moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲーム等々)と、その周辺の話題を中心にした個人ブログです。

タグ:スプロッター

6日(金)は、秋葉原はR&Rステーションにて、タナカマさんの呼びかけで開かれた平日ゲーム会へ行ってきました。参加者はタナカマさん、ふうかさん、たむらさん、そして僕の4人でした。

Greed, Incorporated / Splotter Spellen

会社をつぶしては転がして私腹を肥やせ!(要約)。

moon Gamer

スプロッタの新作、「Greed, Incorporated」が最初にしてメインディッシュとなるエントリー。今さら何となく気がついたのだけれど、スプロッタって「資源を組み合わせて新たな資源を再生産する連鎖」のシステムが好きなのね。

最初に1社ずつ会社を持ち、プレイヤーはそのCEO(事実上の社長)になります。会社には取締役としてCEOの他に、CFOとCOOのポストがあります。CEOだけがその会社の運営を担い、会社の収益に直結するあらゆる行動を行うことができます。

会社は投資の対象として資産カードを入札で購入(ただし入札による)することができます。資産カードは大別して、カード上に描かれた商品(土地・鉄・石炭等々)を生産する「一次生産カード」と、商品を組み合わせて別の商品(マイクロチップ・鉄道・衣服等々)を生み出すカード(特に名称はないみたいですが、この日は『プロセスカード』と呼んでいました)の2種類があります。

またこの資産カードを会社が保有すると、それによって取締役が増加します。このあたりは詳しく説明すると長くなるので説明を省きますが、これによって他のプレイヤーや自分自身が取締役のポスト(CFOかCOO、空いてなければ中間管理職ポスト)に入ります。ひとつの会社の取締役ポストが複数のプレイヤーによって占められていることは特に珍しいことではありません。

資産カードによって生産される商品は、それらを市場に売却することで会社の収益になります。商品は全部で10種類あって、それぞれの相場価格がボードによって管理されています。プロセスカードを使って複数の商品を別の商品に変換してから売却することも可能です(たいていはその方が利幅が大きい)。商品を他のプレイヤーと交渉によって自由取引することも可能です。

このように「投資→商品生産→売却」を繰り返して会社は収益を上げます。さて、ここまで読んで、これは会社を経営するゲームかと思われたかもしれません。しかしこれまで説明してきたお金の流れは、実はすべて会社の資金で処理されるため、個人資産はまったく関与していません。そして会社がいくら儲かっても、ただそれだけでは、CEOを初めとする取締役は$1も得られないのです。

つまり「Greed, Incorporated」では、会社の資産と個人資産は厳密に分離して管理され、会社が収益を上げたとしても、それは個人資産の増加には直結しないようになっています。ではどうやってプレイヤーは個人資産を増やすのでしょうか?

それは「退職金」です。このゲームでは、会社の取締役を辞し、そこから立ち去ることによって得られる報酬が、プレイヤーにとっては唯一の収益となっています。

あるターンにおける会社の収益額が、前のターンの収益額以下であった場合、責任を取ってその会社の取締役のいずれか(あるいは複数)が解任されます。手順の詳細は省きますが、ここでCEOが解任されると、会社の総資産額の40%を報酬として受け取ります(これが個人資産となります)。同様にCFOとCOOが解任されると20%が報酬となります。

解任されなかった場合は報酬は受け取れません。そして、残った中で最も高いポストにいる取締役がCEOとなり、それを担当するプレイヤーが会社の運営を引き継いで行います。会社の運営者が次々に変わることは頻繁に発生します。というよりも、そうしないとプレイヤーは何も得られないですから、それがこのゲームでは自然なことなのです。

ですので、CEOは会社の資産が増加したら、その次は意図的に利益を減らしてに辞任し、後は新しいCEOに会社を任せて、会社資産の40%を懐に入れて堂々と去っていけばいいわけです。このような「自作自演」がこのゲームのカギです。

では会社を押しつけられたプレイヤーがまずいことになるかというと、実はそうでもありません。CEOが交代した会社は資産カードを1枚減らされるものの、会社資金は十分に残っていますし、そこから再建することはそれほど難しいことではないからです。引き継いだ会社で十分な資金がたまったと思ったのであれば、さっさと会社から手を引いて報酬を受け取ればいいのです。かくして、会社はプレイヤーからプレイヤーへ飛び交うことになります。

プレイヤーの目的は、個人資産を元手に「ステータスシンボル」を得ることです。ステータスシンボルはカードで、そこにはVPが書かれています。そのVPの合計値が最大のプレイヤーがゲームに勝利するのです。ステータスシンボルはちょっと変わった競りによって獲得可能で、ゲーム後半になるにつれて相場が上昇するようになっています。


このセッションでは、初プレイということもあって手探り状態のまま、しばらくは全員が会社の利益を上げ続けることに必死になっていました。当然ながら、そうしたところでまったく個人資産が増えない状態が続いたわけです。

右肩上がりの収益を上げ続ける優良企業は逆に辞任しずらくなる(その状態で他プレイヤーに経営権を渡してしまうと資産と資金の両方を簡単に再利用されやすくなる)ので、適当に利益を上げたらさっさと辞任して手っ取り早く個人資産を増やし、ステータスシンボルの相場が高くならないうちに競り落としてしまうくらいの速度感覚でプレイするべきなのでしょう。

しかしながらゲーム終盤は、高くなったステータスシンボル相場に対応するために、会社の収益力が重視されるようになります(もちろんそれは退職金目当てなわけですけど)。しかしその時には世の中が不景気になるようになっていて、商品相場が下落を続けているでしょう。ゲーム終盤におけるこのバランス調整はちょっと面白いと思いました。

ということで、ゲーマーズゲーム的にはそれほど難易度は高くない(訳したタナカマさんによると曖昧な記述が多くてBGGのお世話になったとか。お疲れさまです)し、不思議な感覚のビジネスゲームとしてなかなか面白いと思いました。ステータスシンボルのVP獲得は恐ろしくデジタルというか殺伐としたシステムなので、このあたりがもう少しちゃんとプレイした時にどう機能するかを見てみたいですね。

もちろん再戦希望。熱烈希望。ですが、それ以前にゲーム本体をどうやって手に入れようか、そっちの方が頭の痛いところ。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/55952

Letter of Marque (海賊免許) / Fantasy Flight Games

海賊ゲームに名作なし(知らんけど)。

moon Gamer

子供でもプレイ可能な簡単ルール。つまりファミリーゲームの範疇に入るゲームです。ややマニアックな層が多い日本で、こういうシンプルなゲームを日本語版として発売すること自体には素直に敬意を表したいと思います。ちなみに国内発売元はアークライト。現在のところサイト上で予約受付中のようです。

ゲーム会でプレイするなら、こういう運試しのようなゲームでも盛り上がれるメンツを集めれば楽しいと思いますよ。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/29096

Ad Astra (アド・アストラ) / Fantasy Flight Games

カタン風。でもダイスは振りません。

moon Gamer

アークライトで先日発売されたばかりの新作を投入。宇宙船で星々を巡って6種類の資源を収集し、それらを組み合わせてコロニーや工場を建設したりしながら、さらに効率的に資源を収集して、最終的には50得点以上を目指すゲームです。

カタンっぽい点は、資源3〜4枚を組み合わせて建築物を建て、それがさらなる資源収集や得点に結びつく点です。しかし似ているのはこのあたりまでで、実際のプレイ感覚はだいぶ違っています。まずダイスを使いませんし、プレイヤーのすべての行動は、アクションカードによる秘密プロットによって事前に計画してから順次実行されます。

各プレイヤーは11枚ずつアクションカードを持っています。これらは大別して「生産」「移動」「建設」「トレード」「得点計算」の5種があります。これらを順番に1枚ずつ計画ボードの「1」〜「12」(4プレイ時)の空いているマスに配置します。4人プレイなら計3枚ずつが配置されることになります。

この後で、計画ボードの「1」から順にアクションカードがめくられて事項されます。「生産」「移動」「建設」は、実行可能な条件さえ整っていれば、プレイヤー全員がそのアクションを順番に実行可能です。また、そのアクションカードをプロットしたプレイヤーは何らかの特典が付与された上でアクションを実行できます。ここらへんはプエルトリコっぽいというか。

得点計算カードがプロットされていると、そこで初めて得点が計上されます。これがこのゲームの特長で、単に何かを建設しただけでは得点にはならないのです。得点の対象となるものの範囲も広く、プレイヤーが作った何かはたいてい得点対象になる可能性があります。

得点カードによって対象となる何かが指定され、それを持っているプレイヤー全員が定められた得点を獲得します。また、得点対象を単独トップで多数保有しているなら、さらにボーナスが加算されます。得点計算は加算積み上げ方式なので、この点においてもカタンとは異なります。

最終的に、誰かが50点を超えたらそのラウンドでゲームは終了し、最多得点プレイヤーの勝利となります。

今さらカタンとプエルトリコ? と頭に疑問符を付けながら始めましたが、プレイ感覚がそれらのどちらとも全く異なるので違和感はすぐに消えました。それどころか、けっこう面白かったです。得点方法がたくさんあるということは勝ち筋もまたたくさんあり、そのおかげで自分が次に何をするべきか、その指標が常にわかりやすく提示されており、その点も気に入りました。

ただこれは負けたから言う訳じゃありませんが、他人を妨害する手段がほとんどないので、一度でも得点が離されるとあんまり勝てる気がしないとも思いました。特に得点計算のタイミングは決して間違えないことです。

ともかくもこのゲームは購入済みなので、そのうちどこかでまた遊びたいですね。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/38343


レポートは以上です。

ゲーム会の企画と翻訳までもをやっていただいたタナカマさんにまず感謝します。また「海賊免許」と「アド・アストラ」のインストをやっていただいたたむらさんにも感謝です。ふうかさんもお疲れさまでした。楽しい1日をどうもありがとうございます。またお誘いいただけたらとても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

    このエントリーをはてなブックマークに追加

12日(日)は、地元は千歳烏山のゲーム倉庫にてゲーム会を開きました。この日にゲーム会を開くと決めて時間が無かったためにメンバー集めに苦労しましたが、何とか3人卓が成立しましたし、結果として充実した3人ゲーム会となったので良かったです。集まってくれたのは、かゆかゆさんと NAOさんのお二人です。

このところ恒例の Twitter でのリアルタイム簡易レポートは今回ももちろんやっていました。今回は手番外の時間が長かったので写メ画像を送る余裕がありましたよ。セッション中に返信もあったりして、もう楽しすぎです。

Steam / Mayfair Games

軽量かつ改良版「蒸気の時代」。

moon Gamer

まずはあの「Age of Steam(蒸気の時代)」をしっかりブラッシュアップしてデザインされたという「Steam」をプレイしました。いやー、これはすごい。またワレスが良い仕事をしてくれましたよ。噂に違わぬ素晴らしい鉄道ゲームで、興奮の時間を心から堪能しました。

「蒸気の時代」をベースにした似たようなコンセプトのゲームとしては「レイルロードタイクーン」があります。しかし「Steam」はあれとは異なり、ゲーム性がまるで薄まっておらず、それどころか、セットアップを除いて乱数を廃したことにより、より鋭く激しい戦略ゲームに研ぎ澄まされているのです。

しかもプレイタイムは短くなり、プレイアビリティも高まっています。「Steam」は、確かに「蒸気の時代」をベースにしてはいますけれども、ただの「簡易版蒸気」にはなっておらず、さらに高いレベルの完成度を誇る作品に仕上げられていました。

うれしいことに、これからいろいろな国内ショップでこのゲームは販売されるようです。あなたがもし「蒸気の時代」が好きなら、あるいは興味があるなら、ぜひこの「Steam」をプレイしてみてください。そしてもしよろしければ、この秀逸なゲームを僕と遊んでいただけませんか?
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/27833

