な、なんだってー。短縮ルールだったということもありますが、グループの支配と特典の入手状況は互いにチェックして、きちんと牽制し合うようにしないと、このような結果になるというゲームでした。
http://www.boardgamegeek.com/game/30957


Cuba (キューバ) / Eggert-Spiele moon Gamermoon Gamer

農作物と行政、そして立法。4人。

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革命前のキューバを舞台に、農産物や製品を売買し、時には立法府にまで影響を及ぼしながら、村に利益をもたらすことを目指します。

各プレイヤーは、同じ構成である5枚のキャラクターカードを持ちます。これは、手番において行うアクションを指定するカードです。手番になったら、そのラウンドで未使用なキャラクターカードを1枚プレイし、それを実施します。

これを順に、全員が4枚のキャラクターカードを使うまで繰り返します(残り1枚のアクションは行わない)。キャラクターカードには以下のものがあります。

労働者 Worker

自分の農園ボード上で任意のマスに労働者コマを配置します。労働者コマのいるマスも含めて、タテとヨコ方向にある計6マスから産出される農産物と資源を受け取ります。ただし、原則として農産物のマスは最大で2つです。

女性商人 Tradeswoman

市場の商品(農産物と製品)を時価相場で売買することができます。

建築家 Architect

任意の建築タイルを、必要な資源を支払って農園ボード上に配置します。建築タイルが配置されたマスは、その建築物の効果を利用可能になることの代償として、農産物や資源を産出することはなくなります。

職工長 Foreman

建物の効果を使用します。労働者コマのいるタテ列か、あるいはヨコ列方向のどちらかにあるすべての建物を任意の順番で使用するか、あるいは労働者コマの位置に関わらず任意の1つの建物を使用します。

村長 Mayor

港に停泊している船に農産物や商品を出荷することができます。これによって勝利得点を獲得します。船ごとに得点となる商品の種類と個数、それに出荷商品1個ごとの得点が異なります。

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4枚目に使用したキャラクターカードの票数が最も多かったプレイヤーがスタートプレイヤーとなります(キャラクターカードにはそれぞれ、1~5までの『票』が設定されています)。

この後、使用しなかった5枚目のキャラクターカードの票数を基礎票として立法フェイズを開始します。まず、全員が任意の枚数のコインを握って同時公開します。握ったコインはそのまま票に加算されます(買収ですね)。得票数が最大となったプレイヤーは、場に公開されている4枚の法案カードから2枚を法令として選択します。

法令は大別して「税金(一定額の納付)」「関税(商品の納付)」「補助金(条件による勝利点付与)」「その他」の4種があります。法令は立法フェイズで書き換えられる可能性があります。そして場の法令(最大4枚)は、そこにある限り必ずすべて履行されます。

ラウンド終了時には、倉庫に格納されなかった農産物がすべて廃棄されます。そして船が移動し、得点配分が変化します。こうして6ラウンド行って、最も勝利ポイントの高いプレイヤーの勝利となります。

プレイヤーボードのある箱庭系ゲームです。ただし、農産物や資源などが産出される形は固定です。これと産出ルールが足かせとなり、労働者コマをどのように配置しようとも、最大限に効率よく農産物や資源が得られないようになっています。これだけでもかなり悩ましいのに、さらに後からそれらの産出マスを「つぶす」形で建物を建てなければならならないのです。

間違いの無いよう慎重に、何かを無くして、その代償として別の何かを得て、それを積み重ねることで少しずつ得点にしていきます。ゲーマーズゲームの宿命とはいえ、このずーんと重たい雰囲気はなかなかに厳しいものがありました。次にプレイすればもうちょっと上手く…やれるかなぁ… 自信はありませんけれども、面白いゲームだとは思いましたので、とりあえず再戦は必須でしょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/30380


レポートは以上です。

翌日も仕事だったので、残念ながらアフターは遠慮させていただきました。帰りのTXでは爆睡してしまい、危うく終点で降り損ねるところでした。

今回も貴重な機会を与えていただいたことと、自宅を開放していただいたおのさん(とそのご家族)には心から感謝いたします。
そして本日は大変にお疲れさまでした>参加者ご一同様
またぜひお誘いください。moon Gamer

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7日(水)は、つくばのおのさん宅にお呼ばれしてゲーム会に参加してきました。自宅ゲーム会としては久しぶりの平日出動です。参加者は、おのさんの他に、米出さん、かゆかゆさん、僕の4人です。今回のメインテーマはエッセンの新作をプレイすること。この日は、早くも高い評価が与えられている2つのゲームをプレイすることができました。

つくばは都心よりも2~3度低めの気温でした。少し厚手の服を着ていったのは正解でしたが、ゆったりとした袖のデザインはゲームには向いていなかった模様(袖で机の上のものを引っかけることが多かった…)。


Agricola (アグリコラ) / Lookout Games moon Gamer

いわゆる箱庭ゲームの最新形。ボリュームたっぷり。

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エッセンでの注目作のひとつ。ひと組の農夫たちが、最初は何もない自分たちの農場を、より規模が大きく、そして多彩になるようコツコツと作り上げていく開発ゲームです。斬新な要素はありませんが、多数のアイデアが幾重にも組み合わされてデザインされた重厚なゲーマーズゲームでした。特に、種類も枚数も多い特殊効果を持つカードが大きな特徴で、初プレイ時にはこれを把握するは一苦労かも。

※注:写真に映っている付箋紙は、ドイツ語で書かれたカードの名称と効果をわかりやすくするために補助的に使われたものです。

農場は3×5マスのボードで、各プレイヤーが1枚ずつもちます。農場には2軒の小屋と2つのコマ(=農夫)が置かれた状態でゲームが開始されます。スタートプレイヤーから順に、農夫コマをアクションボードの任意のアクションに配置することで、そのアクションをただちに実施します。あるアクションが選択されたら、そのラウンドではもう誰も同じアクションを選択することはできなくなります。

農夫コマは最初は2個しかありませんが、資材を獲得し(アクション)、それを元に小屋を建設(アクション)し、子孫を増やし(これもアクション)、そして食料で扶養(食料を調達する方法はアクションや特殊効果等々)することで、増加させることが可能です。そうすることで、ラウンドごとに実施可能なアクション数も増加します。このように、農場経営は複数の世代にわたって行われます。

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農場には、おおざっぱに分類して「畑」と「酪農」の2種を作ることができます。畑には、豊富な収穫量を誇る「小麦」と、得点の高い「野菜」の2種があります。酪農では「羊」「猪」「牛」を飼うことができます。

畑は畑タイルの入手(アクション)が必要で、そこへ種をまく(アクション)ことで、決まったタイミングで一定量の収穫が行われます。酪農はまず柵を作り(アクション)、そこへ獲得した家畜を入れる(アクション)ことで行えます。家畜は条件が揃えば繁殖することもあります。柵で囲われた面積が広いほど飼育する家畜の頭数も多くできます(=点数が高くなる)。

基本的なアクションの12種類で、これはゲームを通じて固定です。そしてラウンドが1つ進むごとに実施可能なアクションが1つ増加します。ゲームは全部で14ラウンドで、つまりゲーム終了直前のラウンドでは12+14種類のアクションが選択肢となります。どのラウンドにどのアクションカードが出現するかはおおざっぱには決まっているだけで、ある程度はランダムに出現するようになっています。

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さらに、農場を手助けしてくれる職人(カード)や、技術革新による進歩(2種類の発展カード)がこのゲームに花を添えます。ゲーム開始時に各プレイヤーへ配布される14枚のカードが、そのセッションにおける基本的な戦略の指針となるでしょう。とにかくカードの種類は多く、またオプションによって使用するカードを追加・削除の調整も行えるようです。

種類の多いリソースと特殊効果を駆使し、立派な農場を作り上げていく過程を純粋に楽しめる快作です。良質の開発開拓ゲームがみなそうであるように、「Agricola」もまた、遠い将来を夢見ながらすぐそばにある現実の問題解決に帆走し、さらに厳しい競争にうち勝つための創意工夫をも求められます。到達点は全プレイヤー共通ですが、そこに辿り着くためのルートはいくつもあります。

ともかくも、ここでは書ききれないほど多くの要素が詰め込まれた魅力あるゲームです。プレイタイムは3時間強に及びましたが、中だるみはまったく無く、最後までゲームの世界の没頭し、終わってしまったのが残念に思うくらいの面白さでした。

ルールの根幹はシンプルでわかりやすいので、その習得はそれほど難しくないと思います。しかし膨大で言語依存性の高いカードの扱いはどうしても煩雑になるので、ターゲットはヘビーゲーマーであることは明白です。入手予定の方はご注意を。国内で扱われるかどうかは微妙な感じではありますが、少なくとも英語版がアメリカで発売されたら購入をぜひ検討したいと思っています。
http://www.boardgamegeek.com/game/31260


Amyitis / Ystari Games moon Gamermoon Gamer

イスタリ社の最新作。何から何までイスタリっぽい。

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豊かな自然の国メディアから砂漠の土地バビロンへ嫁いだ王妃アミティスの心に安らぎと慰めを与えるために、王はこの地にいくつかの壮大な庭、そうあの「バビロンの空中庭園」を作ろうと決意します。プレイヤーは王に仕える貴族となり、この壮大な計画に着手することになります。

各ラウンドの開始時に、3枚1組のグループを4組(3枚×4組=計12枚)のカードが並べられます。カードには農民・神官・商人・職人の4種があります。プレイヤーは手番順に、任意のカードを1枚選択し、対応するアクションを実施することができます。

この時、そのグループ(3枚)から最初のカードを選択した時は無料でアクションを行えます。しかし2枚目を選択した時はコスト1、3枚目はコスト2がかかります。アクションを実施することで、何種類かある農産物を手に入れたり、効果の異なる神殿にコマを置いたり、ラクダを手に入れたり、あるいは庭に水路を築いたりします。

またプレイヤーは、カードを選択する代わりに、「キャラバン」を移動させることがも可能です(キャラバン用の別ボードがある)。キャラバンを1マス移動させるごとに、1個のラクダトークンが必要です。このキャラバンが停止したマスに書かれた農作物を支払うことで、追加収入や追加得点などをもたらす発展カードの入手や、あるいは庭の緑地化が行えます。緑地化を行うことで得点処理が発生します。

