9日(土)は、池袋で行われた自宅ゲーム会に参加してきました。メンバーはすべて「四半世紀会(と僕が勝手に命名しているだけですけど)」の人たち5人です。
このところこのメンツでゲーム会を開く時には千歳烏山のゲーム倉庫を使うことが多くなりましたが、以前はほとんど今回のように自宅ゲーム会の形を取っていました(今でも僕がこのゲーム会に参加することが出来ない時には池袋自宅ゲーム会となりますけれども)。なので、袋小路に参加するずっと前から、僕にとっては「池袋」とは「ボードゲームを遊ぶ街」でした。
さて、今回持ち込んだのは「Imperial (インペリアル) / Eggert-Spiele」と「Colosseum (コロッセウム) / Days of Wonder」の2つです。たった2つだけなのですが、いずれもコンポーネントがずっしりと入ったボリュームのあるゲームでえらく重く、持ち運びがけっこう大変でした。
この日は朝からはっきりしない天気。日が差したり突如として土砂降りになったりと、1日中不安定な空模様でした。
Imperial (インペリアル) / Eggert-Spiele
投資家たちの仁義なき戦争。
この日のセッションを序盤から少し追ってみましょう。まずオーストリア。この国は序盤でバルカン半島の大半を占拠するに至りました。隣国ロシアとは折り合いがついたのか付かないのか、曖昧な状態のまま電撃戦が成功したような感じです。おかげで税収額を大幅にアップし、がぜんオーストリアの債権が買い模様となりました。
一方、英仏海峡方面です。このあたりではフランスとイギリスがしばらく同じプレイヤーが政府を担当しており、どちらも軍備を拡張していました。端から見ていた感想ですけれども、これはどちらかに戦力を偏らせて、国力を上げた側がら資金を吸い上げた方が良かったように思いました。このゲームの目的は軍拡ではなく、資金の回収だからです。
この2大軍事大国のとばっちりを受けたのがドイツでした。ドイツの政府を担当していたプレイヤーは、イギリスの艦隊に北海を塞がれる形になってしまい、いかにも動きが窮屈になってしまったからです。しかしこのプレイヤーは、投資機会にイギリスに多額の資金を投入し、ついには政権を奪取します。そうなった後は、ドイツ・イギリスともにのびのび広がる形へと収束することとなりました。
さて自分の担当したイタリアですが、序盤にアフリカに上陸してそこを占拠してからは様子見を決め込むことに。 オーストリアはバルカン半島から出てきそうもないし、フランスは北方の紛争に忙しくてスペインから南下する様子もありません。ロシアがイオニア海経由でアフリカにやってきたりしましたが、全体として安定していたので、「Tax」→「Investor」を繰り返して国庫を枯渇させるまで資金の回収をひたすら進めることが出来ました。
自分が債権を持つ国家の税収を増やして国庫を潤わせ、それを「Investor」で確実に回収することは、このゲームの最も基本的かつ強力なサイクルです。これを理想的に回すためには軍事力が必須ですが、身の丈に合わないほどの強大な軍隊は維持費がかかって非効率になるため、他の国家を直接攻める時でもなければ、軍拡はほどほどに抑えておくこと肝要です。
また、国庫に資金がうなっていたり、税収額が多そうな国家の債権を購入しておくことも肝要です。万一、手持ちの政府をすべて失ったとしても、債権を買いやすくなった良い機会だと考えれば悪いことではありません。もちろん、そうなる前に手元の資金を充実させておかなければなりませんが…
ところでこのセッションの勝敗の行方について。自分としては、実は終盤くらいまでは何とかトップなれるかな、とソロバンをはじいていました。しかし、自分が少額の債権を持っていたこともあって伸びるに任せていたオーストリアの勢いが予想よりも大きく、さらに自分の政権国家であるイタリアが国力的に今ひとつ伸びなかったこともあって、結果はわずかな差で2位に終わりました。ううむ、惜しい。
ところで今回、「Investor Card」の扱いについて、少しばかり議論が起こりました。基本ルールでは、ロンデル上でいずれかの国家が「Investor」を通過しなければ債権を購入する機会はなく、しかもそれは投資家カードを持っているプレイヤーに限定されています。これは国家の政府担当プレイヤーを交代しやすくするためのルールなのですが、ゲームの流れのよっては債権購入機会があまりにも限定されすぎてしまい、自由度が低いという意見がこの場においては多く出ました。