Duck Dealer / Splotter Spellen

スプロッタの交易ゲーム。でもなぜアヒル…

moon Gamer

続いて2ゲーム目は、Splotter が放つ謎の交易ゲーム「Duck Dealer」をエントリーしました。

で、このゲームは少し詳しくレポートしたいので、後日、別のサイトに書こうかと思います。レポートの完成を気長にお待ちくださいませ。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/38553

Die Goldene Stadt (黄金都市) / Kosmos (Franckh-Kosmos)

伝説の黄金都市に勝手に乗り込んで商館を建てちゃえw

moon Gamer

カードを使って島に商館を建てまくり、得点を競うゲーム。本日のプレイ予定に入っていませんでしたが、昨日、たまたまルールを読んだらシンプルで面白そうだったし、時間的にも十分に余裕があったのでエントリーしてみました。

「黄金都市」は、シャハトにしては軽いというか、ユーロスタイルなゲーム的は普通に悩ましい要素をうまく取り入れた作品だと思います。ルールも簡単で、プレイタイムもそこそこ。ターゲット層が広そうな良作ですね。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/40770

Montego Bay (モンテゴベイ) / Queen

次々と勝手に出港していく貨物船…ちょw

moon Gamer

最後はこのゲームで〆です。これも予定外のエントリーで、少し前にメビウス便で届いたゲームです。

うーん、これは軽すぎというか、先が読めない要素が多すぎるような。そのあたりのドタバタを多少なりとも楽しめたら良かったのですが、終盤は何の呪いかハードラックから全く抜け出せず、意に反して樽をぶっ壊しまくり続けてジ・エンド。展開に恵まれなかっただけとはいえ印象悪し。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/40761

レポートは以上です。
とにかく今回は「Steam」がプレイできただけでも、このゲーム会を強行した十分な価値がありました。「Steam」は今後も長くプレイされる続ける名作でしょう。

本日はお疲れさまでした>かゆかゆさん、NAOさん
またぜひ遊びにいらしてくださいませ。

    このエントリーをはてなブックマークに追加

連休初日の文化の日に、千歳烏山のゲーム倉庫にてゲーム会を開きました。参加していただいたのは、かゆかゆさん・みずるさん、そして僕の3人です。今回メインのゲームは「Roads & Boats /Splotter Spellen」です。メンバーを3人に絞ったのは、僕自身が「R&B」をこの人数で十分楽しめると考えているからだっったりします。

前回のセッションでは、このゲームを素のままでプレイするにはプレイアビリティに問題があったので、総力を挙げて(?)テーブル環境を整えることにしました。せっかくなのでそれをご紹介しましょう。

moon Gamer

最も問題の大きかったのが、マーカーペンで透明プラシート上に引く「道路」です。これは写真のようなラッピング用カラータイ(針金入りの袋とじ)で代用してみました。カラータイを4cmほどにカットして、道路の代わりにボード上に置くことにしたのです。

この方法がベストだとは思いませんが、少なくともプラシート上にペンで描くよりはずっとプレイしやすかったです。また、後片付けの手間も段違いに楽でした(安いし簡単に大量生産可能なので使い捨てでも構わないくらい)。

プラシートを使わないもう一つのメリットとして、ヘクスタイル上でコマが扱いやすくなった点を強調しておきましょう。プラシートは箱の中に丸めて保管するためにクセがつきやすく、テーブルに敷いてテープで固定したとしても、表面がわずかに曲面になります。これは大量のコマを使うゲームには向かない環境です。プラシートそのものが滑りやすいということもあります。

ということで、僕のセットで遊ぶ時は、今後この「道路」を採用することでほぼ決まりでしょう。ただ、薄くて大量のコマと同時に置いても邪魔にならないという利点がある反面、軽すぎてずれることがあったので、素材に関してはまた別のものを試してみたいと思っています。

moon Gamer

もうひとつの大きな難点だった「鉱山」についても手を入れました。写真は鉱山の管理に使った製氷皿です。ひとつひとつのくぼみが鉱山の番号に対応しています。

このゲームの鉱山にはすべて番号が割り振られており、ルールでは、その番号についた「チャック付き透明ビニール袋」に「鉄」や「金」のコマを入れておき、産出の際にはそこからランダムに引くようになっています。しかし付属の透明袋はかなり小さいため、ランダムにコマ引く時には別の容器に移し替えたりしなけばならず、これがえらい手間でした。

そこでこの製氷皿です。これで管理すれば、そのあたりの不便さは一掃されます。場所は食いますが、それ以上の大きな効果がありました。これはキャンドゥ系のショップで購入したものです(近所のダイソーには良い形のものが無かった)。これも「道路」と同じく、今後も使い続けていくことになるでしょう。

moon Gamer

このゲームには大量のコマがあります。それら多くの種類のコマを効率的に整理して扱うために、写真のような薄型のタックルボックスを使いました。

「タックルボックス」とは、主に釣り道具を入れるためのパーツケースです。釣り道具は精密なパーツが多いため、しっかりしたメーカーから発売されているタックルボックスは内部構造が繊細に作られており、そのタイプによってはゲームに使うコンポーネントを管理するにも向いているものがあるのです(やや高価ですが…)。写真は、アメリカは PLANO 社から発売されている薄型タイプののタックルボックスです。

moon Gamer

前回のセッションではタックルボックスから直接コマを取っていたのですが、写真のように個別の小型トレーに入れた方がさらに扱いやすくなります(前回も補助的に使用してはいました)。

ダイソーで購入した安価なトレーですが、機能的にも見た目にもこれで十分です。

moon Gamer

細かいところでは、ワンダーに使用するブロックタイルをプレイヤーではなく、ワンダーボードの側で一括して管理するようにしました。ブロックタイルを各自が管理する必要は特にないので、このようにした方が合理的です。

細かいついでにもうひとつ。写真の右上にある薄い水色のトレーは、近所のダイソーで見つけた少し大きめサイズのもので、このゲームのコマを扱うにはぴったりでした。材質はメラミン製です。

この日は午後1時過ぎに3人が集合し、軽くインスト(事前にルールブックは読んでおいてもらいました)してルールを確認した後に開始されました。僕は先日から続く腰痛に悩まされ、かゆかゆさんも風邪でかなり体調がきつそうでした。


Roads & Boats / Splotter Spellen moon Gamer

前回と同じ構成の3人用マップです。

moon Gamer

前回のレポートやレビューはこちらのエントリーからどうぞ。精密でありながら、とてもプレイアブルな箱庭系の開発・開拓ゲームです。ゲームの目的は、最も高い資産を残すことにあります。

各プレイヤーは、最初わずかな資源と輸送隊としてロバを3匹だけ持っています。最初の資源は、このゲームの最も基本的な建物の建設のために使用されることになるでしょう。そしてそれらから産出される資源を元手に効率的な拡大再生産を目指すことになります。偶然の要素がほとんど無いにも関わらず盤面の変化は多く、マップはゲームごとに作り直されるので、あらゆるパターンに対応する柔軟な適応力が求められます。計画性とその実行力でプレイヤーの手腕が問われる戦略的なゲームであると言えるでしょう。

しかしそれらの変動バリエーションは読み切れないほど深いものでもなく、また数えられないほど多くもありません。また、終盤でもない限り、1回のエラーがそのまま致命的な結果につながることもありません。。失敗したらまた別の方法でリカバリーすればいいのです。この点において、同社の後発類似ゲームである「Antiquity」とは設計思想が根本的に異なっているのは興味深い特徴です。「Antiquity」は大変に厳しいバランスの上に成り立っており、慣れないと序盤からシステムそのものにつぶされる可能性すらあります。生き残ること自体がゲームになっているといえるほどの苛烈さです。

「Roads & Boats」はその点において牧歌的ともいえるバランスであり、少なくとも生きるか死ぬかという事態に陥ることはなりません。先に進むことが遅れることはあっても、進めなくなることはないのです。困難であってもそれを打開する手段は用意されていて、プレイヤーはまるでパズルを解くような感覚で攻略することが出来ます。つまり、それだけ見通しが良いゲームなのです。もちろん「Roads & Boats」と「Antiquity」のどちらが優れているかというのは不毛な議論で、それは単に設計思想の違いでしかありません。

moon Gamer moon Gamer

もっとも「Roads & Boats」が甘いゲームであるとはいえません。それは「競合(Conflict)」によってプレイヤー間の干渉が存在するためです。勝つためには他人を出し抜かなければならないのです。そして今回のセッションで前回と大きく異なっていたのは、このプレイヤー間の干渉がしっかりあったということでした。このゲームの生産拠点には所有権が存在せず誰でも使えてしまいますが、産出能力には限りがあるので、競合ルールによるプレイ順の判定で「誰が先に取るのか」ということを常に意識しておかなければなりません。さらに、相手の輸送隊(Transporter)の動きを制限する「壁」も大きな存在です。

「壁」の効果は絶大で、所有者以外の輸送隊は、その壁を越える一切の移動が行えなくなります。相手の動きを止めるだけでなく、予め「壁」を作っておくことで、自分の輸送隊の通行を確定させておくという効果もあります。もちろん相手の壁を壊すことも出来ますが、必要な資源を支払わなければなりません。

このセッションで、これら牽制の中心となったのは「鉱山」でした。この鉱山は、本ゲーム唯一の偶然要素を持つ生産拠点です。ノーマルタイプの鉱山が建設されると、その鉱山を管理する袋に「鉄」コマ3個と「金」コマ3個が入れられます。そして以後のターンの生産フェイズにおいて、その鉱山の袋からランダムに引かれた1個の資源を産出します。産出される「鉄」にしろ「金」にしろ、いずれもこのゲームでは重要な意味を持ちます。

「鉄」はトラック工場や蒸気船工場を生産するために必要な資源のひとつです。より大きな移動力と積載量を持つ輸送隊を持つことで、多くの資源を効率的に回収したり、運送したりすることが出来るようになります。さらに「鉄」と「燃料」を組み合わせることによって、既存の鉱山に「新しい坑道」を掘ることも出来ます。そうするとその鉱山の資源を管理する袋にはまた「鉄」や「金」が追加されるのです。

「金」はもっと直截的で、それ自体が勝利得点(10点)です。さらに「貨幣鋳造所」に「金」2個と「燃料」1個を投入すると、もっと高価な「コイン(40点)」を産出します。そしてこの「コイン」2個と「紙」1枚を「株式取引所」に投入すると「株券」が産出されます。この「株券」こそがこのゲームの最終到達点であり、これひとつで120点も持ちます。「Roads & Boats」の勝敗は、ほとんどにおいてこの「株券」の所有枚数で決まるでしょう。

したがって、その根本となる「金」を産出する可能性のある鉱山は、一度開かれるとその場でいきなり争奪戦が始まることも珍しくはありませんし、実際に多く発生しました。鉱物資源の安定確保はのために「競合」と「壁」が多く利用され、まるで要塞のように周囲を壁にぐるりと取り囲まれた鉱山まで出現したくらいです。

moon Gamer moon Gamer

余談ですが、僕が最初ルールを読んだ時には、この「競合」ルールが今ひとつ機能的に見えませんでした。というのも、このゲームはあらゆることが明確に先手有利に見えたためです。そのため、ターンが移るごとに、プレイ順1位のプレイヤーが最終手番となり、最終手番プレイヤーがプレイ順1位になるということが繰り返されるだけではないかと危惧したのです。