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庭を緑地化するに先立って、プレイヤーはアクションを行うことで水路を通しておかなければなりません。庭の各ブロックの間に水路を通じさせて灌漑を行い、水源を確保します。水路は低い方(下)から高い方(上)へとつながるよう、ブロックとブロックの間にコマを置いて示します。

水路でつながっているブロックを緑地化することで、そのブロックのタイルを獲得可能です。また緑地化したブロックに水路に誰がいくつの水路を引いたかによってボーナスポイントも発生します。そして庭のタイルが残り4枚になったらゲームは終了します。

細かい仕掛けが縦横無尽に張り巡らされていて、それぞれの因果が互いに微妙な力学で絡み合い、プレイヤー間で厳しい競争が繰り広げられるようにし向けられています。この洗練された素晴らしいデザインにまず目を惹かれました。

「Amyitis」はイスタリのゲームらしく、序盤から得点源となる要素を少しずつ積み上げて、最終的な到達点を目指すゲームです。個々の処理はシンプルこの上ないのですが、用意されたリソースは少なく、また与えられる機会もまた限定的であるために、一切の妥協が許されない激しい戦いが繰り広げられることでしょう。

このセッションでは2時間弱がかかりましたが、これもまた長さを感じさせない中身のつまった濃厚なゲーム性に酔いしれました。自分が理解していたルールに一部解釈ミスがあって勝負には絡めなかったのが残念です。ともかくも、これは間違いなく国内で扱われると思うので、重たいゲームが好きな人ならぜひこの「Amyitis」をお試しあれ。
http://www.boardgamegeek.com/game/29934


レポートは以上です。

平日ということもあり、またお昼が遅かったのでアフターはなしで、そのまま帰りました。帰りのTXの中で、怪しいゲーム会の企画話がまとまったりしたのですが、それはまた後日詳細を報告することになるでしょう。

ともあれ、2つのゲームともルールやカードの翻訳をしていただいた米出さんとおのさん、また英文ルールを事前に読み込んでいたかゆかゆさんたちのおかげで、ほとんどストレスを感じずに新作をプレイすることができました。このような機会を与えていただいて心から感謝いたします。ありがとうございました。moon Gamer

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17日(金)は、つくばのおのさん宅にお呼ばれしてゲーム会に参加してきました。参加者は、おのさんの他、かゆかゆさん・練乳さん、それに僕の4人です。 平日だったので仕事の調整をしつつ何とか時間を取っての参加でした。

この日はエッセンからの新作ばかりをプレイするということで、参加者である僕は事前の準備は全くのゼロでした。通常のゲーム会で自分はサプライヤーの方になることが圧倒的に多いので、こういうシチュエーション自体が珍しかったりします。

このところ秋から急に冬に入り口に入ってしまったような肌寒い日が続いていますが、この日もそんな空模様でした。


Carrom (キャロム)
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おのさんがまず用意していたのが、なぜかこのキャロム。しかもインド仕様。指でディスクをはじいて、4隅にある穴に自分のディスクを入れることが目的のトラディショナルなアクションゲームです。

写真で白い粉のようなものは滑りやすくするためのパウダーで、片栗粉とか説明を受けたような。4隅の穴が小さくて、正確なショットを打つのはかなり難しかったです。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hourei/game/report/031030.html


Emira (エミーラ) / Phalanx Games moon Gamer

美しい女性を集めてハーレム作ろう。

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アラブの王子となり、王女候補となる美しき女性を自らの魅力・資産・地位を利用して好意を得て次々と集め、ゆくゆくは立派なハーレムを作ることを目指すという、何のひねりもない真っ向から直球勝負な欲望むき出しテーマのゲームです。似たようなテーマのゲームが無いわけではありませんが珍しいのは確かでしょう。制作者もはりきって細部まで凝りたかったようで、写真のようにコンポーネントの種類も個数も満載で、少なくとも見た目にはボリュームたっぷりの豪華なゲームに仕立て上げられています。

ゲームに先立って、各プレイヤーには「プレイヤーボード」が配布されます。これでプレイヤーのさまざまな要素が管理され、それによって得る資産や現在の状態がわかるようになっています。具体的には、「オアシス」(ラクダの保有頭数が多いと競りで有利になる)、「香辛料商隊」(毎ラウンドの収益の大きさを決める)、「外見」(女性に対するアピールポイント)、「宮殿」(女性を住まわせるための住まい)です。これに加えて「ステータス」(社会的な地位)がカードによってが表されます。

王妃候補となる女性のことを総称して「Emira」といい、そのカードを「Emira カード」といいます。彼女たちには男性に対する「好み」があります。それはプレヤーボード上のパラメータや資金のうちのひとつで、「外見」「ステータス」「宮殿」「保有資金」のいずれかに魅せられることになっています。簡単に言うと、男性であるプレイヤーには女性を選ぶ権利はなく、女性は好みによって自動的に男性を選ぶのです。

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当然、自分の各パラメータを上昇させるための努力も行われ、それがこのゲームの当面の目的にもなります。ゲームは「ゲームボード」を中心に進行します。各ラウンドでは、ゲームボード上に「ラクダ」「宮殿」「商隊(大)」「商隊(小)」「外見タイル」「ステータスカード」、それに女性を表す「Emira カード」が、それぞれ1つずつゲームボード上の所定の位置に配置されます。

プレイヤーは、1つのラウンドでひとつのパラメータを上昇させたり、獲得することが出来ます。獲得するには資金が必要ですが、獲得する順番は資金(ゴールド)の競りによって決まります。資金はラウンドの最初の方で現金として得ます(商隊の状態によってはより多くの現金収入を得ることが可能です)。そして競りは、そのラウンドのスタートプレイヤーから順に値を付けていく競り上げ方式です。この際に、オアシスにラクダがいると競りでかなり有利になります。

競りに勝ったプレイヤーは、ゲームボード上にあるひとつのものを取ります。手に入れるためには、所定の資金が必要です。例えば、「宮殿」には500ゴールドが必要ですし、「外見」を向上させるためには350ゴールドが必要です。

続いて、残ったプレイヤーで競りを再び行います。ここで競り勝ったプレイヤーは、残ったものの中からひとつを取ります。この際に、このラウンドで既に取られているものを取ることは出来ません。例えば、最初に競り勝ったプレイヤーが「外見」を取っていたら、そのラウンドで他のプレイヤーはもう「外見」を取ることが出来なくなるのです。この競りを最後のプレイヤーまで繰り返します。最後のプレイヤーは無料でゲームボード上に残ったものを取ることが出来ます。

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この後でイベントカードの購入(詳細は略)があって、ゲームボード上の「Emira カード」がどのプレイヤーの元へ行くのかが決まります。これは「Emira カード」に指定されている「第1の好み」の要素をより多く持っているプレイヤーの元へ行くことになります。

もし、これが同値なのであれば、「Emira カード」に描かれた「第2の好み」が判定基準となり、「第1の好み」で候補になったプレイヤー間で再び判定が行われます(それも同値の場合は『未決』となります/詳細略)。

最後に、自分の持っている「Emira カード」の枚数ごとに規定の扶養費を支払います。これが支払えなかったり、女性が住む「宮殿」が不足していると「Emira カード」は手元から離れ、山札へ戻ってしまうので注意が必要です。獲得した「Emira カード」には特殊効果を持つものもあり、そうであればそれを適用します(ただし、必ずしも良い効果とは限らない)。これを繰り返し、ゲーム最初に決められた勝利条件(プレイヤーごとに異なる)を達成したプレイヤーの勝利です。

テーマの変則性に比べると、メカニクスは案外と真面目に作られています。パラメータの上昇によるメリットがわかりやすく、プレイヤー間の相互作用も明確です。ルールは多いわりにはプレイしやすいのはそのためでしょう。

逆に見通しが良すぎて、ゲーマーズゲームとしては深みが不足している印象も感じられましたが、これは何回かプレイを重ねればまた印象が違ってくるかもしれません。それよりも、イベントカードの効果や競りのルールに大ざっぱ感があり、さらにプレイタイムが長めな方がちょっと問題です。ちなみにこのセッションでは2時間ほどもかかりました。

このセッションでは、練乳さんが序盤から商隊を走らせて資金的に余裕のある状態でゲームをリードし、その後も危なげない打ち回しでゲームを作り上げ、最終的にも圧倒的な資金力に物を言わせて、そのまま逃げ切って勝利となりました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/18931


Yspahan / Ystari Games moon Gamer

シンプルなファミリーゲーム風。

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たくさんのダイスを使うライトな戦略ゲーム。短時間で終わるのがステキ。16世紀末、ペルシャ帝国の首都「イスファハン」で取引をする商人たちとなり、より多くの得点を獲得することが目的です。

ゲームは「3週間」行われます。1週間はもちろんペルシャでも7日間(7ラウンド)で、1プレイヤーの手番で1日が進みます。スタートプレイヤーが第1日目をプレイし、次のプレイヤーの手番では2日目、その次は3日目、以下同様となります。

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手番でプレイヤーは9D6を行います。この時、お金を支払うと3個までダイスを追加することが出来ます(最大で12D6)。振って出た目に応じて「Tower Board」の各マスにダイス配置します。

最小の目のすべてのダイスは最下段のマス(ラクダ)へ置き、最大の目のすべてのダイスは最上段のマス(ゴールド)へ置きます。残りのダイスは、出た目の低い順に、下から2段目のマスから上のマスへ順に置いていきます(右図の例参照)。

例図に示された「Tower Board」の「A」~「D」は「City Board」上の4つの地区に対応しています(実際のデザインは、シンボルマークによって示されています)。ダイス配置ルールによって、A→B→C→Dの順でダイスが配置されやすくなっているという点は覚えておくべきでしょう。

ダイスを配置した後、手番プレイヤーから順に、「Tower Board」上のダイスの置いてある任意のマスをひとつずつ選んでアクションを行います。「ラクダ」と「ゴールド」マスを選んだ場合は、そこに置かれているダイスの数だけ、マスに書かれたもの(ラクダかゴールド)を受け取ります(その後で、マスからダイスを取り除きます)。

地区のマスを選んだ場合は「City Board」の対応する地区にある「ショップ」上に自分のキューブを置きます。ショップは色ごとにグループを形勢しており、あるグループに他のプレイヤーのキューブがすでに配置されている場合は、そのグループのショップへキューブを置くことは出来ません。

