Goblin King をプレイした 6/15 (土) には、その後に Courtier (コーティアー:宮廷人) / Alderac Entertainment Group もプレイしました。
本作は 2012年に発売されたゲームで、「都市国家テンペスト」という架空の背景世界を設定に持つシリーズの一作目に位置づけられています。
「テンペスト」シリーズの詳細は公式情報を読んでいただくとして、「コーティアー:宮廷人」の時代背景は近世ヨーロッパに似ており、都市国家テンペストの政体は絶対王政で貴族階層がある、という設定のようです。本作にはその設定に基づき、テンペストの様々な社会階級の人々が多数登場しています。
「コーティアー:宮廷人」のゲームボードには、8つの派閥と、それらに所属する 1 〜数人の宮廷人が描かれています。プレイヤーは手番で、これらの宮廷人の誰かに対して自分の影響力を行使することができます。
具体的には、プレイヤーが影響カードをプレイすることで、宮廷人ひとりに自分の影響キューブをひとつ置きます。ある宮廷人に対して、最も多くの影響キューブを置いているプレイヤーは、その宮廷人を「支配」します。
宮廷人に影響キューブを配置することには、大きく分けて 2 つの意味があります。
ひとつは、嘆願カードの解決のためです。嘆願カードとは「コーティアー:宮廷人」において最も重要な得点源です。嘆願カードには数人の宮廷人が示されていて、そのすべて支配するなどの条件を満たせば、この嘆願カードを獲得することができます。嘆願カードには数値もあって、それはゲーム終了時に所有者の得点として計上されます。
もうひとつは、宮廷人が所属する派閥を支配することです。派閥の支配者になると利権(=特殊効果)を得ることができます。8つの派閥はそれぞれ異なる利権を持っています。
そして派閥の支配プレイヤーは、その強力な利権(=特殊効果)を行使することができるのです。しかも、ひとりのプレイヤーが複数の派閥の利権を得ることも可能で、それは決して珍しいことではありません。
とはいえこの利権は、誰かの手にいつまでも収まっていてくれはしません。なぜなら、特殊効果を除いた通常のルール環境下であっても、ボード上の影響キューブは変動しやすくなっているからです。
また、嘆願カードが誰かによって解決されると、ルールによってその嘆願カードに記載された宮廷人に置かれている影響キューブは全て盤上から消失してしまいます。
いずれにせよ、ボード上で影響キューブの加減が起こるたびに、そこで改めて派閥の支配者が判定しなおされますので、派閥の支配者も頻繁に変わることになります。
特殊効果は利権だけではありません。手番では、影響キューブを配置する影響カードの他に、実力カードと呼ばれる特殊効果カードを使うこともできます。
また、嘆願カードが解決されるたびに、ボードの中央に置かれた「時流の山」と名付けられた山札からカードが 1 枚公開され、そこに書かれたランダムイベントも起こります(時流の山にはゲームクロックとしての役割もあります)。
このように、ランダム要素が大きいことと相まって、カオティックな展開となりやすいゲームだと思いました。
事前に特殊効果やランダムイベントの内容を精査したり、あるいは繰り返しプレイしたりすることで、もう少し場の制御を上手に行えるようになるのでしょう。
ところで、都市国家テンペストにおいて絶対王政崩壊の序曲となる「マリアンナ王妃逮捕」事件の勃発は、ゲーム的には終了イベントになっています。
そのような事態を引き起こした原因は、本作のテーマでもある「気まぐれな王妃の権力増大と、それを巡る宮廷内の派閥争い」であり、その退廃的な様子をデザイナーが表現したかったのであれば、そもそも本作はそういう性質であるのかもしれません。
さて、この日のセッションで勝利したのはいたるさんでした。僕はといえば、コツコツと積み上げた場が、誰かのひと手番でざっくりと変動する展開になったあたりで勝敗レースから脱落してしまいました。
セッション自体はとても楽しめましたが、利権があちこちで飛び交うようになると場の変動が激しくなり、またカードの引き運によっては対応しようがない状況も多々あることから、勝利するのはなかなか大変なゲームです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/122891/courtier
ついでにお知らせ。この日のために作成したプレイエイドを BGG に登録しておりますので、よろしければご利用ください。公開した版は、実際にゲームで使用したプレイエイドを改訂したものです。
これについて何か問題を見つけたら、BGG のコメント(日本語で OK)か、この記事のコメント、あるいは Twitter や mixi でご連絡を。
[Japanese Playaid for Courtier]
http://www.boardgamegeek.com/filepage/91796/japanese-playaid-for-courtier
それからこの日は、さらにもうひとつ、Sushi Go! (スシゴー!) / Adventureland Games も遊びました。
クラウドファンディングサイト Indiegogo で資金調達に成功して制作されたカードゲームだそうです (すいません、あんまりこのあたりの事情に僕は詳しくありません)。これは、近日中に国内ショップでも取り扱われる予定があるそうです。
Sushi Go! は、シンプルなドラフト&セットコレクションなカードゲーム (ドラフト+ラミー系かな?) で、これはとても面白かったです。2 ゲーム遊んで、最初の 1 ゲームは勝ちました。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/133473/sushi-go