しかしそれは杞憂でした。資源獲得や建設においては確かに先手有利ですが、移動においては必ずしもそうではなかったためです。相手の動きを見てから動いた方が得なケースがあり、その場合はあえて後手番になった方がいいのです。また、プレイ順を決めるための順番を決めるという2段階構造になっているため、それを利用した駆け引きも生み出すことになっています。プレイ順をどうするかを判断するに難しい局面も多々現れ、実に悩ましい限りです。

このようにメカニクスだけを見れば、「Roads & Boats」は創造的で完成度の高い内容を誇る素晴らしいゲームなのですが、実は明らかな欠点が3つあります。ひとつめは時間がかかること。このセッションは何とか最後までプレイすることが出来たのですが、プレイタイムは4時間を超えました。慣れて定石的な動きが把握することが出来るようになればもっと速くなるかもしれませんが、そうすると妨害行動も活発になるでしょうから、経験が一概にプレイタイムを短くするとは限りません。

2つめは、自動的に処理する作業が繁雑であること。テーブル環境の改善によってかなり軽減されましたが、それでも相当な手間が毎ターンかかります。ただ、こちらは馴れとともに軽減されるでしょう。前回のセッションでは実際に発生したのですが、馴れないとうっかり生産拠点を作りすぎてしまい、自動処理に余計に時間がかかることになるのです(生産拠点はルールによって廃止不可)。

最後は、トップを止める手段に乏しいということ。「競合」や「壁」によって他プレイヤーに横やりを入れる手段はありますが、それ以上の直接的な攻撃手段は何もありませんし、その「競合」や「壁」にしても、時間を引き延ばすくらいの妨害でしかないのです。したがって一度有利な生産サイクルを先に作られてしまうと、そのプレイヤーを止めるのは容易ではありません。

このような欠点を内包しつつもなお、「Roads & Boats」は、気のあった仲間が集まり、長い時間をかけてみっちりとプレイするだけの価値のある魅力的な作品であることは間違いありません。再販されたこともあり、海外のショップで販売されていますので、以前に比較して入手もしやすくなりました。あなたがこのような箱庭ゲームが好きで、長時間のプレイタイムに耐えられる友人がひとりでも側にいるのであれば、ぜひこの素晴らしい世界を体験してみてください。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/875


Gloria Mundi (グロリア・ムンディ) / Rio Grande Games

目指すはカルタゴ。

moon Gamer

滅び行くローマ帝国の衰退期をテーマにした変形のレースゲームです。
※手元にゲームが無いので用語は適当かも。

ボードはイタリア半島です。中央付近にローマのマスがあって、まずそこにプレイヤーのコマ(ロシア軍兵)が置かれます。このコマは、半島を南下して、アフリカのカルタゴを目指します。カルタゴまでのマスは曲がりくねってはいますが、一直線にマスが続いています。

一方、最北端のマスには「ゴート族」のコマが置かれています。ゴート族は中立コマで、これも南下してローマを目指しています。最北端のマスからローマまでは、やはり曲がりくねった一直線のマスが続いています。ただしそのマスの中には「Farm(緑)」「Peace(白)」「City(黄)」のシンボルが1~2個描かれています。

この「Farm(緑)」「Peace(白)」「City(黄)」の色は、プレイヤーが所有するカウンターの色に対応しています。つまりカウンターにも「緑」「白」「黄」があります。特殊なカウンターとして「紫(名誉)」があり、これはどの色にも対応しているワイルドカードのような意味を持ちます。

さらにこの色は、プレイヤーが所有する「生産カード(Production Card)」にも対応していて、「緑」「白」「黄」のカードがあります。各プレイヤーは「緑」を8枚と「白」と「黄」を6枚ずつ、総計20枚となる生産カードの「手札」を持ちます。この手札の構成は全員同じです。

また、ボード上の「フォーラム(Forum)」と呼ばれる場所に「建築カード(Building Card)」を6枚表向きに置きます。建築カードにはすべて特殊効果があります。フォーラムには「+5」「+4」~「+1」「0」まで6つの置き場所があり、そのすべてに建築カードの山札から1枚ずつ取り、表向きに配置します。

各プレイヤーは、プレイ人数の応じた数だけカウンターをもらいます。これらのカウンターは、各プレイヤーが持つスクリーンの後ろで秘密裏に管理されます。また、それぞれの手札から「緑」「白」「黄」の生産カードを1枚ずつ、自分の前に表向きにして公開します。

手番ではまず、ルールにしたがってボード上に建築カードを補充します。次いで、手番プレイヤーの手札から1枚の生産カードを選んで、それを自分の前にプレイします。プレイされた色の生産カードを自分の前に出しているプレイヤーは、その枚数と同じ数だけ、その色のカウンターを受け取ります。これを生産カードの「活性化(Activate)」と言います。例えば「緑」の生産カードが誰によってプレイされ、自分の前に「緑」の生産カードが2枚出してあれば、2個の「緑」カウンターを受け取ります。

次にフォーラム上の建築カードを1枚購入することが出来ます。しなくても構いません。建築カードには購入コストが描かれており、これは3色のカウンターで支払います。もし「+1」以上の場所に置かれている建築カードを購入する際には、その数値だけ余分にカウンターを支払わなければなりません。

購入した建築カードは、それと同じ色の、自分の前に出されている生産カード上の1枚に置きます(例外がありますが詳細略)。1枚の生産カード上には最大で1枚の建築カードを置くことが可能です。そして、建築カードに指定された数だけ、自分のコマを進めます。また、建築カードが載せられている生産カードが活性化した場合、カウンターを受け取る代わりに、建築カードの特殊効果を起動することが可能です。

手番の最後に「ゴート族」コマを動かすか、あるいは貢ぎ物を捧げて動きを止めるかを決めます。貢ぎ物を差し出すのであれば、ゴート族が進もうとするマスに描かれたシンボルのカウンターを、手番プレイヤーがそのマスに自分のストックから取って配置しなければなりません。

貢ぎ物を出さない場合はゴート族コマを進めます。そして、それまで差し出された貢ぎ物カウンターからひとつを選んで、それと同じ色の生産カードを、自分の前に置いてあるものから1枚を選んで捨てなければなりません。その生産カード上に建物カードがあれば、それも一緒に捨てます。これを貢ぎ物カウンターが無くなるまで、各プレイヤーが時計回りに手番を回して続けます。

この処理で、大量の生産カードが場から失われることになるでしょう。しかしこの後で、その貢ぎ物カウンターを、やはり手番を回してひとつずつ各プレイヤーが取って行く処理が入りますので、カウンター不足は多少改善されるかもしれません。

このようにしてゲームは進み、誰かがカルタゴに到着したり、ゴート族コマがローマに到達するなど、終了条件が満たされたらゲームは終了します。カルタゴにより近いコマを持つプレイヤーの勝利です(同点の場合は所有カウンターなどで判定します)。

えらく苦しくて悩ましいゲームで、そのためか3人プレイながら70分ほどもかかりました。上記の説明ではあっさり書きましたが、とにかくこのゲームは、建築カードの特殊効果に尽きます。中盤過ぎると、これがまるで花火のように始終飛び交います。それ以外では、手札やカウンターのリソース管理に頭を悩ませるという、比較的地味な(そして正統的な)内容を持つゲームなのですが、特殊効果によってそれらが吹き飛ばされている感じです。

建築カードはゴート族の処理によって次々と消えて無くなっていきますので、有効な建築カードを誰よりも先に購入するために、やはり効率的なカウンターの増殖を考えておく必要はあります。ただそれが特殊効果に依存しすぎているきらいがあるので、そのあたりは好みの分かれるところかもしれません。ゴート族のコントロールをうまくやればいいのでしょうが、初プレイでは勝手がよくわかりませんでした。

このセッションでは、先に進む建築カードを次々に購入したかゆかゆさんがスタートダッシュに成功し、序盤から優位に立ちました。中盤あたりから僕がカウンターを増加させるコンボを連発したり、みずるさんは先に進める建築カードを早い段階から高コストを支払って購入するなどして、トップにじわりじわりと追いついていきます。結局、増殖させた大量のカウンターが終盤になっても有利に働いて、最後は同着トップながら、所有カウンター数の差で僕が勝利を収めました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/13286


Taluva (タルバ) / Hans im Gluck moon Gamer

勝利条件は「神殿」をより多く建てること。

moon Gamer

多人数プレイなアブストラクトっぽい思考型のゲームです。
この前日に届いたばかりのメビウス便のひとつ。

ゲーム開始時に、各プレイヤーにはコマが与えられます。コマは3種類あって「神殿」3個・「塔」2個・「小屋」20個です。コンポーネントは他にタイルがあって、ヘクスを3つ組み合わせたような形をしています。タイルはよく混ぜ、裏返しにして山にしておきます。

タイルには地形が描かれています。それぞれのタイルには必ず1つの「火山」が描かれています。つまり「火山」とその他の地形2つの組み合わせです。そのため、このタイルはルールで「火山タイル」と呼ばれています。

手番では、まず火山タイルの山から1枚を取って場に置きます。最初の1枚はそのまま場に置くことになりますが、その後の手番では2つの選択肢があります。テーブルに直接触れている既存のタイルに辺が接するように置くか、あるいは「火山を爆発」させるように置くかです。

「火山の爆発」とは、既存のタイルの上に新しいタイルを重ねるように置くことです。実施するには条件がいくつかあって、まず下のタイルにある少なくとも1つの火山マスに、これから乗せるタイルの火山マスが重なるように置かなければなりません。この時、重なる2つの火山マスに描かれている溶岩の方向が異なっていなければなりません。また、重ねることによってタイルの下に空洞があってはなりません。

重ねたタイルの下になったマス上に「小屋」コマがあった場合は、それをゲームから取り除きます。これは自分の小屋でも同様に処理します。なお「神殿」や「塔」の上にタイルを重ねることは出来ません。

この後で、自分のコマを空いているマスに置きます。ただし、火山のマスには置くことは出来ません。これを踏まえて、4つの選択肢からひとつを選びます。

1.小屋を建てる

自分の小屋を空いている1段目のマスに1つ置きます。

2.塔を建てる

3段目以上のマスに建てることが出来ます。ただし、そのマスが自分の開拓地(同色のコマが連続して配置されているマスのこと/小屋1個でも開拓地)に隣接しており、なおかつ、その開拓地に塔が無い場合に限ります。

3.神殿を建てる

自分の3マス以上の開拓地に隣接したマスに建てることが出来ます。ただし、隣接した開拓地に神殿があってはなりません。

4.開拓地の拡張

自分の開拓地をひとつ選び、さらに地形の種類をひとつ選びます。選択した開拓地に隣接したマスに、選択した地形マスがあれば、そのマスにすべて小屋を置きます。2段目のマス以上のマスには、段と同じだけの小屋を置かなければなりません(3段目のマスには小屋3個)。

いずれも、必要なコマがストックになければなりません。実施不可能な行動は選択することが出来ないのです。

さて、このようなコマの配置は、自分の手番で必ず行わなければなりません。少なくとも1個のコマの配置が行えなくなった場合、ただちにゲームから脱落します。しかし3種類あるコマのうち2種類をすべて建設したらただちに勝利となります。

一度にたくさんコマを置くことは良い結果には結びつくとは限りませんが、そのベクトルの延長戦上には、サドンデス勝利とゲーム脱落とが等しくぶら下がっているというわけです。この勝利条件と敗北条件の設定が実に秀逸なバランスになっていて、これだけでもしびれます。

このセッションではなぜか僕が勝ってしまいましたが、最後の1~2手番を他のメンバーが間違えなかったら、どうなっていたかわからないという状況でした。良いゲームだと思います。アブストラクトな思考ゲームが好きなのであれば、ぜひプレイしてみましょう。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/24508