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「つまり、まだ誰もキューブを置いていないグループのショップか、あるいは、すでに自分がキューブを配置しているグループのショップにキューブを配置することが出来ます。あるグループのすべてのショップにキューブを配置すると、1週間の終わり(7ラウンド毎)に点数が入ります。

Tower Board」上のマスを選んだ時、上記のマスごとに割り当てられているアクションではなく、すべてのマスに共通して割り当てられている汎用アクションを選ぶことも出来ます。これには「行政官の移動(地区と地区の間を移動する白いコマ/キャラバンに商品を送ります)」、「カードを引く(カードには特殊効果があります)」のどちらかです。

行政官によって「キャラバン」にコマを送り込むと、わずかながら点数が入ることがあります。キャラバンからは1週間の終わり(7ラウンド毎)にも得点が入ります。キャラバンは、長期的展望に立った小さく積み重ねていくタイプの加点手段です。

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プレイヤーは、ゴールドやラクダを使うことで「建物」を建設することが出来ます。建物には6種類あって、建設することで特殊効果を得られます。また、多くの建物を建設することで得点が入ります。

上記にも書いたように、1週間の終わり(7ラウンド毎)には得点計算を行います。その後で「City Board」上のすべてのキューブを取り除いて、新しい週を開始します。こうして3週間(21ラウンド)を行って、最も点数の多いプレイヤーの勝利です。

発売元の Ystari Games は、あの「ケイラス」を作った会社です。しかしこの「イスファハン」は、だいぶ軽いテイストでデザインされており、プレイ時間もすこぶる短めです。ダイスをたくさん使うのでランダム性が強いのですが、プレイヤーの選択肢はだいたいにおいていくつか用意されており、近い将来への展望や計画も考えやすく、運の比重が見た目ほど高くないのが気に入りました。家庭内でもフリーク同士でも楽しめる、間口がとても広く設計された佳作だと思います。

セッションの方は、どうもいまひとつパっとせず。他人の後追いをするようなプレイをしていたので、そりゃ得点的には追いつけるはずもありません。あまり活用されなかった行政官をもっと使いまくって、思い切ってキャラバン重視路線に切り替えた方が良かったかも。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22345


Die Säulen von Venedig (ヴェネチアの柱) / Goldsieber

水の都ヴェニスの街を作りましょう。ただし杭とタイルで。

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カードによる駆け引きと建設ゲームの融合性の妙を楽しもう、という趣旨のゲームです(恐らく)。細長いゲームボードは多数の四角いマスで覆われており、そこには曲がりくねった「Canale Grande(大運河)」が1本だけ走っています。ここに「杭」を打ち、そうやって土地を作ってから建物を建設します。

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準備として、ルールに沿ってカードが用意され、それらのカードが5枚ずつ各プレイヤーに初期手札として配布されます。山札はなく、ゲーム中に使用されるカードはこれだけです(残りのカードは箱に戻す)。

スタートプレイヤーは任意の1人を選び、そのプレイヤーの手札からランダムでカードを1枚引きます。その後で、自分の手札から1枚を相手プレイヤーに渡します。そして全員が手札から1枚カードを選んで一斉にオープンします。ラウンドの開始はこのようにして始まります。

プレイされたカードの効果は、スタートプレイヤーから順に時計回りに実施していきます。効果にはいろいろありますが、基本的なものは以下の3つです。

◆「杭」を打って土地を作り出す「防水工事士」

「建設地」となる「杭」コマをボード上のマスに数本配置します。「杭」の本数はカードに書かれています。「杭」は1マスに1本だけしか置くことが出来ません。「杭」は、ボードの端のマスか、すでに打たれている杭に隣接するマスに打つことが出来ます。ただし、「Canale Grande(大運河)」には杭を打つことは出来ません。

その後、たった今打ったいずれかの「杭」の上に、プレイヤーカラーと同じ「柱マーカー」を置きます。配置可能な柱マーカーの個数は「防水工事士」カードに記載されていなす。この柱マーカーは、後でボーナス点になる可能性があります。

◆街区タイルをストックから取って手元に置く「市参事」

街区タイルは、2マス~4マスの広さで構成されています。「市参事」カードに書かれた「マス数」以内の広さなら、自由に組み合わせてストックから街区タイルを取ることが可能です。

例えば「6マスまでの街区タイルを取る」という記述なら、2マスの街区タイルを3枚取っても、4マスと2マスの街区タイルを1枚ずつ取っても構いません。手元に置くことの出来る街区タイル数には上限はありません。

◆街区タイルをボードの杭の上に置く「建築士」

手元にある街区タイルをボード上の「杭」上に配置します。「建築士」カードに書かれたマス数以内の街区タイルを配置可能です(複数枚の配置可)。建設しようとする街区タイルの形状と同じ形に「杭」が打たれていなければなりません。誰が打った「杭」であっても、そこに街区タイルを配置することが可能です。

「杭」の上に誰かの柱マーカーがあり、そこに街区タイルが建設されると、その柱プレイヤーの所有者は得点がもらえます。もちろん街区タイルを配置したプレイヤーにも得点が入ります。これは、タイル上に書かれている数値に加えて、今配置したタイルのマスに書かれているイラスト(2種類)と同じ種類のイラストが、隣接したマス(すでに建設済みの街区タイルのマス)にもあれば、それ1辺につき1点が入ります。

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これらのアクションを行った後に、各プレイヤーは今使ったカードを左となりのプレイヤーに渡します。

このように、カードはプレイヤーの手札の中で循環するようになっています。なお、全員がプレイしたカードの種類によっては、スタートプレイヤーが変わらないこともあります。もし変わるのであれば、スタートプレイヤーは左となりのプレイヤーへ移ります。

カードには他にも、さまざまな特殊効果を持つものが多数あります。中には得点に結びつくものもあって、そのもっとも特徴的なのが「ゴンドラ」カードです。ゴンドラとは、上の写真に写っている大きな船のことで、カードを使うとここに自分のコマを乗せることが出来ます。ゴンドラ上には1つのコマしか乗せることが出来ません。

「Canale Grande(大運河)」に接するように「橋」がかけられると、それをどのプレイヤーが行ったとしても、ゴンドラ上にコマを置いているプレイヤーへ得点が入ります。この得点自体は少ないのですが、橋がかけられる機会が後半になるにつれ多くなるので、累積するとかなりの得点になるでしょう。しかし、ゴンドラに乗せるためのカードは隣のプレイヤーへ渡されますので、そんなに長い間、単独のプレイヤーがこの恩恵に授かることもないようになっています。

このようにしてゲームは進みます。終了条件が満たされるとゲームはただちに終了し、勝利ポイントを最も多く獲得したプレイヤーの勝ちとなります。

カードプレイに独特の味があって、特に自分がプレイしたカードを左隣に渡すルールは、プレイヤー間のさまざまな思惑を一層ややこしくする面白いアイデアです。反面、ボード上の建設部分に今ひとつ深みが感じられなかったのは残念でした。見た目が派手なのにもったいない限りです。

もっとも、確実に平均点は上回っているゲームであることは間違いなく、こちらが求めている面白さの基準が高いだけなのかもしれません。

ところで、セッションは何と僕の勝利。初見ゲームはボロ負けするのが普通なのに、これは珍しい。終盤にかけてゴンドラから確実に得点を吸い上げていたのが良かったようです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/25114


Dschingis Khan (ジンギスカン) / Winning Moves

なぜか動きまくる万里の長城。moon Gamer

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中国とモンゴルによる激しい争い… をうまく利用して得点を多く獲得するアブストラクトゲーム。

マップボードは中国とモンゴルの境界あたりを表しています。ボードを横断するように長城コマを並べます。これが「万里の長城」です。つまり、「万里の長城」の北側がモンゴル領で、南側が中国領です(写真は南北が逆になっています/下が北=モンゴル領)。

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プレイヤーにはそれぞれ17個のタイル(プラスチック製)が配られます。内訳は全プレイヤーが同じで、5個の「モンゴル兵」・5個の「中国兵」・5個の「農民」、それに「ペスト」と「高麗人参(薬用植物)」が1個ずつです。さらにこれとは別の機能を持つ「斥候」コマを1個ずつ持ちます。

ゲームの目的は、より多くの得点を獲得することにあります。これは盤上のタイルからゲーム終了時に得られます。「万里の長城」より北の土地に置かれたモンゴル兵タイルからは3点が入ります。同様に、「万里の長城」より南側にある中国兵からも3点です。しかしこれのタイルが逆の土地に置かれていると、どちらも-3点となります。農民タイルは、どちらの国であろうと1点です。

タイルは「斥候」コマを移動させることで、盤上に配置することが出来ます。盤上にタイルを配置する時には裏返しにして置きます。タイルはいくつでもスタック(重ねる)することが可能で、その場合は重なった最も上のコマの持ち主だけが得点を得ます。あるスタックの一番上に自分のタイルを置いた時には、そのスタックのタイルをすべて見ることが出来ます。

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手番では「長城コマ」を置く選択肢もあります。長城コマを置くことで、2つのルートに分岐した時には、短い方のルートの長城コマが取り除かれます。

これによって、「万里の長城」はどんどん曲がりくねったり、どちらかの方向へ「移動」することになります。「万里の長城」が国境ですから、これが動くということで得点計算に大きな影響があることはすぐにおわかりいただけるでしょう。

見渡せる情報が極めて制限されているアブストラクトゲームで、ほとんどは思惑だけで進行します。スタックを「乗っ取る」ことは簡単ですし、そのうえ壁は実によく動きます。先読みが難しいというより、考えてもしょうがないタイプのゲームなので、刹那的に行ける時には行って、高いスタックの取り合いをすること自体を楽しむべきなのでしょう。

このセッションも、どういうわけだか僕の大勝。終盤になって「人のいない場所で暴れる」というようなことを何となーくしていたら、偶然にも大量得点となるスタックを次々と獲得していたようです。いや、たまにはこういうこともないとね。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/26089


Yspahan / Ystari Games moon Gamermoon Gamer
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ここでおのさんが一時的に席をはずし、空いた時間で3人の再プレイ。

3人では相互の絡みがやや薄くなりますが、そのぶん軽くもなります。4人とどっちが面白いかは好みでしょう。ルールもわかっているのでゲームの進行自体もサクサクと進み、気がついてみたら2位とも30点近くも離されるぶっちぎりの最下位…。カード運にもダイス運にも見放されるとこういうことになります。前のセッションの時もそうだったのですが、得点が入るカードが僕に全然回ってこないのはなぜだろう…moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22345


Yucata (ユカタン) / Hans im Glück moon Gamer
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まだおのさんの手がふさがっていたので、棚に置いてあった「ユカタン」をお借りして3人プレイ。2ゲームやりました。

僕以外は初プレイだったのですが、最初のゲームはどうにもこうにもうまく行かず敗北。うーむ。気を取り直して2ゲームを始めるも、今度は最初のゲームよりもひどい負け方をしました。なーんてこったい。「ユカタン」をしばらくご無沙汰していたら、すっかり感覚が鈍ってしまったようです。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/yucata.html


UR / What's Your Game?