バリアントの「投資家カードを使用しない」を使うと、この不満を解消することは出来ます。しかしこのバリアントは逆に自由度が高すぎて、(ルールにも記述されている通り)政府を担当するプレイヤーが固定されてしまう可能性があります。私案の折衷策ですが「Investor」が選択されるたびに、Investor Card 所有者から順に全員が債権を購入することが出来るというのはどうでしょう? (+2mil はありで、債権購入終了後に Card は左となりへ移ります)
ともかくも、個人的に念願だった5人プレイが実現したこともあり、とても面白いセッションでした。さて、そろそろ次は6人プレイに挑戦してみたいのですが、どうなりますか。
http://ejf.cside.ne.jp/review/imperial.html
Colosseum (コロッセウム) / Days of Wonder
ローマ帝国でイベントプロデューサーになります。
軽いゲームとして用意したのですが… 結果的にプレイタイムは「インペリアル」と同じくらいかかってしまいました。
イベントを開くためには「イベント・プログラム」を購入し、さらにイベント開催に必要な「資産トークン」を収集しなければなりません。「資産トークン」とは、剣闘士・戦車・ライオン・神官・船舶・オリなどの演し物や大小道具類を指します。イベントを成功させるためには、複数の種類と枚数の資産トークンが必要ですが、多少不足していても開催自体は行えます(ただし観客は減ります)。
都合の良い資産トークンを入手するためには、他プレイヤーとの競りに勝たなければなりません。必要な資産トークンの数は多いにもかかわらず、これを入手する機会は限られており、競りですから資金も用意しなければなりません。資金源はイベントの開催に依存しており、動員観客数が多ければ多いほど興行収益は上昇するようになっています。
イベントにやってくる観客数を増加させるためには、「定期入場券」(通称:シーズンチケット)を発行したり、すでに企画中のイベントを開催したり、優秀な選手を集めたり、あるいは皇帝からもらった勲章の威光を利用したりします。また、貴族が競技場へやってくると、それだけで衆目が集まります。
貴族を競技場へ呼びやすくするためには「貴賓席」(通称:プレミアシート)を作っておくのがいいでしょう。大きなイベントを開催するためには、それにふさわしい大きさの競技場を備えていなければなりません。大きな競技場には貴族も訪れやすくなる効果もあります。
このように、「コロッセウム」には多くの要素が整然と盛り込まれています。一見、自由度の高いコンストラクション系のゲームのように見えますが、実際にはリソースコントロールを主眼においた厳しいゲームです。特に資産トークンの獲得は、将来への明確な計画性を持って取り組まないと、人気のあるイベントを開催することが難しくなるでしょう。
このセッションで僕は、中盤までは全くふるわず、4ラウンド終了時点で最下位でした。資金も決して十分ではなく、手持ちのイベントもあまりパっとしません。これは惨敗かと思ったのですが、たまたま手元にあった「追加オークション(投資フェイズに2アクション可能)」を活用し、さらに貴族と勲章を利用すればトップは無理でも2位くらいは狙えるかな、という順を見つけました。運を絡めなければならないほど細い道ではありましたが…
このゲームは、ようするに最後の一発どでかいイベントをぶちあげれば勝つのです。なので、ダイスの貴族移動では勲章の獲得を露骨に狙って積み上げ、定期入場券を発行して観客を呼び、交渉で多少不利な条件を飲んでも確実に資源トークンを確保に行きました。そして最後は皇帝を自分の競技場に呼び込むことに成功し、最後の最後でトップに躍り出ることとなり、そのまま勝利をつかみ取りました!
思ったより長い時間のかかるゲームだったのが意外だったくらいで、これは良いゲームだと思います。残念ながら他のメンバーは、今ひとつの反応でしたけれども… 運の比重の高さをどう考えるかで「コロッセウム」の評価は分かれるかもしれませんね。
http://ejf.cside.ne.jp/review/colosseum.html
レポートは以上です。
アフターは、他のメンバーがみんな酒飲みだけあって飲み屋に行くことになったため、下戸の自分はパスしてお先に帰りました。午前中からどうもお疲れさまでした。またぜひ遊びましょう。