レポートは以上です。この時点で9時を大きく回っていたし、体調が悪い人が2人もいたのでアフターはなしの方向で。そういえば、ゲーム倉庫でゲーム会をやる時は、アフターが無いことが多いです。

とても楽しい休日となりました。ありがとうございます>かゆかゆさん・みずるさん
またぜひ遊びましょう。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

28日(土)は、袋小路の「重たいゲームの特別例会」に参加しきました。みなさんご存じ通り、袋小路は、門戸を大きく開いている日本有数のメガゲームサークルであり、通常の例会では比較的軽めのゲームが遊ばれることが多いです。しかしゲームに慣れ親しんでいくにしたがって、長い時間がかかっても、あるいはルールが多くても、どうしても遊んでみたいというゲームが誰でも増えていくものでもあります。

そういう需要に応えたのが、年に2度くらいのペースで開催されているこの「重たいゲーム」専用の特別例会です。時間も朝の9時~21時30分までと長めに会場を押さえてあり、重たいゲームをまる1日楽しめるような環境になるよう配慮されています。

moon Gamer

さて、今回僕が事前にがんばって準備を進めたのが「Roads & Boats /Splotter Spellen」です。再販されたのかされるのかわかりませんが、そういう話も出ているようです。このゲームは、資源を産出してそれを工場に運んで加工し、より価値の高い生産物を作るという、開拓・発展がテーマの箱庭系ゲームです。

Splotter の初期のゲーム(1999年初版発売)で、精密でありながらプレイアブルな開発ゲームとして、主にフリークたちに注目されました。しかし、発売数が少なくてすぐに市場から消えてしまい、しばらくは知る人ぞ知る幻のゲームでした。BoardGameGeek での評価は一貫して高く、8点前後に貼り付いたまま何年もキープし続けています。

ちなみに2年半ほど前、某サークルで「R&Bやりませんか?」と提案したら軽くスルーされまして(泣)、それでケチがついたのか、以来ずっとプレイする機会がないままでいました。ところが数ヶ月前から、僕の周囲の別方面のゲーム仲間の方々が、このゲームを注目するようになりまして、それでやっと僕も自分のセットを使ってプレイする気になった次第です。


Roads & Boats /Splotter Spellen moon Gamermoon Gamer

全て手動な箱庭ゲーム。3人。

moon Gamer

ゲームは「カタン」のようなヘクスタイルを敷き詰め、その上に透明なプラシートを覆い被せるようにしてから、それをテープで留めてセットアップします。このプラシートの上には、ゲーム中にマーカーペンによって「道路」が引かれます。

ゲームは「(再)生産フェイズ」「移動フェイズ」「建設フェイズ」「ワンダーフェイズ」で構成されます。まず何かが作り出され、その後で盤上でさまざまなモノの移動が行われた後に、それらを利用した建設が実施されます。そして最後に「ワンダー」の建設を任意で行います。

何かを生み出す「生産拠点(Puroducer)」には2種類あります。自然の資源(産物/Goods)を産出する「第一次生産拠点(Primary Producer)」と、産物を投入(インプット)することで、別の生産物を作り出す(アウトプット)する「第二次生産拠点(Secondary Producer)」です。例えば、第一次生産拠点のひとつである「きこり(Woodcutter)」は、「森」で「丸太(Trunks)」を産出します。「丸太」ひと山を第二次生産拠点の「製材所(Sawmill)」に投入することで「木板(Board)」が2枚産出されます。

これらの産物を運搬したり、投入したり、あるいは産出された産物を受け取ったりする役割を果たすのが「輸送隊(Transporter)」です。輸送隊には何種類かありますが、大きく陸上用と水上用に大きく分類されます。

陸上用輸送隊は、「ロバ」を除いて道路上しか移動することが出来ません。「ロバ」は陸上であれば道路の無くても隣接ヘクスに移動可能です。この「道路」は、建設フェイズにおいて、プレイヤーが資源を投入して作ることが出来ます。前述したように「道路」はプラシート上にマーカーペンで実際に線を引いて表します。道路はヘクスの中央から中央へと引かれます。「川」を越えるためには「橋」を別途資源を支払って作らなければなりません。

水上用輸送隊は、「海」か「川」、あるいは「海岸」上に停泊することが可能です。海岸上や川にある水上用輸送隊は、陸上と産物のやり取りや、そのヘクス上での建設などが可能となります。

それぞれの輸送隊は専用の工場で生産することが出来ます。これも建設フェイズで、必要な資源を支払うことで建設しますが、より上位タイプの輸送隊を製造する工場を建設するためには、それに対応する「研究(Research)」を先に行っておかなければなりません。「研究」によって、より高度な輸送隊の生産拠点や、特殊な鉱山を発掘することが可能になります。「研究」には「ガチョウ」2羽と「紙」1枚が必要です。どうも「ガチョウ」は実験動物のようですね。moon Gamer

さらに「ワンダー(Wonder/驚異・不思議)」の建設に寄与することで得点を獲得することが出来ます。ワンダーの建設には産物が必要です。ワンダー建設が完了することでゲームが終了します。もちろん得点の多い人が勝利です。

このゲームの大きな特徴は、「建築物は公共のものである」という点です。ボード上で建設された建物は、誰が建てたものであろうと、誰もが自由に利用することが出来ます。第一次生産拠点はオートマティックに産物を毎ターン生み出します。第二次生産拠点であれば、誰がそこへ資源をインプットしても、アウトプットを得ることが出来ます(ただし、生産拠点の種類ごとに、ひとつのターンで産出する産物の上限数は決まっています)。

一方、輸送隊は所有者が明確に決まっています。輸送隊が運搬している産物も、その輸送隊のものであって、強引にそれらを奪い取ることは決して出来ません。

他人の動きを制限するには「壁(Wall)」を使います。ヘクスとヘクスの間(辺)に「壁」を作ることで、その「壁」の所有者以外の通行をストップさせることが出来ます。当然ながらこの「壁」は破壊することも可能で、このゲームでは唯一とも言える直接攻撃手段です。これに対抗するために「壁」は余分なコストを支払うことで2重・3重に強化することも可能です。

もうひとつ特徴的なルールが「競合(Conflict)」です。実はこのゲームの各フェイズは、全プレイヤーが同時にプレイを行います。生産や産出において「誰が最初に行うか」という順番が問題になった場合は、全て「競合」ルールによって一本化した判定が行われます。端的に言えば、ゲーム内の実行優先順位は、決められたプレイ順にしたがって処理されるようになっています。

そのプレイ順はターン開始時に変えることが可能です。これはルールで決められた処理で実施されます。「競合」ルールは、このゲームにおいて駆け引きの重要な要因のひとつとなっています。

「全員同時プレイ」という混乱しそうなシステムであるにもかかわらず、単純明快な「競合」ルールによって優先順が機械的に決められているので、この点においては一切の紛れがありません。しかも同時プレイの効果によって待ち時間がほとんどないというのは特筆すべき点でしょう。長い時間のかかるゲームなのに、ゲームは息つく暇もなくどんどん流れていきます。

盤上で大量のコマを少しずつ操作して、徐々に拡大再生産の規模を広げていくさまは、まるで小さなジオラマや箱庭を丹念に作り上げていくようでもあります。資源の循環があり、効率的に開発・発展させていくための道筋がシステムで用意されていて、プレイヤーはそれらの情報を元に、時には他人と衝突しながらも、思うがままに世界のありようを設計し、それらを少しずつ育て上げていきます。その創造の過程は純粋に楽しく、実に面白い作業です。

しかし、それ以外の自動的に行われる手続きや処理の多さにはちょっと参ってしまいました。第一次生産拠点には、毎ターン自動的に産物がにじみ出てきます。第二次生産拠点のタイル上に産物が落ちていれば、それらは自動的に加工されます。それらはゲームの重要なテクニックとしても使えますが、細かくて種類の多いコマのやり取りを、プレイエイド片手にボードとストックを行き来しながら煩雑に行わなければならず、この手間はけっこうなストレスになりました。

また、僕の持っているセットに付属していた透明プラシートが、経年劣化のための波打ってしまっており、これがプレイアビリティを一層下げる結果ともなりました。コンポーネントの問題は他で代用するアイデアが浮かびましたが、自動処理を効率的に行うには慣れるしかないのでしょう。今回は3人プレイでしたが、僕としてはこれくらいの人数でいっぱいいっぱいです。

このセッションでは、慣れないやや複雑なゲームだったためか、全員が序盤でプレイングミスを連発してどうなることかと思いました。少ししたら落ち着いたのですが、それでも思った以上に時間がかかりそうだったため、2時間を経過したあたりで無理を言って協議終了とさせてもらいました。インスト+セットアップに1時間ほどかかっているので、主観的には3時間以上の時間を費やしたことになります。

moon Gamer

基本的には同時プレイということもあり、他プレイヤーの行動に対する厳密なルールチェックが難しい(というか無理)ため、その場でインストして行うにはあまり向いていないゲームだと思いました。遊ぶならプレイヤーは事前にルールを読み合っていた方が良いでしょう。

ということで、このゲームの日本語訳ルールを写真のようにまとめてみました(ピンク色っぽいチャートは BGG で配布されているプレイエイド)。これは現在調整中ですが、後日 pgdb に登録する予定です。

ともあれ、楽しい要素が盛りだくさんで、ものすごく好きなタイプのゲームであることには違いなく、今後も長くプレイし続けていきたいゲームです。であるからこそ、戦略だけに自然と集中することの出来る気持ち良い環境を作り上げる工夫を考えたいと思います。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/875


Canal Mania (カナルマニア) / Ragnar Brothers moon Gamer

最後の最後で… 4人。

moon Gamer

18世紀前後の英国運河開発史をテーマにしたゲームです。個人的には今回で3回目のセッションとなります。 前回のレポートと簡単なレビューは、こちらのエントリーをどうぞ。

さて、前回のレビューで省略した「最終ラウンド」についてちょっと説明しましょう。このゲームの終了フラグが立つのは、「(人数に応じて)指定された得点に達したプレイヤーが出現した」か、あるいは「契約書の最後の5枚が場に出た(=契約書の山札が無くなった)」時です。まず、終了フラグが立ったラウンドは最後までプレイした上で、そこからさらに2ラウンド(2手番ずつ)をプレイします。

ちなみに、このゲームのスタートプレイヤーは「赤」プレイヤーであるとルールで決まっています。ですから、ラウンドの最後は赤プレイヤーの前のプレイヤーの手番が終了した時点、ということになります。

そして最後のプレイヤーの手番が終了した後、未完成の運河の得点計算をします。さらにこの後には「商品の減少(Goods Decline)」という特殊なラウンドが開始されます。これは、盤上にある商品トークンを可能な限り輸送するだけのラウンドです。

「商品の減少」ラウンドでは、最も小さな番号のエンジニアカードを所持するプレイヤーから番号順に手番を回します。1手番では、盤上の商品を1個だけ輸送します。もちろんこのラウンドでも、通常の商品輸送と同じように得点が入ります。ルールに則って可能な限り商品を輸送したら、これでやっと最終ラウンドが終了します。

最後に、達成した契約書の枚数の多少によってボーナス点が加算されます。4人ゲームの場合、最多契約者は10点ですが最下位は1点しか入りません。実はこれもなかなか大きな点数となります。

というように、点数を獲得する手段は各種あり、最終ラウンドまで気を抜けないというスリリングな面を持ち合わせた良いゲームです。ルールがちょっとばかり長くてインストで説明することは多いのですが、それらはとても理解しやすい構造になっていますので、実際にゲームが始まったら全貌を理解することは容易かと思います。