そして4人に戻ってこのゲームで〆となりました。

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タイルを使った直接攻撃アリなメソポタミア文明開発ゲーム。ちなみに販売元の名称はこれで合っています。イタリアの会社だそうです。

ゲーム開始前に、場となる「文明タイル」を6×6枚で敷き詰めます。余ったタイルを各プレイヤーに1枚ずつ配布します。文明タイルには、表と裏に異なる種類のイラストが描かれています。イラストには6種類あります。タイルが場に置かれている時には、そのタイルの施設や建設物などを表します。一方、これが手元にある時には、プレイヤーが実施可能なアクションの種類を表します(タイルには表裏異なる2つのイラストがあります)。

手番では、手元にある1枚のタイルの表か裏のアクションを、どちらかひとつだけ実施します。「農業」アクションは、自分の農業タイルにトークンが2個増えます(農業タイル以外から減る可能性もあります)。「商業」アクションは、商業タイルに隣接する、自分以外のプレイヤーが所有するトークン数に応じて、その商業タイル上にトークンを配置します。「文化」アクションは、文化タイルに隣接するトークンが配置されたタイルに1個ずつトークンを追加します(他のプレイヤーであっても追加される)。「政治」アクションは、自分の所有するタイル上のトークンを再配置することが出来ます。

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最後が「戦争」アクションです。自分が所有する任意のタイルから、隣接する他人が所有するタイルへと攻め込みます。まず防御側のトークンがすべて除去され、続いてそれと同じ数の攻撃トークンを除去します。もし、攻撃する側のタイルと防御側のタイルの種類が異なるのであれば、攻撃側は追加して1個のトークンを除去します。

その後で、攻撃側のタイルから1個のトークンを防御側のタイルへ移動させなければなりません。この「戦闘後前進」は義務で、これが行えなければ攻撃自体を行えません。戦闘後前進によって攻撃側タイルにトークンが無くなるのは構いません。

アクションを行わないことも可能で、その場合は、自分の所有するタイル上に2個のトークンを置くか、あるいは任意の空白のタイルに1個のトークンを置きます。手番の最後には、手元のタイルを、場の任意のトークンの置いていないタイルと交換しなければなりません。

1枚のタイル上には5つのトークンしか置けません。自分の5つのトークンが置いてあるタイルでは、そのトークンをすべて支払うことによって、そこに「ジグラット」を建設することが出来ます。ジグラットのあるタイルには入ることは出来ず、ジグラットからトークンが移動してくることもありません。つまり不動です。

「UR」の目的は得点をより多く獲得することです。得点は、場で所有するタイルの種類と枚数によって決まります。地形は元のタイルに描かれたイラスト5種類と「ジグラット」1種類の計6種類あります。簡単に言うと、よりたくさんの種類のタイルを集めていると得点が上がります(ジグラットも地形のひとつとして考えます)。そのようなタイルの集まり(セット)をたくさん集めて、より得点の高いプレイヤーの勝利となります。

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アブストラクトゲームっぽい技巧的な要素と、敵勢力に打ち勝つライトなウォーゲームっぽい要素を上手にミックスしたゲームです。

土地を整備たり新たな土地を発見したりして国土を拡充し、トークンを効率的に増加させて、あらゆる種類のタイルを獲得することを目指します。マップは狭く、すぐに誰かの国と接触する形になるでしょうこのような緊迫した状況の中で、富国強兵を推し進めていかなければならないのです。

「戦争」アクションは過激でドラスティックな結果を生み出しますので、これを含むタイルを選んだプレイヤーがすぐそばにいたら警戒するべきです。また、攻める側としても、「戦争」は多大な損害が発生しますし、無計画に行っても得点効率が悪いだけですので、これを決断するタイミングは慎重に判断しましょう。

「ジグラット」は無敵の要塞であり、得点も増える可能性があるので頼もしい限りの存在です。しかし、富国強兵には全く役に立たないどころか、かえってじゃまになることすらあります。ですので、これを建設するのは中盤を過ぎたあたりからになるでしょう(とルールブックにも書いてある)。

全体的に変化が多く、取り得る戦略もさまざまです。プレイヤーの性格や、彼らが採用した作戦にも大きく流れが左右され、プレイするたびにまるで異なる展開になるでしょう。研究しがいのある骨太なゲームです。

このセッションで僕は、序盤で領土の拡大に失敗したようで、狭い範囲の土地を有効に活用しつつ、効率的に得点を上げる方針でプレイしました。離れた場所では戦闘が行われたり、ジグラットがあちこちで建設されたりして、派手にゲームが収束へと向かい、終わって得点計算をしてみたら… なんと、僕が僅差で勝っていました。いや、これは自分でもびっくり。いろいろな勝ち筋のある良いゲームですね。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/25420


レポートは以上です。

アフターは、つくば駅の大きな駅ビルにてとんかつをいただきました。ここではいろいろな話が出たのですけれども、特に印象に残っているのが、昨今ゲームのレポートやレビューが mixi で行われることが多くなってしまったことについてです。これについては思うところがあまりにも多いので、また後日に別のエントリーでまとめたいと思います。moon Gamer

本日はお疲れさまでした>おのさん・かゆかゆさん・練乳さん
またぜひお誘いくださいませ。moon Gamer

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24日(土)は、つくばはおのさん宅で開かれた自宅ゲーム会まで行ってきました。参加者は、おのさんの他、康さん・T.V.Flipperさん、それに僕の4人です。

この2日くらい前から喉の痛みがあらわれて微熱もあり、僕の体調は決して万全ではなかったのですが、クスリやサプリメントをがぶがぶ飲みまくり、何とかこの1日だけは体を持たすことが出来ました。このところ体調が良かったこともあり、ちょっと油断したらこのありさまです…


Fischmarkt (フィッシュマーケット) / Clementoni

漁船のお魚を買い取って売ります。

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Clementoni社の新作競りゲーム。港に水揚げされた魚を競りによって漁船から買い上げ、互いに交渉して魚を売買を行い、最終的に所有する魚をお客に売って利益を上げるというのが大まかな流れ。

ラウンドの開始時に魚カードを3枚ずつ船に配布します。船はプレイヤー数だけ使います(今回は4隻なので場の魚カードは総計12枚)。魚カードは全10種で、大きくわけて2色(灰色と茶色が4種ずつ)と色のないカード(2種)があります。

ラウンドの開始時には他に、それぞれの色の魚がいくらで売却可能かが書かれているカードが秘密裏に配られます。場には、お客カードがプレイヤー数だけ公開されます。これらの情報をふまえて、秘密入札一斉公開な競りを行います。競りは漁船ごとに50ユーロを分配する形で行われます。漁船ごとに入札額が大きかったプレイヤーがその漁船の魚カード3枚を獲得します。

お客カードには各色ごとに1種類ずつ(つまり2種類)の魚が書かれており、これが売却可能な魚の種類を表しています。このお客カードは、競りが終わった後に、山札から1枚を追加した上で、ランダムに各プレイヤーへ1枚ずつ配布されます。受け取ったお客カードに書かれた2種類の魚だけが、このラウンドで売却可能なのです。つまり、競りが終わるまでは漁船から購入した魚カードを売却することが出来るかどうかはわからないというわけです。

売却することが出来ず売れ残ってしまった魚カードは廃棄され、しかも1枚ごとに5ユーロの罰金がかかります(限定的な回避方法あり・後述)。そこで交渉になるわけです。競りの後、購入した魚カードはプレイヤー間の自由交渉で交換や売買可能となります。

これが終了した後、最後に自分の持つお客カードに書かれた魚カードを所有していれば、それを売って利益を得ます。売却額は、ラウンド開始時に配布された価格カードに書かれています。色の付いていない2種類の魚カードは、それらとは無関係に固定額で販売可能です(売却額が魚カードに書いてあります)。

売れなかった魚カードは5ユーロの罰金を支払って廃棄することになりますが、「氷マーカー」を使って一時的な保存が可能です。1つの氷マーカーで保存可能な魚は1種類のみです(枚数は制限なし)。保存期間は次のラウンドまで。氷マーカーは各プレイヤーが2コずつ持っていて使い捨てです。

この後で、50ユーロを超える利益は専用トラック上で記録します。そして全員が手元に50ユーロだけ残して次のラウンドに入ります(競りは、毎ラウンド全員が50ユーロずつ所有している状態で行われるわけです)。これを4ラウンド繰り返し、最も利益を上げたプレイヤーの勝利です。

不安定なランダムな要素が多い競りゲームです。どの魚カードが入手出来るのか、それをいくらで売れるのか、そもそもお客は来るのか… それらは読みというより、ギャンブルに近い感覚です。ゲームの技術的な補填として自由交渉があり、それ自体は魚市場でのやりとりに雰囲気が似て楽しいです。まぁ、一発逆転があると言えば聞こえがいいのですが、運だけでも勝ててしまうバランスは問題があるかも。

このセッションで僕は、最終ラウンドに何もかもがうまくいってぼろ儲けとなり、大差で勝利しました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22233


Mykerinos (ミケリノス王) / Ystari Games moon Gamer

「ケイラス」に続く Ystari Games の新作です。

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プレイヤーは考古学者になります。エジプトの遺跡を発掘し、それを博物館に展示することで得点となります。しかし、遺跡の発掘も博物館の展示も、プレイヤーは互いに競い合わなければなりません。

遺跡は4つの「エリア」に分かれています(最終ラウンドは6エリア)。1つのエリアは2枚のタイルで構成され、それぞれのエリアは隣接しています。ほとんどのタイルにはパトロンを示すマークがひとつ描かれています。

