20日(日)はSGCの3月例会に参加してきました。最大2卓ほどであまり参加者は多くなかったのですが、持ち込んだゲームはほぼプレイできましたし、軽いものと重いものを合わせて8ゲームほど遊べたこともあって、充実した1日となりました。
Flix Mix (フリックス・ミックス) / Adlung-Spiele
4人。アクション絵合わせゲーム。他人より早く、自分のデッキのカードを全て場に置けば勝ち。
カードには6つの「ボタン」があり、場のカードと少なくとも2つのボタンの色を合わせるように重ねてカードを出して行きます。手番はなく、全員が一斉にリアルタイムでゲームは進みます。
アクションゲームが好きなYOKさんの勝利。ルールは簡単だし、たまにやるには面白いゲームだと思います。
ここで Bone5 さん登場。さっそくオリジナルゲームの「ストレンジ・フルーツ」を遊ばせていただきました。5人。
6種類のフルーツにはカードとタイルがあります。自分の手番では山札から2枚のフルーツカードを取り、手札の中から1枚を場に置いて、望むのであれば任意のタイルを1枚だけ取ることが出来ます。
ある種類のフルーツが指定された枚数だけ場に置かれると、そこに数字のタイルが置かれます。以後、そのフルーツを場に出すことは出来なくなります。最初のフルーツは「3枚」が出されたら「打ち止め」です。次のフルーツは「4枚」、その次は「5枚」…と徐々に打ち止め上限枚数が増えていきます。
最終的に5種類のフルーツが「打ち止め」になります。打ち止めにならなかった残り1種類のフルーツはマイナス点の対象となります。最後に、手札の枚数・取ったタイルの枚数・打ち止めになった数字タイルなどによってスコアリングされます。
「フリンケ・ピリンケ」や「ハニーベアーズ」のような要素を取り入れつつ、さらに Bone5 風味で作戦の幅を広げた面白いゲームでした。まだテスト段階ということでしたが、あとはほんのわずかな調整で完成すると思います。
ダイスを振ってより高い難易度のダンスを踊ることを目指すシンプルなダイスゲームです。6人。
単にダイスを振るだけのゲームなんですが、さすがにSGCの濃いメンツには単純すぎたらしく、途中で無念の中断となりました。
僕はこういう何も考えないバカゲームがけっこう好きなので、またどこかに持ち込んで遊んでみたいと思います。
メビウス便新作の複合決算型ゲーム。5人。
オーストラリアの各地に飛行機を飛ばし、そこにカードを使って自分のレンジャーを降ろします。レンジャーの配置状況で条件に合致すると、そのエリアで決算が発生します。ちなみに決算には2種類あり、発生条件が異なります。
決算では、それが発生したエリア近辺に置いたレンジャーの数によって獲得する点数が決まります。ようするに、決算の前により多くのレンジャーを配置しておけばいいのですけれども、レンジャーの数には上限があり、配置するにはカードも必要なので、うまい配分とタイミングを見計らうことにずっと悩まされることになるでしょう。
ゲームの後半になると、決算が同時に多発しやすくなり、一気にポイント計算が白熱化します。中盤まで多少の差が開いていても気にせずに、後半に備えて体制を整えておくことが重要なようです。僕は序盤でレンジャーを使いすぎてしまい、点数的には延びたのですけれども身動きが取りづらくなり、後半にまくられてビリから2番目でした。
こぢんまりとはしていますが、うまくまとまっている佳作ではないでしょうか。突出した要素があるわけではないのですが、それなりに考える要素があり、今回は十分に楽しむことが出来ました。上級ルールはやや蛇足のような気がするので、またやる時には基本ゲームで遊ぶことになるかと思います。
… お隣の卓ではグラグラカンパニーが立っていました …
複雑系デザイナー、マーティン・ワレスが作った超お手軽カードゲーム。5人。
次のゲームが立つ合間に1ゲームだけ遊びました。安心して遊べる面白いゲームですね。
個人的には本日のメインディッシュ。4人。
いわゆるマルチプレイヤーズゲームに、ドイツゲーム的な要素がまぶされたウォーゲーム。13世紀のイングランドを舞台に、4つの男爵たちによる覇権争いがテーマになっています。シミュレーションゲームではありませんので、歴史的背景は知らなくてもゲームは楽しめます。
自分が扱うユニットは10個だけです。自分のターンには、そのうち3つを行動させることが出来ます。各ターンの「戦略フェイズ」で、各プレイヤーがどのユニットを移動させるかを秘密裏に決めます。ユニットには兵力が書かれており、その数値と同じエリアだけ移動することが出来ます。自軍のユニットを通過することは出来ますが、一部を除いてスタック(ユニットの重ね合わせ)は不可です。
全てのユニットが移動を終了したら戦闘を行います。戦闘は単純な処理となっています。全ての移動が終了した後に、目標となるユニットや街などの周囲に、それよりも多くの兵力を隣接させてしまえば自動的に勝利します。つまり戦闘に偶然の要素はありません。その結果としてプレイヤー間の厳しい読み合いが生じるようになっています。この危ういパワーバランスが均衡する感覚は確かにウォーゲーム的なもので、何だかワクワクします。