このセッションで僕は、前2回の経験を生かして、マップ中央の都市周辺に運河を建設するような契約を取ることを心がけました。また、議会に置かれたカードの関係でそれが難しい時には、とりあえずどこでもいいからシティを押さえておいて、ゲーム後半にそれが上手くつながったらラッキー、くらいの気持ちでプレイしました。

また、エンジニアは前半に「Brindley(直線路カードで水路タイル配置可能/別名ロックマン)」や「Telford(水路カード1枚で水路タイル配置可能/別名アクアマン)」等を利用して、少ない手札で効率的に運河の建設に努めるようにもしました。

このこともあって中盤までは点数的にかなり優位に立ちました。中盤を過ぎてからは、他のプレイヤーが慣れてきたこともあって、かなりポイントを詰められてしまいましたが、マップ上の運河の接続状況や商品の配置も良好な形となっていたため、実はかなり楽観視していました。最終ラウンドに入っても状況はそれほど変わらず、3ゲーム目にしてやっと勝てたかな? と、ここでうっかり安心したのが大間違いの始まりで…

何を血迷ったのか、最終手番の第3フェイズ(最終フェイズ)で建設カードを取ってしまうというあり得ないミスをしでかしてしまったのでした。ここはどう考えても商品輸送に決まっています(建設カードを取っても手番がもう回ってこないので無駄)。おかげで輸送によって入るはずだった5点を失ったばかりか、2位のプレイヤーにその商品を運ばれて5点を入れられてしまいました。順位的には辛うじて2位でしたが、勝てたゲームをしょうもないミスで失った痛恨の一局でした。とほほ…moon Gamer

まぁ勝敗はともかくとして、3ゲーム目にして僕はようやく「カナルマニア」の戦略の立て方がわかってような気がします。前回は議会の巡り合わせの悪さを嘆きましたが、今回はそれはそれとして別のことを考える余裕がありました。そして1手でも間違えると勝てないという厳しいゲームであったことがわかっただけでも収穫です。

どうしても2時間はかかってしまうゲームなのですが、ルールは「乗車券」っぽい感じでそれほど難しくはなく、気楽に再プレイを考えられるあたりがまたいいですね。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19995


レポートは以上です。

まだ時間的には余裕があったのですが、体力的に自信が無かったので、少し早めに上がりました。実は2日前に、ほぼ持病とも言える腰痛(+背筋痛)症状が出てきまして、この日は湿布と鎮痛剤で痛みを抑えつつゲームを遊んでいたのでした(アホですな)。

そういうこともあって早めに帰ったのですが… 歩いている最中に、背筋痛がどんどんひどくなってきてしまい、池袋駅に着いた頃には立っているのがやっとの状況にまでなってしまいました。この状態で駅の階段を重い荷物を持って上り下りする自信がまったく無かったため、しょうがないので地元までタクシーに乗って帰りました。体調が良ければアフターまで付き合う予定だったのに残念です。

僕の体調は置いておくとして、この特別例会では「1830」「1890」「タイタン」「ケイラス」「電力会社」などの卓があちこちで立っていて大盛況でした。問題が無かったわけではありませんが、この会自体はおおむね成功だったと言えましょう。次回開催時には、ぜひまた参加したいと思います。
どうもお疲れさまでした&ありがとうございました>参加者各位 moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

11日(日)は、千歳烏山のゲーム倉庫にて「Splotter会」を開きました。こちらのエントリーにも書きましたが、未プレイのスプロッター社のゲームを1日中遊ぼうという主旨のゲーム会です。6/3(土)のつくばゲーム会の帰りのTXの中で、この話をかゆかゆさんに持ちかけてみたところ、互いに未プレイのゲームが一致したこともあって、トントン拍子にこの企画が決まりました。

参加者はかゆかゆさんの他に、手稲さんと一味さん、それに僕の4人です。手稲さんと一味さんは、まだゲーム倉庫に来たことがなかったので、ご招待という意味も兼ねてお誘いしました。ちなみにお二人ともマイミクさんです。

さて、期日が決まってからが実は大変でした。期間的に比較的余裕があったのでのんびり構えていたのですが、今回メインとなる「Ur: 1830 BC (ウル1830BC)」のルール読みを始めたところ、さまざまな要素が細かく相互に絡み合っており、ルールの文面で理解するのが難しいタイプのゲームだったのです。(スプロッター社のゲームではよくあることですが、)ルールのところどころに曖昧な記述もありまして、全容を把握するまで思わぬ時間がかかってしまいました。

こんな時にいつも頼りになるのが BoardGameGeek なのですが、残念ながらこのゲームは情報が少ないのです。幸いにして、プレイスペース広島の日本語訳ルールが手元にあったことと、スプロッター社の公式サイトにも若干の補足情報があったので何とかなったのですが、英文ルールブックを読んでいたかゆかゆさんはかなり苦労されたようです(それでも十分に理解していたのはさすがです)。

なおこのゲームは「ウル1830BC」という名称からわかるように、名作鉄道ゲームである「1830」にインスパイアされた作品です(というようなことがルールブックにもはっきり書かれています)。実際、基本的なゲームの構造はよく似ており、ルールの理解にもそのプレイ経験と知識も少し役に立ちました。


Ur: 1830 BC (ウル1830BC) / Splotter Spellen moon Gamer

開始時間は午前11時。インストは1時間半弱ほどに及びました。

moon Gamer

「ウル1830BC」は、古代メソポタミアの地を舞台に、小さくて非力な小国を祖として、やがて勃興する大国を治水を中心にして豊かに発展させる開拓ゲームです。元の「1830」と同様に、最初の席順決め以外に運の要素はまったく無いので、純粋にテクニック・駆け引き・計算、そしてわずかな直感の上に成り立った精密な構造を持ちます。

ゲームはまず、「小国(Independent nation)」を各プレイヤーが競り落とすことから開始されます。小国は全部で6国あり、そのほとんどが限定的な特殊効果を持っています。また、小国はプレイヤーに毎ラウンド固定収益をもたらします。

さらに大きな「大国(State)」も6国登場します。大国は11~12のヘクスで構成されています。ある大国内で6つヘクスが「購入」されると、その大国は「建国」します。建国した大国内で最も多くのヘクスを所有するプレイヤーが「国王」となります。国王は、大国の「給水施設」を設置したり、作業員を使って灌漑(かんがい)用の運河を引くなど、国の運営を行えます。

moon Gamer

このゲームでの資金管理は、「個人資産」と「大国の国庫」とそれぞれ別に管理します。それらの資金は使用目的や使用機会も異なっているので、厳密に区別されなければなりません。ゲームの目的は、個人資産の金額で決まります。このあたりの概念は元ゲームの「1830」そのものです。

ヘクスには4種類の地形があります。各地形には「価格」が設定されており、ゲーム中の変動します。例えば、特定の地形のヘクスが売却されたら、その地形の価格は下落します。地形は灌漑(かんがい)されるとラウンドの最後に価格が上昇します。

大国の運営は治水と灌漑が基本です。ボード上の「大河」は、その水資源を取得する重要な中立的地形です。水資源は、「運河(Canal)」を掘って大国にくまなく給水することで国は富むのです。

運河の掘削は、大国が所有する「作業員(Digger)」が行います。大国は国庫の資金でカードを購入することで、何人でも作業員を持つことが出来ます。作業員は、それが購入される「時代(Era)」によって、運河を掘削することが出来る距離が決まっています。

moon Gamer

「時代」は全部で5つあります。時代が進むと、より能力の高い「作業員」や「給水施設(後述)が登場するようになります。ただし新しい「時代」が訪れは良いことばかりではありません。

新時代到来の瞬間に、2つ前の時代の古い作業員は除去されてしまうのです。また、4つめの時代が来ると小国も消滅します。大国は、運河を維持するために最低でも1人の作業員を保有していなければならないというルールがあり、このため、ゲーム終盤まで新しい時代の(そして高価な)作業員を購入し続けることになります。

国王はまた、必要なコストを国庫から支払えば、任意の大河ヘクスに対して、給水施設の一種である「貯水地(Reservoir)」を設置することが出来ます。そこから運河を引くと、貯水地ヘクスに隣接したヘクスが灌漑されます。貯水池は保水可能な水資源の量が決まっています。例えば『2』の貯水地には2個の水資源マーカーが置かれ、そこに隣接した最大2つのヘクスに対して灌漑を行うことが出来ます。

さらに遠方の内陸部を灌漑するためには「ポンプ(Pump)」を使います。ポンプも貯水池と同じく給水施設のひとつですが、こちらは陸地に配置されます。ポンプに運河を通じて水資源マーカーが送られてきたら、さらにそれを別のヘクスに「送り出す」ことが出来ます。具体的には、ポンプに書かれた数値分の距離まで水資源を送ります。例えば「2」のポンプは、2ヘクス先まで水資源を送ることが出来ます。

水資源が配置されたヘクスは「灌漑(かんがい)」されます。あるヘクスが灌漑されると、そのヘクスを購入していたプレイヤーは「5」の資金を個人資産として受け取ります。さらに、灌漑するために使用した水資源を、最終的に送り出した給水施設について、それを所有する大国は「収穫(Harvest)」として1ヘクスにつき20~30の資金を受け取ります。

moon Gamer

大国が「収穫」した資金は、国王が「備蓄」するか、あるいは「配分」するかを決めます。

国王が収穫金の「配分」を選択した場合、その大国のヘクスを購入しているプレイヤー間で、所有ヘクス数に応じた利益の分配が行われます。つまり、購入されている全ヘクスの数で収穫金を割り、それに所有するヘクス数を掛けた額を各プレイヤーへ分配金として支払うのです。例えば、収穫金「100」の大国が「分配」を選択した時、その大国のヘクスを2ヘクス所有しているプレイヤーは「20」を個人資産として受け取ります。

moon Gamer

「備蓄」すると、収穫金は全てその大国の国庫へ移動します。この場合、その大国の持つ最も低いランクの給水施設がひとつ除去されます。

終了条件が満たされたラウンド終了時にゲームは終了します。所有するヘクスを現行価格で売却し、それぞれの個人資産をそれに合わせ、最も多くの資産を持つプレイヤーの勝利です。

インストが終了して、ルールの細部を確認しつつゲームを始めたのですが… いきなり最初の2ラウンドで4人中2人が脱落気味という事態に陥りました。大河ドラマのようなゆったりとした流れのゲームだと思っていたら、思った以上にテクニカルで、鋭く厳しいゲームだったのです。ということで、ここで全員話し合いをして、初めから仕切り直して再プレイということになりました。仕切り直し後のセッションでは、最初の2ラウンドで全員が国王になることに成功し、まずは無難に勝負の形が整えられました。

大国の運営は、当然ながら水資源の獲得と管理が基本になります。しかし水資源は有限であり、大河の上流から流れてくるので、上流に位置する大国はその分だけ有利です。ただし、上流付近の大国は初期価格の高い山岳地帯のため、序盤ではまず中流~下流の大国が建国されることが多いでしょう。

このゲームでの目的は個人資産を増加させることが目的です。その方法は4つあります。すなわち「土地の売買」「小国からの固定収益」「小国の売却益」「収穫時の分配金」です。特に収穫金をどうするかを決めるのは国王に取って頭の痛い問題です。単に個人資産を増やすだけなら「分配」すれればいいのですが、そうすると大国の国庫はやがて枯渇し、運営に大きな支障をきたします。

moon Gamer

しかも時代が進めば進むほど、国庫の負担額は大きくなるのです(作業員や給水施設の価格が上昇する)。このため、後半は大国の土地を売却して、国王を他のプレイヤーに譲り渡してしまうのも手です。その際には、国庫を出来るだけ枯渇させた状態であることが望ましいです。ただ、これは非常手段で、通常は可能な限り大国を運営し続けていく方が良いと思われます。