ラウンドの開始時に各自8つのコマがストックから手元に補充されます。前のラウンドからコマが残っていればそれも使えます。これら手元のコマを使って遺跡の発掘を行うのです。手番では1~2個のコマを遺跡に配置します。置けなかったり、置きたくない場合はパスをして抜けます。全員がパスをしたら、各エリアでコマの数をカウントします。

それぞれのエリアにおいて、最もコマを配置したプレイヤーは、そのエリアのタイルを取るか、あるいは博物館にコマを置くかを選択します。エリアのコマ数が同数の時には、早くパスをしたプレイヤーに優先権があります。エリアには2枚のタイルがあるので、コマ数2位のプレイヤーにも同様の恩典があります(タイルが余っていれば3位以下のプレイヤーでも恩典を受けられる可能性があります)。

獲得したエリアのタイルを裏返すとパトロンのタイルとなります。最終的にパトロンタイルは1枚ごとに1点となりますが、博物館にコマを配置することで、その価値をさらに高めることが出来ます。また、パトロンタイルは、それぞれ固有の特殊効果を持っています。自分の手番でコマを配置する代わりに、所有する1枚のパトロンタイルの効果を使うことも可能です。パトロンの効果を使うと、より多くのコマの配置・博物館へのコマの配置・配置不能なマスへの配置等が行えます。

ドイツゲームの本流ともいえる陣取りメカニクスで、限られた資源と機会で最大の利得を上げることを狙うゲームです。単なる陣取りとしてだけではなく、平面的なポジション争いも盛り込んであって、実に深みのある作品に仕上げられています。ルールもさほど難しくありませんし、プレイタイムも60分ほどで終わります。しかしゲームは大変にシビアで、遺跡と博物館のどちらを優先するべきかは常に悩まされるでしょう。コマの配置は早い者勝ちだし、遺跡で負けるとパトロンの獲得が遅れます。

このセッションは初プレイだったので、パトロンの特殊効果の大きさを把握するのに時間がかかりました。プレイ経験のあるプレイヤーが序盤でパトロンを多く獲得して優位を確保し、結局はゲーム終了までその形のまま押し切られました。偶然要素が少ないので、一度離されると追いつくのは難しいゲームだと思います。

パトロンの特殊効果はどれも強力ですし、最終ラウンドはエリアが増えることもあり、その所有数がそのまま勝敗に繋がりやすくなっています。その点に注意しつつ、大きく離されないようにプレイを進めるべきでしょう。いずれにせよプレイ経験の差が出やすいゲームであるので、初プレイ者には5点ぐらいのハンデをあげてもいいような気がします。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/mykerinos.html
http://www.boardgamegeek.com/game/21441


Seeräuber (海賊組合) / Queen moon Gamer

あえて言おう。>これが年間大賞の最有力候補であると!(注:微熱あり)

moon Gamer

あんまり僕がこのゲームを誉めるので、他の3人はちょいと引いていましたが。moon Gamer

各プレイヤーは海賊コマを5個持ちます。コマには「2」~「5」と「?」があります。これは海賊の強さではなく、お金を強奪する金額を表しています。プレイヤーにとって数値の大きな海賊コマが有能であることは違いありません。これらのコマを自分の前に公開して置きます。

手番では、自分のコマを他のコマに重ねることが出来ます。海賊コマを重ねることで「襲撃グループ」を組みます。襲撃グループは複数のプレイヤーのコマから成っていても構いません。また、襲撃グループにひとつのコマを重ねても構いませんし、襲撃グループを別の襲撃グループに積み重ねても構いません。襲撃グループのコマを動かすことが出来るのは、その一番上のコマ(リーダー)の持ち主だけです(例外あり/詳細略)。リーダーの下に積み重なったコマは見ることは誰も出来ません。

場には「船」が公開されています。「船」には、その船を襲撃するために必要な海賊の数(積み重ねられた海賊コマの数)と財宝が書かれています。財宝にはお金とアイテムの2種類があります。

そして手番では、コマを重ねて襲撃グループを組む代わりに、その襲撃グループによって船を襲撃することも出来ます。船を襲撃するためには、襲撃グループのコマの総数が船に書かれた必要人数と同じかそれ以上でなければなりません。海賊の数さえ満たせば襲撃は自動的に成功します。まずリーダーコマの持ち主が船に描かれているアイテムを獲得します。もし船にアイテムが2つあれば、上から2番目のコマの持ち主も残ったアイテムを獲得します。その後で財宝を分配します。

財宝の分配は、まずリーダーを「除いて」行います。リーダー以外のコマは、そこに書かれた数値だけお金を受け取ります(『?』の海賊コマは船ごとに受け取る財宝が異なっています)。それらの財宝を支払った後に、残った金額をリーダーの持ち主が受け取ります。もし支払うべきお金が不足している場合は、リーダーの持ち主が他のコマの持ち主に所持金から補填する形で支払わなければなりません。

これを船が無くなるまで続けます。ゲームが終了したらアイテムの種類ごとに獲得枚数を比較します。各種類ごとに最大枚数を所有するプレイヤーが、アイテムに書かれた数値だけお金を受け取ります。最終的に最もお金を多く所有するプレイヤーの勝利です。

僕にとって、このゲームがこの日最大の収穫になりました。これは面白かったです。繊細な駆け引きと計算が渦巻くユニークなアイデアで構成されたマネー&メモリーゲームです。もっとも「記憶」の要素はかなり薄く、リーダーが財宝の分配で赤字が出たとしてもアイテムを優先的に受け取れるので、最終的にそれでプラスの収支になるかもしれません。海賊コマの運用についての考え方はいろいろあって、いくつかの作戦も考えられるでしょう。

さすがはドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた作品だと思いました。題材が「襲撃」であることやリメイクということで若干不利な立場ではあるでしょうが、「海賊組合」が大賞に選ばれたとしても僕は不思議には思いません。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22287
http://jirai.blog62.fc2.com/blog-entry-86.html


Augsburg 1520 (アウグスブルグ) / Alea moon Gamer

これはフルカラーのプレイエイドが欲しくなりますね。

moon Gamer

アレア・ブランドの新作ゲーム。ゲームの本質はちょっと変わった競りを軸とした開発・発展系のゲームです(テーマは大富豪の立身出世ですけれども)。

ゲームの目的は「名誉ポイント」をより多く獲得することです。これは階級のひとつである「身分」を上げれば、毎ラウンド獲得することが出来ます。「身分」が高ければ高いほど、一度に入る名誉ポイントは高くなります。

では「身分」を上げるにはどうしたらよいのでしょうか? それは自らの「役職」の影響で集まってきた貴族を「財力」で購入し、特権を獲得することで可能となります。この「役職」「財力」も「身分」と同じく「階級」です。3つの階級を上げることで、ゲームをより有利に進めることが出来るわけです。これらをふまえて、ゲームの流れをご説明いたしましょう。

ラウンド開始時に貴族カードが「役職」で規定された枚数だけ配布されます。配布された貴族カードから必要なカードを自己資金を支払って購入し、それを手札に入れます。この後、この貴族カードによって競りを行います。競りはボードに描かれた5人の貴族について1人1人順番に行います。

ある貴族の競りで入札に使うことの出来るのは、その貴族と同じ貴族カードかワイルドカードだけです。入札は「枚数」で宣言します。前の人と同枚数ビッド(フォロー)か、1枚以上多く(オーバービッド)をするか、あるいはパスをします。パス以外で全員が同じ枚数になったら競りは終了です。例:自分が「2枚」と入札し、他のプレイヤー全員が「フォロー」か「パス」したなら、貴族カード2枚で判定に入ります。

複数のプレイヤーが同枚数の貴族カードを入札した場合、数値の大きい貴族カードを持つ方が落札します。落札したプレイヤーは、場に並べられた「特権カード」を1枚選択します。1枚の特権カードには3つのことが書かれていますので、そのうち2つを選んで獲得します。

特権カードによって得られるもので、最も基本的な特典が「階級」です。すでに書いたように階級には財力・身分・役職の3種類あります。これらはゲーム的に「毎ラウンドごとの現金収入」「勝利得点の獲得」「毎ラウンド配布される貴族カードの枚数」を表しています。階級の高さは階級タイルによって表されています。ちょっと面白いのは、高い階級タイルには枚数に制限があることです(枚数は人数によって異なる)。場から無くなった階級タイルを獲得した場合、他のプレイヤーから奪い取って自分のものにします。

高い特権を取ると、さらに特別な「権利タイル」を獲得する機会を与えられます。権利タイルにはいろいろありますが、ゲーム的に重要なのは、得点の上限を超えることの出来るタイル「教会」「大聖堂」タイルでしょう。「教会」がなければ25点までしか名誉ポイントは上がりません。同様に「大聖堂」がなければ「45点」までです(『大聖堂』だけでは25点の壁は越えられないことに注意)。

ざっと説明すると以上のような感じです。アレアらしく扱う要素やそれに関与するするルールが多くて複雑そうに見えますが、本筋となる部分(競りと3種の階級獲得合戦)については、やりながらでも覚えられるほど素直です。プレイヤーが得るモノで、得たことによって不利益を伴うこともないため、有利不利が場を見れば一目瞭然という見通しの良さも特筆すべき点でしょう。それだけに、一部タイルの視認性が悪いのが気になりました。

オリジナルのセットには入っていないプレイエイドがメビウスの訳には添付してあって、それ自体は実に素晴らしいのですが、カラーイラストで説明されないと結局はわかりにくいのが欠点です。また邦訳について言えば、訳語の選択にもやや疑問があるように思いました。

ところで4人のセッションが終わった後に、少し時間が空いたので2人プレイも試してみました。さすがに2人だと進行はかなり早くてあっという間に終わります(ラウンド数も短いですし)。ゲームの深みは2人プレイでは感じることは出来ませんでしたが、ルールを習得するための練習と考えればいいかも。ちなみに「アウグスブルグ」の箱に書かれたプレイタイムは「25~75分」とあり、確かに2人プレイであれば30分以内で終わりますね。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/21892


Was'n das? / Ravensburger moon Gamer
moon Gamer

お題をヘンテコなコンポーネントで何とか作り上げて、それを他の人が当てるコミュニケーションゲーム。ルールの運用が怪しかったので詳しいレポートは避けますが、とてもユニークなパーティグッズなのは確かのようです。