面白いのはプレイヤーの行動順番の決め方です。ターンの開始時に、勝利得点の最も少ないプレイヤーが、全プレイヤーの行動順番を決めるようになっています。これがまた悩ましい要素で、移動は相手の出方を見ながら後から行った方が有利なのですが、戦闘は移動順で解決していくので、先に行った方が有利なのです。
例えば、プレイヤーAの「5」のユニットに、プレイヤーBの「3」と「4」というユニットが隣接していたとしましょう。もし、プレイヤーAの行動順番が先であれば、プレイヤーBのユニットのどちらかに勝利することができます。しかし、プレイヤーBの行動順番が先であれば、今度はプレイヤーBが勝利(Bは3+4戦力で、Aは5戦力なので)するのです。
では全てが計算ずくの行動になるかというと、イベントカードである「疫病」によって予定が大幅に狂ってしまうこともよく起こります。疫病はコマとして盤上に存在し、カードによって「移動」します。移動先にユニットがあれば感染し、その戦力はダウンします。疫病を治療するには、ゲーム盤の中央にある「修道院」に移動しなければなりません。
プレイヤーが使用するユニットは6種類あり、それぞれユニークな特徴を持っています。特に面白いのが「Milady(令夫人/ミレディ)」です。Milady 自身には戦闘能力はなく、それどころか敵ユニットの移動の障害にすらなりません。しかし、「Charm(魅了/チャーム)」という強烈な特殊効果を持っています。
もし、Milady が敵の Baron(男爵)に接敵すると、その Baron は「魅了」され、Baron 自身はもちろん、彼が所属する全軍ユニットの行動は、このターン中ずっと停止してしまうのです(!)。
この Milady も疫病に感染することもあります。こうなると「魅了」は行えなくなるのですが、今度は別の恐るべき能力が発動します。なんと「疫病の感染源」になるのです。Milady が行動した結果、彼女に隣接した敵ユニットは全て疫病に感染してしまいます。
個性的なユニットを限定された指揮系統によって行動させたり、疫病によって兵力が損耗するなど、中世の戦いを抽象的ながら雰囲気良く表現することに成功しているゲームだと思います。
一昔前のゲームであれば、ユニットの移動は紙と鉛筆を使ったプロット方式だったでしょうし、戦闘にはサイコロを使ったでしょう。そういった煩雑な要素を廃し、ドイツゲーム的なメカニクスを積極的に取り入れることにより、競技性の高い作品に仕上げられています。
今回はルールを確認しながらのプレイでしたので2時間以上もの時間がかかりましたが、メリハリのある展開で面白かったです。プレイヤーの意志決定が直にゲーム進行に影響を与えるため、この手のゲームに対する慣れがある人の方が、よりなじみやすいでしょう。まだどこかでぜひ遊んでみたいですね。
アーサー王伝説をテーマにしたカードゲーム。3人。
3つの地区(Location)に発生するクエストを、騎士などのキャラクターカードを使って解決し、より多くの勝利ポイントを獲得するゲーム。
メカニクスとしてはよくあるパターンなのですが、圧巻なのはカードに書かれた特殊効果。カード全てに異なる特殊効果が(もちろん英語で)ずらりと書かれていて、まるでトレーディングカードゲームのようです。
飛び交う特殊効果の激しい渦に翻弄されやすく、先を読むことよりも強いカードを引くことの方が重要だったりします。これがこの作品のゲーム性であり、楽しむポイントになっています。
最後の〆にバカゲーをエントリー ヽ(*゚∀゚)ノアヒャヒャ 3人。
カードには5種類の絵が描かれています。これが1枚全面に描かれていたり、2分割・4分割して別の絵が描かれているカードもあります。自分の手番では、この絵につなげるようにして手札から場にカードを置いていきます。
ゲーム開始時に、「ゴールカード」というカードがまず1枚ずつ配布されます。各プレイヤーの目的は、このゴールカードに描かれた絵を7枚つなげることにあります。他人のゴールカードを見ることは出来ません。
じゃあ黙々とカードを置くだけかというとそうではなくて… 実は強力な特殊カードが何枚もあります。場のカードを動かしたり、手札に戻したりするのはまだかわいい方で、他人とゴールカードを交換したり、ゴールカードをシャッフルして配りなおしたりするカードまであります。
つまりですね、これは純粋な意味でのゲームではなく、特殊効果のあまりのバカさ加減を楽しむパーティツールだと思うのですよ。ええ、もちろん僕はこういうバカゲーが大好きです またどこかに持ち込んで大騒ぎしたいと思います。あー面白かった。
2011/12/29余談:まさか日本語版まで作られるとは思いもしませんでしたw
レポートは以上です。
花粉症の対策をしまくって参加しましたが、それでもちょっときつかった1日でしたが、念願の「Feudo」をプレイ出来たのは収穫でした。帰りは、先週の HAL99 さん迎撃会の時にも利用したとんかつ屋(これがおいしいんだ)にて夕食を取り、いよいよ次週に開催されるゲームマーケットのカタログを回し読みしながら談笑しました。