終盤に近づくにつれ、土地の価格は高騰し始めます。実はこの土地の価格がゲーム終了時の資産計算時に大きな比重を占めることが今回のセッションでわかりました。このゲームを端的に述べると、土地を購入資金を獲得するための方策として大国の運営を行うという構造になっていると言えるかもしれません。

今回は初プレイだったこともあり、メンバー全員がどこにどの程度まで踏み込んでいいものやら、その案配を探りながらの慎重な進行となりました。しかしゲーマーズゲームとして十分に手応えのある密度の濃い作品であることは十分に感じられましたし、セッション後は充実した満足感に満たされました。

相変わらずコンポーネントがしょぼくてプレイアビリティが低いのと、計算が若干面倒だということが気になったのですが、高いレベルでまとまっている良作ではないでしょうか。「1830」の単純なクローンではなく、これはこれで独自の優れたアイデアが数多く盛り込まれているという点も気に入りました。

なおルールで「運河」は、水性ペンで直接ボード上に書いていくようになっているのですが、このセッションでは自作した竹製スティックで代用してみました。少し長かったので、それを少しばかり調整しさえすればまったく問題ないみたいです。ゲーム的にも、通してプレイした後でわかったことがありますので、ぜひまた再プレイしたいです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/2396


Bus (バス) / Splotter Spellen

頭がカオス状態。

moon Gamer

「バス」は、街にバス路線を巡らせ、それを使って出来るだけ多くの乗客を運送するゲームです。

ゲームは大きく2つの段階に分かれています。まずは「アクションの選択」フェイズです。ここではファーストプレイヤーから順に、アクションマーカーを専用のボードに配置することで、後で実施したいアクションをひとつ選択します(選択したアクションはもっと後の段階で実施します。ここでは選択のみ)。

moon Gamer

手番が回ってくるごとにアクションをひとつずつ選択可能です。同じアクションを何度選択しても構いません。アクションの中には1人だけしか選べないものもあります。各プレイヤーは少なくとも2つのアクションマーカーを使わなければなりません。

アクションマーカーは各プレイヤーごとに20個ずつあります。このアクションマーカーは全て使い捨てで、これを使い切ったプレイヤーはゲームから抜けます。つまりゲームを通して各プレイヤーは20アクションずつ行うことになります。1ラウンドで実施可能なアクションの回数はマーカー数を上限として制限はありません。

アクションには「路線(バス路線を設定する)」「バス(新たなバスを1台作る)」「乗客(乗客コマをステーション上に配置)」「建物(新たな建物を配置)」「時計(時間を止める!)」「運行(バスを運行して乗客を運ぶ)」「1(次ラウンドのファーストプレイヤーになる)」があり、その順番で実施されます。

「乗客」は、特定の「建物」に移動しようとします。それぞれの乗客が移動しようとする建物は「時間」によって異なります。この世界の「時間」は「家(夜)」「オフィス(昼)」「パブ(夕)」の3つがあり、その時間帯に対応する建物に乗客は移動します。

moon Gamer

乗客は交差点に配置され、その交差点に目的の建物があれば、そこに乗客が入ります。ひとつの建物には1つの乗客しか入りません。もし、目的の建物が交差点になければ、乗客はバスを使って別の交差点に移動しようとするのです。この乗客の移動が「運行」であり、「運行アクション」で乗客を運びます。

時間はラウンドごとに変わりますが、「時計アクション」を実施したプレイヤーは、時間の進行を一時的に停止させることが出来ます(!)。時間を停止させたらペナルティとして-1点のマーカーを受け取ります。

運行アクションによって乗客を目的の建物に運ぶことが出来たら1点です。最終的にこの点数の高いプレイヤーの勝利となります。

運の要素がまったく介在しない、胃がキリキリと痛むかのような厳しいゲームです。乗客を思ったようにコントロールすることは難しく、他のプレイヤーの動向が大きく影響するので、効率的に得点を重ねるためには、相当な読みと計画性が必要です。4人プレイでも2時間はかかるので人を選ぶタイプのゲームではありますが、優れた思考ゲームだと思います。

この手のアブストラクト風ゲームは好きなのですが、「ウル1830BC」の準備とプレイですっかり体力を奪われてしまったこともあって、セッションはまるでいいところがなく惨敗でした。後で思い出してみると、絶望的な状況でも実は手があったように思ったので、次の機会を待ってまたチャレンジしたいと思います。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/552


Oraklos (オラクロス) / Splotter Spellen

最後はこのゲームで〆ました。

moon Gamer

机上に多数のコマがぶちまけられ、そこから自分の前に並べられたカードに描かれた配列をいち早く探し出すリアルタイムゲームです。3ヶ月ほど前にプレイしたばかりなのに、もうルールを忘れてしまっているくらい印象の薄いゲームで、疲れていたこともあってあまりふるわずに終了。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/oraklos.html


レポートは以上です。

この日はとにかく「ウル1830BC」に尽きます。久しぶりに準備段階から思い入れたっぷりに力を入れ、セッションも十分に堪能することが出来てよかったです。ただ、そのために余力が無くなってしまい、この日にプレイ予定だった「カンヌ」のルール読み込みの時間が取れず、結局プレイ出来なかったのが心残りとなりました。でもこれでまた、次のスプロッター会を開く口実にもなったのでいいのかな。moon Gamer

朝からみなさん本当にお疲れさまでした。
またぜひ遊びましょう。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

ゴールデンウィークの最終日となった7日(日)は、千歳烏山ゲーム倉庫にて、SGC有志が集まってゲーム会を開きました。参加者は atog さん、YOKさん、Onakaさん、それに僕の4人です。

今回のテーマは「Antiquity / Splotter Spellen」「Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog」の2つです。どちらも硬派でプレイしがいのあるゲーマーズゲームで、GWを締めくくるにふさわしい逸品であると言えましょう。この日はお昼から夜まで、この2作品をじっくりと噛みしめるように楽しみました。


Antiquity / Splotter Spellen moon Gamer

何とか最後までプレイしました。

moon Gamer

展開の幅が意外と狭いかな、と思いつつも、プレイするたびに新しい発見がある素晴らしいゲームです。このゲームの特徴は、地道で基礎的なプレイ技術を理解し、正確に実践することをまず土台として、さらにそれらを応用することで独自のアイデアを形にする創造性の豊かさにあると思っています。

moon Gamer

このゲームはYOKさんが研究を重ねており、特に序盤から中盤にかけては定石がいくつか作られているようです(atogさんはこれを『YOKシステム』と名付けました)。San Christfori を選択する速攻が中心のようですが、詳しくは謎。今も新しい作戦をいろいろ考えているようです。

この日のYOKさんの戦略がまた面白かったですね。まず早い段階で San Christofori を一度選び、産物の貯蔵能力をフルに利用して Countryside で勢力の拡大を図ります。具体的には Stables で ZOC を拡大しつつ、Inn や City を全面に押し出すような形をマップ上で作っておきます。

そして頃合いを見計らって Faculty of Theology で Cathedral を壊し、その後で Cathedral を再建設して San Giorgio を選択するのです。これにはびっくりしました(もっとも、これはいろいろな思惑があって結果的にそうなった可能性もあります)。実戦では、その後に産物の生産サイクル計画にトラブルがあり、結果的にうまくいかなかったようですが、それが無ければ完全に勝ちパターンにハマっていました。

moon Gamer

このセッションを制したのは atog さんで、選んだ Patron Saint は Santa Barbara でした。Countryside では Faculty of Alchemy で土地の再利用を図り、狭い範囲で効率的に産物を生産しては都市に建物を建てまくる戦略です。

都市内では University で 各Faculty を効率的に運用していましたが、その一方で Grave 対策には苦労していたようですけれども、Hospital と3都市体制で墓地用の土地を確保してしのぎ切り、見事な勝利となりました。

かなり時間がかかりましたが、充実した面白いセッションでした。依然として新戦略を考える余地はあるようで、自分としてもしばらくは研究を重ねたいと思っています。SGCには未プレイながらプレイ希望者が何人もいることもあり、まだ Antiquity を遊ぶ機会はありそうですし…moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/13122


Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog moon Gamer

何度やっても面白すぎな鉄道ゲーム。

moon Gamer

もう発売されてから4年近く経ちますが、何度プレイしてもまったく飽きることのない優れたゲームだと思います。まるでナイフエッジの上を歩くようなシビアさは頭にしびれます。拡張セットを含めて「蒸気の時代」を1日中遊ぶゲーム会をやりたいくらいですよ。

moon Gamer

4人ともプレイ経験者だったのですが、うち2人は久しぶりで、しかもその2人とも前日に「Railroad Tycoon (レイルロードタイクーン) / Eagle Games」をやっていたそうです。そのため、どうも最初はルールがやや混乱していたようなので、まずは軽くインストしつつ何とか軌道修正してゲームが始まりました(ちなみに僕自身はレイルロードタイクーンを未プレイです)。

このセッションは、Evansville ~ Cincinati 周辺に序盤から3人のプレイヤーが固まる混戦模様から始まりました。盤上も Goods Display 上も、荷物がやや偏っていたことも影響していたと思います。さらに Urbanization も、しばらくはこの付近に集中していたため、中盤過ぎまで狭い範囲で神経質な路線確保合戦が続きました。

Income が10を越えたあたりでは出遅れたかな? と思ったのですが、誰よりも早く6リンクでの運送を行えたあたりから収入が増え、これまで手つかずだった Minneapolis まで路線を引けるようになってはっきり優勢になったと感じました。この時点での憂いは、余分な株式発行が1株あった(VP換算で-3点)ことと、路線数で2位の atogさんに負けそうだという点です。それでも普通に Income を増加させれば何とかなると思っていました。

moon Gamer

このあたり、本当はもっと緻密に計算しなければならないのですが、油断してどんぶり勘定で突き進んだ結果、終了してみると「Income - Issued Share」の差が atogさんと同点となり、盤上の路線数がわずかに2本足りずに2位となってしまいました。

ということは、不必要な株式発行が無ければ勝っていたわけですし、終盤に路線数を増加するプレイなら他にいくらでも選択肢がありました。このあたりの雑なプレイングは悔やまれます。

ただ、後から思い出してみると、序盤の苦しい展開も New City の配置を間違ったことに起因していますし、そのあたりも含めて反省すべき点はゲームを通して多くありました。次のゲームではさらにレベルの高いところを目指してがんばろうかと思います。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/4098


レポートは以上です。

セッションは2つだけでしたが、いずれも充実した内容で大満足の1日でした。終わってみれば atogさんの連勝でしたね。いや、さすがです。moon Gamer
ということで、大変にお疲れさまでした。またぜひ遊びましょう。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

3日(水/祝)は、千歳烏山ゲーム倉庫にて、昔からの知人が集まってゲーム会を開きました。
参加者は僕を入れて3人です(Mさん・Kさん・moon)。お昼から夜までたっぷりと遊びました。


Thurn und Taxis (郵便馬車) / Hans im Glück moon Gamer
moon Gamer

先日のセッションで puupiさんが、このゲームは3人がベストではないか、という話をされていたこともあってエントリー。都市をひとつなぎで連結するように郵便網を作って家を配置します。郵便網の作り方でボーナスタイルや馬車(得点になる)を獲得し、最終的にゲーム中に得られた得点から、建てられなかった家の個数を引いた点数が勝利点数となります。

先日のセッションではテンポの良い軽めのゲームという感触を持ったのですが、今日の厳しいメンツはその甘い考えを吹っ飛ばしてくれました。その場のノリでほいほいと家を建てていたら、たちまち点数的に置いて行かれてしまっていました。少しの無駄も許されない限られた手番の重さ。しっかりした計画と綿密な計算に基づいてプレイしないとこんなことになります。