ただ、相変わらず僕はこの手のイマジネーションを膨らますタイプのゲームが大の苦手(僕がRPGをやらない理由もそれです)なのと、このあたりで体調が崩れてきたのがあって、今ひとつ楽しめませんでした。すいません。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22340


Taj Mahal (タージマハル) / Alea moon Gamer

最後はこのゲームで〆ました。

moon Gamer

久しぶりにプレイしました。が、内容はさんざんでした。そりゃもう自己嫌悪に陥るくらい。

7ラウンドで大きな競りに負け、カード資産が極端に減ってからはもうじり貧で、心理的には半ばモラル崩壊を起こしていました。実際の形勢も、トップの康さんがこの時点で点数的に他を大きく引き離しており、もはや他の誰にも勝利はありえない形になっていました。「タージマハル」は、ひとたび誰かに点数が大きく入ったり、競りで狙っているものが複数のラウンドでバッティングしまくると極端に場が偏るような気がします。

ただ僕にも反省すべき点が多くあって、ここで諦めてしまうより少なくとも2位は狙ってプレイするべきだったなぁ、と。こんなことで言い訳するのはみっともないのですけれども、体調的に不調なこともあって粘りに欠けてしまったのは悔やんでも悔やみきれないところ。ゲームですから勝ち負けはつき物だとしても、負け方が悪かったのは自分の責任です。一緒にプレイしたみなさまには大変に失礼しました。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/tadschmahal.html


レポートは以上です。

体調はだんだん悪くなってくるばかりなので、アフターの食事は遠慮してお先に失礼させていただきました(実際、この後数日に渡って寝込むことになります)。ともかくも、素晴らしいセッションとゲームに恵まれた充実の1日となりました。最後の「タージマハル」は個人的にダメダメなセッションとなってしまいましたが、ゲームそのものの面白さは堪能しましたし、次への課題が出来たということで(無理やりにでもに前向きになってみる)。

自宅を開放していただいたおのさん(とそのご家族)には心から感謝いたします。
本日はどうもお疲れさまでした>参加者ご一同様
またぜひ遊びましょう~moon Gamer

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6月にしては肌寒い空模様となった3日(土)は、つくばのおのさん宅で開かれた自宅ゲーム会にお呼ばれされまして、TXに乗ってはりきって参加してきました。

参加者は10名ほど(かゆかゆさん・つくりみちさん・健部さん・えぴるさん・MQさん+お嬢さん・さとーさん・カワサキさん・Sさん・おのさん、それの僕)と、自宅ゲーム会にしてはずいぶんと大きな規模(最大で3卓が同時に行われていました)で、1日中たくさんんのゲームを遊んできました。


Oriente (オリエンテ) / daVinci games moon Gamer

「10人いるので全員でゲームがしたい」というおのさんのリクエスト。10人。

moon Gamer

確かにこのゲームはルール上では12人までプレイ可能となっています。与えられた「領主」の特殊効果を使ったり、社会身分を使って攻撃をしたりしながら、報酬としてのカードを集めるゲームです。

攻撃時には他のプレイヤーとの交渉が行われるので、それぞれの思惑がぶつかり合って、時にかなり露骨な取引も行われることもある権謀術数なゲームです。交渉が長引くとプレイタイムも長くなり、最後はちょっとダレ気味でした。もうちょっとライトに取り組んだ方が良かったのかもしれません。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/oriente.html


moon Gamer

このあと、食事の時間が入ったりして、写真のような「みつけてピカチュウ しっぽでバンバン」などの軽めのゲームや、試作ゲームのテストプレイなどがしばらく遊ばれていました。


Focus (フォーカス) / Parker Brothers moon Gamer

軽めのゲームが盛り上がっている部屋の隅でこっそりと。4人。

moon Gamer

シド・サクソンの有名なアブストラクトな思考ゲーム。手番では自分のコマだけをタテかヨコ方向に1マスだけ移動可能です。あるコマを別のコマの上に重ねると「スタック」になります。スタックの所有者は一番上に乗っているコマの色を担当するプレイヤーです。

スタックの移動数はその高さと同じです。3個のコマが重なっているスタックは3マスジャンプします。ただし、スタックの上から一部だけを取って移動させることも可能です(その場合は、取ったコマの数だけジャンプする)。

コマやスタックが移動した結果、スタックの高さが6個以上になったら、上から5個のコマだけをその場に残して、後のコマは盤上から除去します。除去したコマが自分のものであれば手元に置き、他人のものであればゲームから取り除きます。

自分の手番で、手元にコマがあるならそれを盤上の任意のマスに置くことが出来ます。何もないマスでも、他のスタック上でも構いません。これを繰り返し、コマやスタックが移動出来なくなり、手元のコマもないプレイヤーは脱落します。最後に残ったプレイヤーの勝利です。

今回、このゲームはおのさんのリクエストで持ち込みました(結局おのさんとはプレイ出来なかったのですが…)。古いゲームなのでタイトルは以前から知っていましたが、これまで僕は未プレイでした。素朴でわかりやすいメカニクスで、ルールは誰でも数分で覚えられます。しかし偶然の要素がまるでない完全情報ゲームであり、しかも盤上の変化が多い上に激しいので、正確に何手も読み切るのは難しいタイプのゲームです。

このセッションでは2人ずつペアになってチーム戦を行いました。しかし我がチームは良いところもなく惨敗でした。moon Gamer いくらなんでもひどい結果だったので、次はもっと研究してからゲームに臨みたいと思います。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/focus.html


Just 4 Fun (ジャストフォファン) / Kosmos (Franckh-Kosmos)

偶然にもコマの形がフォーカスっぽいです(小さいけど)。4人。

moon Gamer

盤上には「1」~「36」までの数値が書かれたマスがあります。マスの内部にはそれぞれプレイヤーに対応したコマの配置場所があります。

手番開始時には手札として4枚のカードを持っています。カードは「1」~「19」まであります(ただし数値の大きなカードは山札に枚数が少ない)。これらを少なくとも1枚プレイしなければなりません。最大で4枚までまとめてプレイすることも可能です。

プレイしたカードの合計値と同じマス目に自分のコマを置きます。ひとつのマスの複数のコマを置くときには、自分のコマに積み重ねます。そのマスで、他のどのプレイヤーよりも多くのコマを置いている場合、そのマスの多数を「確保」したといいます。

あるマスにおいて、自分のコマよりも2個以上多く他人のコマが置かれていれば、そこにもうコマを配置することは出来ません。また、あるマスにおいて、他の誰よりも2個以上多くのコマを置いたプレイヤーは、そのマスを独占して「確保」することが出来ます。

ゲーム中に、連続する直線的な4つのマス(タテ・ヨコ・ナナメ)において多数のコマを「確保」したら、そのプレイヤーの勝利となります。各プレイヤーが全てのコマを使い切ってゲームが終了した場合は、ルールにしたがって得点計算処理が行われ、それが多いプレイヤーの勝利となります。

「学研が作ったゲームみたい」という意見が出ていましたけど、まさにそんな感じ。ゲーム中は4枚のカードのそれぞれの組み合わせを足し算することに終始します。ゲームの装飾は最小限度にまで抑えられており、あくまでドライでストイックなつくりです。

ただし、カードの引きによる運の要素が思った以上に大きいので、そのあたりはどうなんだろうと。このセッションでは、「3」のマスにコマを置けば勝ちというカワサキさんを他の3人が手札の状況が悪くて誰も止めることが出来ず… 結局そのまま4マス揃えてカワサキさんの勝利となりました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/17534


Blue Moon City (ブルームーンシティ) / Kosmos (Franckh-Kosmos)

話題のノミネート作。しかし…。4人。

moon Gamer

闇の時代が終わった「青い月」で、破壊された建物を再建するゲームです。

テーブルには中央に「市場」のタイルを置き、あとはルールにしたがって建物タイルの「建築図」の面を上に向けて配置します。プレイヤーの当面の目的は、これらの建築図に描かれた建物を、自分たちの持つ「建築マーカー」を使用して再建し、その報酬としてクリスタルを得ることにあります。

手番では、コマをタイル2枚まで移動することが出来ます。移動した先の建物タイルにカードを使って建築マーカーを「建築工程」のマス置くことが出来ます。カードに余裕があるなら、複数の建築マーカーを配置しても構いません。もし建築マーカーを置いた建設タイルにドラゴンがいれば、「ドラゴンの鱗」をもらえます。

もし、その建物タイルの全ての建築工程マスが建築マーカーで埋まったら、その建物は「完成」します。建物が完成したら、そこに建築マーカーを置いてあるプレイヤーは全員がルールにしたがって報酬を受け取ります。最も多くの建築マーカーを配置していたプレイヤー(大建築家)は追加報酬を受け取ります。さらに、今完成した建物に隣接した完成した建物に描いてある報酬も、やはり建築マーカーを配置している全員が受け取ります。

報酬にはクリスタル・ドラゴンの鱗・カードの3種があります。クリスタルは、一定数がたまったらオベリスクに捧げることが出来ます。この捧げ物を一定数(プレイヤー数によって異なる)行ったらゲーム終了で、最も捧げ物の多いプレイヤーの勝利となります。

ドラゴンの鱗を受け取ったら手元に置いておきます。ストックにドラゴンの鱗がなくなったらただちに特別な決算が行われ、ドラゴンの鱗を最も多く所有するプレイヤーが6クリスタル、他の3枚以上鱗を持っているプレイヤーは3クリスタルを受け取ります。その後鱗はストックに戻しますが、2枚以下しか鱗を所有していなければそのまま持ち続けることが可能です。

最後に山札から2枚のカードを引いて手札に入れます。引く前に1~2枚のカードを捨てれば、その分だけ追加でカードを補充することが出来ます。

基本的なルールはこの程度ですが、さらにカードの特殊効果が加わります。大きくわけて「ドラゴンの移動」「プレイヤーコマの移動」「建築時のカードの色」「捧げ物の回数」に関する4系統があります。効果はカードにイラストで指定されており、それほど難しくはありません。

全体的なプレイ感はとても軽く、建物も簡単にさくさくと建設されていきます。というのも手札の上限数がなく、カードさえあれば建築マーカーを複数置くことも可能だからです。なので、ぼんやりプレイしているとすぐにゲームが終わってしまうかもしれません。実際、このセッションでは、ルールの確認を優先して進めたからかもしれませんが、あっけない幕切れという感じでゲームが終わってしまいました。

「ブルームーンシティ」は、限られた機会の中で出来るだけ短い手数の最適効率をプレイヤーに考えさせる「鋭い」ゲームとしてデザインされているようです(だからプレイ時間も短め)。カードのコンビネーションと手札マネージメント、効率的に報酬の受け取るための移動、それにカードの特殊効果が相互に絡み合い、それがプレイヤー同士の駆け引きを複雑で奥深く、悩ましいものとしたいという制作者側の狙いは伝わってきます。

ただ残念ながら、それらの魅力的な仕掛けやゲームのコクが1回のセッションだけではよく見て取れませんでした。ポテンシャルが高そうな作品でことは理解出来るのですが、それがどうもゲームの前面に現れているように感じられないのです。あるいは単に僕が見逃しただけかもしれません。ということで、再プレイしてからまたレポートし、評価したいと思います。保留。
http://www.boardgamegeek.com/game/21882


Aqua Romana (ローマ水道) / Queen

息の詰まりそうな思考ゲーム。4人。

moon Gamer

前回のセッションレポートとゲームの大まかなレビューはこちらのエントリーをどうぞ。

前回のプレイは3人で今回は4人です。ただし1プレイヤーごとの作業員の数が減っている(4人では作業員3個・3人では4個)のと、手番までに動く建築家の数がひとつ多い(プレイヤー数が1人多いからですね)ので、3人の時より考えどころがすっきりしているような、そんな漠然とした印象を持ちました。

とはいうものの、建築家を思ったようにコントロールするのは難しいことには変わりありません。「勝利の踏み石」の厳しい制限との兼ね合いもあって、下手に粘って水路を延ばすよりも、早めに水路を完成させ得点を確定した方がいいケースもあるでしょう。水路を完成させると、新しい建築家の配置が行える特典があり、それが意外と大きいメリットなのです。

このセッションでは、突出して1人の作業員だけに水路建設を集中し、長い水路を完成させたカワサキさんが圧勝かと思いきや、3人の作業員をバランス良く延ばしていた僕の点数がボーナス点の分だけ僅差で上回っていました。なるほど、こういう勝ちパターンもあるのかと自分でびっくり(いや、直前まで負けたと思っていたものですから…)。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/aquaromana.html


Diamant (ダイアモンド) / Schmidt Spiele moon Gamer
moon Gamer

ここでインターミッション的に軽く「ダイアモンド」をプレイ。確か7人くらい?

ちいさな女の子も一緒に入って楽しんでいました。「ダイアモンド」がファミリーゲームとしても優秀なゲームである証でしょう。セッションの方は、めざとく計算を入れつつ、運も味方にして僕が辛勝しました。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/diamant.html


Thurn und Taxis (郵便馬車) / Hans im Glück moon Gamer

えらいヘビーローテーションですなー。4人。

moon Gamer

何度やっても面白いのに、どうして上手くならないんだろうねぇ… orz

今回は序盤になぜかバイエルン近辺の都市カードが公開されている状態で手番が回ってくることが多くあり、どうも嫌な展開となりました。まず序盤は周辺地域の都市を押さえて地域ボーナスタイルの獲得を目指す作戦が好きなのですが、それを実現するにはカードの回りが悪いのです。仕方がないので郵便網の長さで勝負をかけようとしたら、それをすでにやっている人がいまして…

結局、最後までどっちつかずのまま場当たり的に郵便網をつなげていくだけの散漫なプレイに終始することになってしまいました。もっと柔軟にさまざまな状況に対応することが出来るよう冷静に対処するべきでした。反省…。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/thurnundtaxis.html


レポートは以上です。

結果として、ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作体験会みたいになりました。moon Gamer ノミネート作で未プレイなのは「Seerauber」だけですが、これは biscoさんのところのエントリーで何となく雰囲気は伝わっています。ありがたや。ああ、でも早くプレイしたいなぁ。

こういう素晴らしいゲーム会を開催していただいたおのさんには心から深く感謝いたします。ありがとうございました。大勢でご自宅に押しかけて、さぞかしお疲れのことと思います。どうぞお体にはお気を付けくださいませ。
参加者のみなさまもお疲れさまでした。またぜひどこかで遊びましょう。moon Gamer

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11日(土)は、おのさん宅で開かれた自宅ゲーム会にお呼ばれしまして、TXに乗ってつくばまで行ってまいりました。参加者は、おのさんご夫妻の他、かゆかゆさん・康さん・笑う狐さん・しょうさんと僕の7人でした。笑う狐さん・しょうさんとは今回初対面です。

で、ここからレポートなのですが…
この日はまず、おのさんのお知り合いが制作された創作ゲームの試作品を3点ほどテストプレイ(というか評価?)するところから始まりました。これらのゲームは、全てが手作りの木製コンポーネントで構成されたもので、試作品とは思えないほどしっかりと作り込まれており、このまま商品として販売されていてもおかしくないレベルの立派な作品でした。ぜひここで紹介したいところなのですが、作者の意向で残念ながら非公開とのことですので、テストプレイの結果も含めてここでは詳細を伏せたいと思います。残念。moon Gamer


Mesopotamia (メソポタミア) / Phalanx Games moon Gamermoon Gamer

テーブルが狭かったので畳の上でプレイ。4人。

moon Gamer

個人的には2回目のプレイ。前回のレポートと簡単なゲームの紹介はこちらのエントリーをどうぞ。土地を開拓し、材木で家を造り、石で聖地を作ったり神殿建設をしつつ、捧げ物を神殿に貢ぐことを目的にした開発ゲームです。

moon Gamer

歴史的な背景はゲームの雰囲気作りに利用されているだけで、そのあたりの知識は全く不要です。システムはアクションポイントシステムを簡素化したようなもので、全体的にテンポ良く、プレイしやすいように工夫されています。

ゲームに関わるほとんどのアクションは「民族コマ」によって行われますが、ルールではそれらの総移動数(5移動力)しか制限をしていません。

例えば、民族コマが隣のタイルに移動するためには移動力を消費しますが、民族コマが資源を取得したり、それを運搬したりすることに余計な移動力はかかりません。特別なアクションは別のフェイズで別のジレンマを生み出す要素としてきれいにまとめてあり、これもこのゲームをわかりやすくしている優れた構成だと思います。

moon Gamer

反面、直接的に相手へ干渉する手段が限られており、多人数ソロプレイ気味の展開になることもあります。慣れればあの手この手で圧力をかけることも出来るようになり、それなりに効果も大きいこともありますが、最終的には自分が先に走ることを考えた方が効率が良いようです。

このセッションでは序盤に採石場と平地タイルが出現しまくって木材不足がしばらく続きました。このため、ほとんどのプレイヤーが神殿建設に走ったために、中盤に入る頃には逆に石材が不足する事態になりました(神殿建設に使われた石材はゲームから除去されます)。木材の方はもっと深刻で、ゲームを通して森林タイルの引きが偏ったせいで常に木材は不足気味だったような気がします。

それでもじりじりとゲームは進み、あと数手番で決着が付くという時に、おのさんの奥さんが最初から温存していたという1枚のカードを最後の最後で使い、これで差しきって会心の逆転勝利。いや、お見事でした。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19301


シャドウハンターズ / ゲームリパブリック

ここで全員が集まってプレイ。7人。

moon Gamer

自分の正体を隠した状態でゲームを開始し、それぞれに与えられた目的を密かに果たすことを目指すゲームです。もともとは自費出版の創作ゲームだったかと思いますが、それをさらに改良してゲームリパブリックから発売されることとなりました。もちろん国産ゲームです。

プレイヤーはそれぞれ1人のキャラクターとなります。これはゲーム開始時にカードで秘密裏に決められます。キャラクターには大きく3種類の属性があります。まずは魔界の住人である「シャドウ」、そしてそれを追い詰める「ハンター」、そしてその関係とは独立した存在の「ニュートラル」です。シャドウの目的はハンターの全滅であり、逆にハンターはシャドウの全滅を狙っています。ニュートラルはキャラごとに独自の目的を持ちます。

moon Gamer

ゲームは各プレイヤーが手番を回して進行します。自分の手番では、まずダイス2個(6面体と4面体)をふって出た目に対応するエリアに自分のコマを移動させます。そして移動した先のエリアに書かれた行動を行うことが出来ます。

行動を行うことで、装備を整えたり、あるいは誰かの属性や正体を探ることが出来ます。特に「おババカード」と呼ばれるカードを使った限定的な秘密の質問は重要で、これを積み重ねることによって誰が敵か味方かの推測を行うことになります。

この後で同じレンジ(隣接したエリア)内にいる他のキャラクター1人を攻撃することが可能です。攻撃には理由は必要なく、望むのであれば行うことが出来ます(しなくても構いません)。攻撃を行ったら、ダイス2個(6面体と4面体)の差分を相手にダメージを与えます(同値は失敗)。

moon Gamer

キャラクターが設定されたHP以上のダメージを負ったら、正体を明かした上でゲームから脱落します。これを繰り返し、最終的に勝利条件を達成したキャラや属性の側が勝利します。

推理を主軸にした生き残りゲームです。自分の正体を隠した状態で目的達成を目指すゲームはそう珍しくはありませんが、シンプルな直接打撃なシステムが疑惑と不信を増長させるかのような心理的効果を生み出し、独特の緊張感がゲームを支配しています。さらにダイスによる思わぬ展開がドラマチックな演出に一役買っています。

推理要素があるとはいえ、ガチガチに勝敗にこだわるようなタイプのゲームではなく、その場のノリを楽しむちょっとだけ硬派なコミュニケーションツールとして無難にまとまっていると思います。残念ながら僕自身の好みのゲームではありませんでしたけれども、「人浪」系のジャンルのゲームは多くのファンがいますので、「シャドウハンターズ」がヒットする可能性は十分にあるでしょう。

このセッションでは、ニュートラル3人が死亡することによってシャドウ側の勝利となりました。moon Gamer
http://www.gamerepublic.jp/sh/index.html


Elasund: The First City of Catan (エラズント) / Kosmos (Franckh-Kosmos) moon Gamermoon Gamermoon Gamer