自分だけのことだけではなく、特にじぶんの次手番プレイヤーの意図を把握して、時に「締める(あるいは"仕事"をする)」ことも有効な選択肢として検討しなければなりません。なぜならボーナスタイルの獲得は早い者勝ちであり、そのほとんどは1枚だけでも勝敗に関わるほどの高い得点比重を占めているからです。

まぁ、ちょっとカンの良い人ならすぐわかること(実際、初プレイだった他の2人はすぐ気がついたわけですし)なのですが、自分としてこれはとても大きな発見となりました。面白いゲームだと思います。もう何回かやってみたいです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/21790


Indonesia (インドネシア) / Splotter Spellen moon Gamer

およそ2ヶ月ぶりの「インドネシア」。

moon Gamer

今日のメンツはどんなゲームでも苦にしない人たちなので、「インドネシア」をリクエストしてみました。このゲームが3人でも成立するかどうかを見たかったという興味もありました。前回のセッションのレポートとゲームの紹介は、こちらのエントリーからどうぞ。

moon Gamer

結論から言ってしまうと、3人プレイでも十分に楽しめました。全体的な傾向としては、3人ですとR&Dトラックの「Slots(会社の設立上限)」の総量が減るので、「設立→合併」のサイクルが長くなるためにラウンド数が増え、そうすると必然的に Production Company(製造会社)の運営回数も増加するので、その収益がかなり大きなものになります。

4人プレイ時でも Ship Company(海運会社)の収益性の低さが問題になっていましたが、3人プレイでは完全に製造会社からの収益を軸に考えないと効率が大変に悪くなります。

なので、製造会社の合併入札の相場感覚がとても重要になるはずなのですが、わりと低い相場で合併が行われていました。このため、製造会社を持つ者の持たざる者の格差がかなり開いてしまい、海運会社を中心に回していたプレイヤーはかなり苦しい展開になっていたように見えました。

合併の可否は現金の保有量でほぼ決まるので、収入効率の良い「商品」のインカムゲインの差が大きいと、権利書の少ない会社は、合併の名を借りた「敵対的買収」の餌食となってしまうのです。
※このあたりの感覚は1回でも通してプレイしないとわかりにくいかも。

moon Gamer

さて、このセッションで僕は、前半は米穀会社(Rice Company)を中心に運営を行いました。R&Dは「Expansion(拡張)」を選択し、収益効率を増大させ、同時に合併のリスクを減らします。さらに別の米穀会社の合併に成功し、さらに大きな生産力と合併への対抗体制を整えました。

商品の「米」は収益額が低い(@20ルピア)のですが、盤上に配置された米の数と、ラウンド数が長くなりそうだったので運営回数で十分に儲かると判断しました。実際、かなりの利潤がありました。

しかし中盤過ぎで、Kさんがシアパ・ファジ会社の設立に成功し、しかもR&Dで「Expansion(拡張)」を「4」にまで上昇させてきたあたりから猛追が始まりました。シアパ・ファジ会社は米穀会社と香辛料会社の合併によって設立される特殊な会社で、商品の「シアパ・ファジ(電子レンジで作るインスタント食品)」は@35ルピアと石油(@40ルピア)に次ぐ高額商品です。

moon Gamer

Kさんは海運会社を持たなかったので運送コストはかかりましたが、拡張に拡張を重ね物量でコスト高をカバーし、ついに高収益体制を作り上げました。

しかもこの時点でシアパ・ファジ会社は1社しか存在しなかったので、合併の危険にされされることもなかったのです。これはまずいと慌ててこちらも遅ればせながらシアパ・ファジ会社を設立したり、同時にゴム会社にも手を出して多角経営化に乗り出してみました。

それでもKさんの高い収益にはかないそうもなかったので、「Slots(会社の設立上限)」を上昇させてから会社の設立を次々に行って早くゲームを終わらせるようにしました(ボード上で未設立の会社が1種類になるか、全ての会社が設立すると新しい時代が始まります)。

これが功を奏したようで、最終ラウンドでもKさんが大きく売り上げを伸ばしましたものの、ゲーム終了時の資金は辛うじてトップとなっていまして、何とか逃げ切ることが出来ました。計算してみたら、あと1ラウンド続いていたら逆転していたところでした。

実は前回のセッションでも勝ちましたので、これで「インドネシア」は2戦2勝という結果になりました。前回も今回もそんなにうまく立ち回った気はしていないのですが、ひょっとして相性が良いゲームなのかもしれません moon Gamer  今回のプレイタイムはインストを入れて4時間ほど。ルールを事前に把握していれば、3人であれば3時間以内で終わりそうです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19777


Aqua Romana (ローマ水道) / Queen

最後はこれで〆ました。

moon Gamer

前回の集まりの時には「Aquadukt (アクアダクト) / Schmidt」をやったので「また水道引きかよ」とか言われました。moon Gamer しかも地域も同じローマ。どうもドイツ人はローマに水道を引きたくてしょうがないみたいですね。moon Gamer

ゲームボードには84マスのプレイエリアと、その外周をぐるっと囲むように38マスのトラックがあります。ゲーム開始時に外周トラックには「建築家」コマを12個配置します。プレイエリアには人数に応じた位置に「貯水池」タイルを置き、その上にそれぞれが4個ずつの「作業員」を配置します。

手番において、自分の作業員コマの上下左右に建築家が「見える」ものをひとつ選び、その建築家に対応する水路タイルを、その作業員の前に配置します。その後で、建築家コマを外周マスで時計回りにひとつ移動させます。水路タイルを配置することで「終端」は延びたのであれば、そのタイルへ作業員を移動させます(全員の作業員をチェックします)。

もし、タイルを配置することで水路が閉じたり、あるいはプレイヤーが望んで水路を閉じるのであれば、閉じた水路上にいる作業員を「勝利の踏み石」に置くことが出来ます。「勝利の踏み石」は「1」~「20」まであり、閉じた時の水路の長さに対応するマスに作業員を置きます。ただし、わずかな例外を除いて1つの作業員しか置くことが出来ないので、低い数値の空いたマスに置かなければなりません。

水路をが閉じると、新しい「建築家」をひとつ取ることが出来ます。新しい建築家を手元に持つプレイヤーは、手番開始時にそれを任意の空いている外周マスに配置します。その建築家をその手番ですぐに使うことも可能です。

水路タイルが配置されないで1巡が経過したらゲームが終了します。「勝利の踏み石」に置かれた自分の作業員の得点合計とボーナス点を加算した点数が多いプレイヤーの勝利です。

同系統のゲームに「Metro (メトロ) / Queen」や「Linie 1 (1号線で行こう) / Goldsieber」がありますが、こちらは盤上の情報が完全に公開され乱数もないので、思考ゲーム的な読み合いやプレイヤー間の駆け引き度が高くなっています。建築家コマの移動が不自由なので、読んでもどうにもならないことはありますけれども、こういう胃のキリキリと痛みそうな思考ゲームがお好みであればきっと気に入ると思います。独自要素は薄めなので、斬新さを求める人には向きません。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/aquaromana.html


レポートは以上です。

このグループでいつも集まる時に比べてひとり少ない3人のゲーム会となりましたが、大作「インドネシア」を堪能することが出来ましたし、「郵便馬車」の奥深さを発見出来たことなど、充実した内容でした。

1日どうもお疲れさまでした>Mさん・Kさん
今度はHさんも入れて4人揃ってまた遊びましょう。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

15日(土)は、千歳烏山ゲーム倉庫にて、SGC有志で「Antiquity / Splotter Spellen」をプレイしました。集まったのは、SGC代表のYOKさんと、atog さんにFUKAI さん、それに僕の4人です。今回は、Antiquity を購入したというYOKさんが発起人となってこのゲーム会が企画されました。

moon Gamer

「Antiquity」は古代国家建設がテーマの複雑なゲームです。僕が過去にプレイしたレポートとゲームの簡単な紹介は以下のエントリーをどうぞご覧ください。

 年末ゲーム会・1日目 (12/29)
 つなきさん宅ゲーム会 (1/9)

このゲーム会は正午から開始されました。このゲームはコンポーネントの種類も数も多いので、1時間ほど前にゲーム倉庫に入って、コマの仕分けなどの準備をしておきました。


Antiquity / Splotter Spellen moon Gamermoon Gamer

インストは80分ほど。

moon Gamer

このゲームの特徴は「City Building(都市の建造)」と「Countryside Building(都市周辺部の開発)」の二層構造にあります。都市はいわば司令部で、ここで計画されたことが周辺部で実行され、そのフィードバックによってさらなる発展が望めます。このエンジンを稼働させる燃料が10種類にも及ぶ産物(goods)です。

moon Gamer

産物はヘクスマップボード上で実際に収穫する形で獲得します。この「収穫→建設」のサイクルが途切れないようにうまく回していかなければなりません。不規則な地形を読み、飢餓や環境破壊をうまくコントロールし、もちろん他のプレイヤーの干渉にも負けないように、より大きな発展を目指します。

この日の「Antiquity」は2回のセッションを行いました。僕以外の3人は初プレイでしたけれども、BoardGameGeekのリファレンス(どうかするとルールブックより正確かも)をプリントアウトして持ち込んだのと、YOKさんとFUKAIさんが事前にルールを読み込んでいたこともあり、ルールのインスト段階では大筋で問題はありませんでした。

moon Gamer

ただ、やはりそこは Splotter、微妙なルール解釈について、セッション中にあれこれと議論になったりもしました。とりあえずその場は「後で確認するけど、これは今回だけの決めということで」で乗り切りましたが、不明な点は後で調べておく必要はありそうです(調べてもわからない可能性も大なんですが…)

最初のセッションはルールを確認しつつ進めたのでスローペースだったのでのんびり構えていたのですが、気がついた時にはYOKさんが「Harbor(港)」を最大限に利用して、川のように長く連続した水域を伝って FUKAI さんの都市まですぐの地点まで押し寄せるという速攻を見せ、数ターンで FUKAI さんが戦意喪失した時点でひとまず終わりということにしました。

moon Gamer

次のセッションでは、今度はその FUKAI さんが地形に恵まれ、やはり「Harbor(港)」+「長い水域」のコンボで atog さんの都市方面に圧力をかけます。

一方、YOKさんは「luxury(贅沢品)」を複数種類収穫して(恐らく)都市を早めに建造するという方針を立てたまでは良かったのですが、肝心の「Wood(材木)」の収穫を忘れてうっかり脱落するというハプニングに見舞われていました(全員が了承して1人だけリセットして再開)。

やがて、豊富な産物を素早く集めた FUKAI さんがいち早く都市の建造に着手したと思いきや… なーんと、都市の建造コストを見誤って建造に必要な産物が揃えられていないという事態に(もちろん都市は造れません)。しかも「Storage(倉庫)」も無かったために大量の産物を保管することも出来ずにほとんど消滅してしまうという痛恨のミス。これが無ければかなりの優勢だったのですが…

moon Gamer

そんなこんなでゲームは進行していったのですが、堅実に都市経営を進めていたと思われていた atog さんが、実は「Storage(倉庫)」に人マーカーを乗せずに使い続けていたというミス(インストでは説明していたので勘違いですね…)が発覚した時点で、2回目もこのあたりで終了ということになりました。

2セッションとも飢餓レベルがかなり低い状態で中断したこともあり、かなり消化不良っぽい感じの幕引きになったのは残念です。飢餓レベルが10を越えたあたりからが、産物マネージメントの醍醐味が味わえるので、せめてそのあたりまで楽しめれば良かったのですが…moon Gamer