ここからまた4人へ。

moon Gamer

前回のレポートと簡単なゲームの紹介はこちらのエントリーをどうぞ。うーむ、前回プレイ後はかなり良い印象を持っていてヘビーローテーションなるかと思っていたのですけれども、その後全然プレイされることもなく今回で2回目のプレイ。ちなみに他のメンバーは僕以外全て初プレイ。

moon Gamer

2回目のプレイではっきりわかったのは、このゲームはちゃんとプレイエイドやリファレンスを作らないとわかりにくいということ。特にパワーカードのコストに支払いパターンがいくつもあってインストした僕自身が混乱していました(すいません)。このあたりを、出来れば図解入りの資料でまとめないとプレイしずらいです。

このセッションでは、ルールの確認などに手間取ったことと、それぞれが手探りでゲームを進めたため、序盤から中盤あたりがかなり長い時間がかかってしまいました。もっとも、ゲームとしてはそれが正しい状態でもあります。このゲームは互いにしっかり牽制し合わないとバランスが一気に崩れてしまい、誰にも止められない状態で収束することになるでしょう。

ということで、しょうさんが終盤で港の交易所に大きな建物を建てたあたりからゲームは一気に終盤を迎え、最後はわりと大差でそのしょうさんが10点を獲得して終了しました。moon Gamer
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Darts/6878/bgeme10/bgeme454.html


レポートは以上です。
この日の朝になって持ち込みゲームが変わるという波乱のゲーム会でしたけれども、今回初めてお会いした方もいらっしゃったりして、とても新鮮な気持ちで1日ゲームを楽しむことが出来ました。ご長男が生まれたばかりで何かとお忙しいところをお邪魔したにも関わらず、ていねいなおもてなしをしていただきまして、心から感謝いたします。ありがとうございました>おのさん
そして参加したみなさん、どうもお疲れさまでした。またぜひどこかで遊びましょう。moon Gamer

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26日(水)は、平日だというのに何と茨城県のつくばまで遠出をして、おのさん宅で開かれたゲーム会に行ってきました。秋葉原から噂の「つくばエクスプレス」に揺られてわずか45分(快速)で現地到着。早っ。

参加者は、東京からはかゆかゆさん、Raelさん、僕の3人で、つくば側はおのさん、康さんの2人、計5人です。この日プレイしたゲームはエッセンの新作中の新作、「Il Principe (君主論)」と「Caylus (ケイラス)」の2点がメインです。

Il Principe (君主論) / Mind the Move

「オルトレマーレ」のデザイナー作。5人。

moon Gamer

ラウンドの開始時に建築カードが4枚ずつ配布されます。それを手札と合わせ、その中から各プレイヤーが2枚のカードを秘密裏に出し合って、それを色ごと分類した上で競りにかけます。競り落とした建築カードは手札に入れます。

moon Gamer

手札の建築カードは役割カード(文化・宗教・貴族・政治・商業の各分野)を獲得することか、あるいは都市の建設に使用します。それぞれの役割にはちょっとした効果が特典として付いています。

都市を建設すると、マップ上の指定されたエリアにカウンターを配置します。ゲーム終了時に、各エリアに配置されたカウンター数の順位によって得点が入ります。面白いのは、都市の建設に使用した建設カードの種類ごとに、それに対応した役割を担当しているプレイヤーにも得点が入るということです。

moon Gamer

…と説明しても何だかよくわからないと思いますけれども(゚∇゚;) 「オルトレマーレ」がそうであったように、このゲームもひとつの要素が複数の要素に対して縦横にリンクしており、言葉だけで説明するのが難しいタイプのゲームです。

競りと、各リソースの変則的なマネージメントはなかなか興味深いメカニクスだと思います。今回のセッションは5人プレイでしたけれども、この人数では終了条件の関係で5ラウンドくらいで終了してしまうので、それだと短すぎて運の比重が高まってしまうような気がしました。3人くらいで再プレイしたいところです。
http://www.boardgamegeek.com/game/19650

Caylus (ケイラス) / Ystari Games moon Gamermoon Gamer

「イス」のメーカー。5人。

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これもまた要素の多いゲームです。しかしそれは戦略性を伴った心地よい拡散であり、ゲーマーズゲームとしてトップクラスの仕上がりを感じさせる良作です。

プレイヤーが行うことは、手元に6個ある部下(Worker)コマを、順番に1個ずつコストを支払った上でボード上の指定された配置するだけです。配置したくない時にはパスも出来ます。全員がパスしたら、ルールに従った順番で部下コマが配置された店や建築物について処理を行っていきます。

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プレイヤーが部下コマを配置する場所は、大きく分けて「城(Castle)」と「建築物(Building)」の2つあります。建築物はさらに、ボード上に描かれていたりセットアップ時に配置する中立のものと、プレイヤーが配置するものの2種に分かれます。

建築物を建設するには「資源(Resource)」が必要です。資源には食料・木材・石材・布・金の5種があり、それらも特定の建築物から産出されます(例外あり/詳細略)。建築物はこの他に、お金や勝利得点、そして指定されたアクションを行う権利を生み出す効果を持つものがあります。

1ラウンドにおいて、ひとつの建築物には1人のプレイヤーの部下コマを1個しか置くことが出来ません(これにも例外あり/詳細略)。つまり、特定の建築物の効果を使いたければ、他のプレイヤーに先立って部下コマを配置する必要があります。ということは順番が先のプレイヤーの方がやや有利なのですが、それも「馬小屋」という建築物の効果でコントロールすることが可能です。

さらに建築物は「活動(Activation)」していなければ、部下コマを配置していても何も起こりません。建築物の活動化については、ボード上を移動する「Provost(荘官)」コマのポジションによって決定されます。荘官コマの移動についても特定の建築物でコントロール可能なので、ここでもかなり面白い駆け引きが繰り広げられます。

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建築物は大きく「木造」「石造」など4種のカテゴリがあり、それぞれ特徴的な機能を持っています。あるカテゴリに属する建築物を建設するには、やはり特定の建築物に部下を配置しておかなければなりません。他にも建築物の所有者が受ける特典やアップグレードなど、いかにもゲーマー向けなルールが満載です。

さて「城」です。ここ部下コマを配置すると城の建築を行えます。城を建築することでプレステージポイント(勝利点)を獲得し、うまくすれば「王族の恩典(Royal favors)」を受けることが出来ます。「王族の恩典」を獲得したプレイヤーは、プレステージポイント・資金・資源・建築物を段階的に獲得します。

城の建築には3段階のセクション(地下・城壁・塔)があり、それぞれのセクションにはプレイヤーのコマを置くマスがいくつかあります。あるセクションのマスが埋まったら決算のような処理が行われ、ゲームはひとつ先のステップに進みます。「塔」のセクションが終了したらゲームは終了となります。

建築物や城に部下のコマを配置するには「1」のコストがかかります。しかしプレイヤーの誰かがパスをして抜けるとコストは「2」に上昇します。さらに2人目が抜けると「3」となり、以下同様です。何気ないルールではありますが、これは見た目以上によく機能しており、「ケイラス」が優れた作品であることの象徴とも言えます。

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他にもこの短いレビューでは説明しきれないくらいのたくさんの要素が詰まっています。しかしながら、ひとつひとつのルールはシンプルでわかりやすく有機的に結びつけられ、まるでおもちゃ箱をひっくり返したようにボード上に散りばめられています。

前作「イス」と異なり、セットアップが終わったら偶然の要素がまったく介在しなくなります。ゲームを通じた大局的な戦略を実現するために、細かな戦術の積み重ねていく構造は、まさにゲーマーズゲームの王道と言えるものでしょう。やや時間のかかる重いゲームですが、それでも1度はプレイしておく価値のある逸品であると思います。
http://www.boardgamegeek.com/game/18602

※註:事情があり、「ケイラス」のコンポーネントは他のゲームのもので代用しています。写真に写っているコマは、実際に販売されているものと一部色が異なりますのでご注意ください。

Skaal (スコール) / Tilsit moon Gamer

ドワーフの金鉱堀と思いきや飲んだくれゲーム? 4人。

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時間が無かったのでお試しに途中までプレイ。

ドワーフを操って、金鉱を掘ったり、酒場を開いて一儲けするゲームです。自分の手番では、ドワーフを配置したり移動させたりすることが出来ます。どちらも1手番で1個だけです。

頃合いを見計らって金鉱を掘ることも出来ます。ダイスを振って、出た目と同数の金塊を任意のエリアに配置します(すでに金塊が置かれているエリアに追加することも可)。ただし「Ooops」という目を出してしまうと、任意のエリアの金鉱が枯渇してしまいます。金鉱堀に成功しても失敗しても、そのエリアに隣接しているエリアからドワーフを1個ずつ移動させることが可能です。

すでに掘り出されている金塊を発掘することも可能です。その場合、そのエリアにいるドワーフの数だけ勝利得点を得ます。自分が掘り出した金塊でなくても発掘可能です。すべての金塊が発掘されてしまうと、そのエリアの金は枯渇します。

任意のエリアで酒場を開くことも出来ます。ただし、酒場を開いているエリアでは他のプレイヤーのコマよりも多く存在していなければなりません。すでに開いている酒場では、そのエリアにある他のプレイヤーのドワーフの数だけ勝利得点を得ることが出来ます。状況によっては、酒場の所有権が他のプレイヤーに移行することもあります。また、酒場自体を移動させることも可能です。

全てのエリアが枯渇するまでこれを繰り返します。最終的に勝利得点の高いプレイヤー勝利です。

早く終わらせようとするより、リスクを抱えてもより大きな利益を求めた方がいいようです。つまり、ある程度のゲームメイキングが必要なゲームみたいですね。運の比重がやや大きいかも?
http://www.boardgamegeek.com/game/13513

レポートは以上です。
TXのおかげでつくばが近くなったとはいえ、自宅から2時間ほどかかる距離であることには違いなく、普段から夜型の生活をしている身としては体力的にきつい1日だったのですけれども、エッセンの新作を遊びたい! という一心で何とか乗り切りました。

今回、特に印象に残ったのは何と言っても「Caylus (ケイラス)」でしょう。これがプレイ出来ただけでもつくばまで行った甲斐があったというものです。ゲームとしてはやや抽象的な表現が多いので「プエルトリコ」ほどの爆発力はないのですけれども、国内で販売されたら必ずや高い評判を呼ぶに違いありません。楽しみに待つことにしましょう。

またぜひお誘いください>おのさん
そして本当にお疲れさまでした>参加者のみなさま

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