もっとも個人的な事情を言えば、昨年末と今年初めの過去2回のプレイが惨敗に近い形だったにも関わらず、今回はかなり自分の思うように場を動かすことが出来たので、その点では満足です。ちょっとしたミスもありましたが、全体の状況を見ながら臨機応変に最適な選択を考え、それをタイミング良く実施するようなことが出来たので、プレイしている最中はとても面白かったです。

ところで、他の3人が初プレイで慣れていないせいもあったでしょうが、ダウンタイムがやや長めなのは気になりました。次に遊ぶ時にはもっとサクサク進行するという3人や2人プレイを試してみたいところです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/13122


Havoc: the Hundred Years War (ハボック) / Sunriver Games moon Gamer

少し時間があったのでリクエスト。

moon Gamer

前回は3人でプレイしたのですが、僕としては今ひとつだったこともあり、4人揃っているこのちょうど良い機会にリクエストしてみました。

結果から言えば、3人よりは4人の方が面白かったです。少ない人数でも楽しいと bisco さんが書かれていますが、僕の好みは断然4人ゲームの方です。

このゲームはポーカーのような役を作ることが目的ですが、この駆け引きがかなり面白いです。参戦した後の役を確定するまで、カードを少しずつ公開し、出来るだけ少ない枚数で高い役であるように相手に思わせる心理戦がなかなか熱いです。「軍犬(Dog of War)」の特殊効果がまた面白いアクセントになっていて、ゲームに彩りを添えているのもポイントですね。

次は5人とか6人とか、もっと大人数で遊んでみたいです。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/havoc.html


レポートは以上です。

いろいろありましたが、Antiquity は初プレイ組全員が絶賛していたということには違いありませんし、僕自身もこのゲームの大いなる魅力を再発見できて良かったです。長時間ゲームでプレイする機会を作るのは大変なのですが、それでも繰り返し遊んでみたいと思わせる魅力にあふれた良作だと思います。

本日はどうもお疲れさまでした>参加者各位
またぜひよろしくお願いいたします。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

5日(土)は、千歳烏山ゲーム倉庫にて「Indonesia (インドネシア) / Splotter Spellen」をプレイするゲーム会、題して「インドネシア会」を開きました。参加者は、かゆかゆさん・PHYさん・つん坊さん、それに僕の4人です。どうでもいいですが、「インドネシア会」と書くとエスニック料理を食べたり民族舞踊でも踊りそうな会みたいですけど、もちろんゲーム会です。moon Gamer

moon Gamer

「インドネシア」をプレイするにあたってルールの翻訳作業を行ったのですけれども、実はこれが案外と手間取りました。文章量は7P弱ほどなのでルールブック全文を読み通すのにはそれほど時間はかからなかったのですが、細かい処理や用語についての説明が不足している上に、誤植がところどころにあったためです。

結局1人で作業するのは諦めて、このゲームを所有しているかゆかゆさんにヘルプを依頼し、2人で個別に独自訳を仕上げてそれを交換しつつルールを確認し合い、さらに BoardGameGeek で情報を拾うという作業を経て、やっとルールの全容をほぼつかむことが出来ました。せっかくなので、写真のように気合いを入れたルールの和訳を作ってみましたよ。moon Gamer

※ルール和訳は pgdb に登録しました。こちらからどうぞ。PDF形式です。
2011/12/29補足:一部の方には配布していますが、現時点では非公開状態です。細かな点を修正して、第二版ルールに対応した和訳を後日何らかの形で公開する予定です。気長にお待ちいただければありがたいです。


Indonesia (インドネシア) / Splotter Spellen moon Gamermoon Gamer

このゲームは5人までプレイ可能ですが、念のため今回は4人に抑えてプレイに臨みました。

moon Gamer

Splotter の最新作「Indonesia」です(といっても発売は昨年秋ですけれども)。インドネシアを舞台にビジネスを展開し、一財産を築くことを目指す経済&開発ゲームです。

このゲームで財産を増やすに基本的な要素は「会社(Cpmpany)」です。会社には、陸上で商品を生産する「製造会社(Puroduction Company)」と、それを運送する「海運会社(Shipping Company)」の2種類があります。製造会社で生産された商品を海運会社の船舶を使って「都市」へ運ぶと売却益を得る、というスキームが「インドネシア」における経済の基本構造です。

商品を売却するのは製造会社ですが、製造会社に運送能力はなく、商品は海運会社の船舶を使わなければ都市に運び込むことは出来ません(陸上運送は不可)。船舶を使うには使用料が必要です。商品を輸送する製造会社の所有者は、使用する船舶を持つ海運会社の所有者に使用料を支払います。つまり、製造会社と海運会社は所有者が異なっていれば、売却益の一部は海運会社に流れることになります。これも「インドネシア」におけるもうひとつの経済の姿となります。

moon Gamer moon Gamer

ゲームは大きく3つの時代(Era)に分かれます。一定の条件下で新しい時代(New Era Phase)に進むと、新しい都市の勃興と新時代にふさわしい会社の設立準備が整います。競りによってプレイ順を決定(Bid for Turn Order Phase)した後、このゲームで最も特徴的な合併(Merger Phase)が行われます。「合併」とは、原則として同業種の2つの会社をひとつにまとめようとすることです。これについて詳細は後述しましょう。

ここで各プレイヤーは会社を設立(Acquisition Phase)することが出来ます。会社設立には資金を必要とはしませんが、研究開発(R&D)値の「スロット」を越えて会社を所有することは出来ません。ゲーム開始時に「スロット」は「1」なので、各プレイヤーは1社ずつしか持つことは出来ないということです。

製造会社は商品を生産する機能を持ちます。どの会社がどの商品を生産するかは、その会社の「企業権利書」に書かれています。まず、会社が設立した場所(エリア)に生産する商品マーカーが配置されます。一方、海運会社は商品を輸送する機能を持ちます。海運会社が設立されると、1隻の船舶が海域に配置されます。

その後で研究開発(R&D)段階を上昇(Research & Development Phase)させます。任意の1つの要素を1段階だけ上昇させることが可能です。この「研究開発(R&D)」には「スロット(会社所有数を規定する)」「拡張(会社を規模を拡大する数を規定する)」「合併(合併宣言対象の会社規模を規定する)」「「輸送量(船舶で輸送可能な商品の個数を規定する)」「ターンオーダー(プレイ順を決める競りで有利になる)」があります。

moon Gamer moon Gamer

そしていよいよ会社を運営(Oparation Phase)する段階に入ります。製造会社は生産した商品を出来るだけ多く都市に運び込まなければなりません。ただし、各船舶は1隻ごとに商品を輸送可能な個数が決まっています。つまり、海運会社の所有者のR&Dである「輸送量」をまでしか商品を運べないのです。

また、都市にも商品を受け入れる限界数がありますので、それ以上は売却することが出来ません。それでも製造会社の商品売却は義務なので、近場の都市に売却不可となったとしても、遠くの都市に売却可能であれば、高い運送料を支払って赤字になったとしても売却しなければなりません。なお、商品の価格は種類ことに固定です。

全ての会社の運営が終了したら、都市が発展(City Growth Phase)する可能性があります。一定の条件下において都市は「サイズ」が上昇し、商品を受け入れる個数が増加します。サイズの大きな都市へは、より多くの商品を売却することが出来るようになります。

moon Gamer moon Gamer

さて、このゲームの華である「合併」についてです。設立当初、全ての会社は1枚の「企業権利書」から構成されています。権利書が1枚ずつの2社が合併すると2枚の権利書を持つ1つの会社が誕生します。これを繰り返すとさらに権利書の枚数の多い会社が発生することもあります(ゲーム的には最大5枚)。これがまず基本。

合併を宣言する際にはR&Dの「合併」値が、合併対象となる権利書の枚数と同じがそれ以上でなければなりません。ゲーム開始時にはR&Dの合併値は「1」なので、そもそも合併を行うことが出来ません(2つの会社が合併すれば権利書は2枚以上になるからです)。これが「2」になって初めて合併の宣言を行うことが可能となります。

合併は競りによって行われます。合併が宣言された会社のそれぞれの所有者か、空いているスロットのあるプレイヤーがこの競りに参加出来ます。そして最も高い金額をつけたプレイヤーが落札します。

この落札金は、合併する会社の所有者に分配されます。これは、合併前の会社が持っていた商品マーカー(または船舶マーカー)の数に応じて配分されます。例えば、スパイスを6個持つ会社Aと4個持つ会社Bが合併され、落札金額は300だったとしましょう。そうすると、会社Aの所有者には180、会社Bの所有者には120が落札金から支払われるということです。

合併で面白いのは、会社の所有者でなくても合併の宣言は可能だということです。自分とはまるで無関係な会社の合併を宣言してもまったく構いません(ただし、落札した場合に支払う分配金が高くなります)。自分の所有する2つの会社を合併宣言することも可能ですが、空きスロットのある他のプレイヤーが競りに介入してくるかもしれません。

moon Gamer moon Gamer

「インドネシア」は優れた経済ゲームです。メカニクスはやや複雑で、相互にリンクしたゲーム的な力学をすっきりと説明するのが難しいタイプのゲーム(インストのハードルが高い)なのですが、それを乗り越えて遊んだ先の世界は別天地であり、フリークたちにとってチャレンジしがいのあるエレガントで美しい作品です。

よくあるドイツゲームのように資金がカツカツということはなく、ゲームを通してそれなりに余裕があります。ぼんやりプレイしていたとしても、そこそこの利益を上げるのは難しくはありません。しかし与えられている機会はそんなには多くはないのです。ということは、好機を逃さずに効率的に利益を叩き出すにはどうしたらいいかを考えるゲームだということです。そしてその方針はゲーム中に多く用意されており、いずれもテクニカルで創造的な戦術を生み出のに十分な素地にあふれています。

特に「合併」は、荒々しく厳しい意志決定をプレイヤーに迫ることになるでしょう。この場面での相場観や立ち振る舞い方は、1回プレイ済みの僕でも完全にはほど遠いレベルでしか理解していません。このゲームの勘所がどこにあるかと問われれば、それは間違いなく「合併」であり、プレイ研究の中心もこの部分に集中することになるでしょう。

では「インドネシア」に全く問題がないかといえばそんなこともないというのが、このゲームを紹介する身としてはとても残念な話です。まず、冒頭にも書いたように、ルールは説明不足です。それを何とか乗り越えたとしても、コンポーネントが今ひとつ使いづらいのは何とかならなかったのでしょうか。ゲームボードやコマの配色が、デザイン的には美しいものの、識別しずらくて機能的はありません。エリアの大きさとコマの大きさもアンバランスで扱いづらく、総じてプレイアビリティは低めと言わざるを得ません。

システム面でも、びっくりするような斬新さはなく、それどころか細やかさに欠ける面すらあります。ただ、それがデザイナー陣が苦労して調整した結果であるのなら、個人的にはそれを受け入れることはやぶさかではありません。

moon Gamer moon Gamer

今回のセッションでは、僕を除いた3人が海運会社と製造会社の両方を運営し、輸送量を支払わないで効率的に商品を都市へ供給する方針を採ったのに対し、僕だけは製造会社だけで経営を回す作戦に出ました。儲けの何割かは輸送料に消えてしまいますが、構わず商品を大量生産した売却益を荒稼ぎする方針としました。もちろん、R&Dは「拡張」をいち早く選択します(商品がより多く生産可能となる)。

ちなみに、製造会社の景気が良くなると、その恩恵に与ろうと周囲の海には海運会社の船がわらわらと集まってきます。このあたりは実際の経済活動そのものの自然な展開で、見ていても面白いです。

序盤の終わり頃には全員がコツを飲み込みはじめ、資金的にも余裕が出てきたこともあって合併が頻繁に行われるようになっていきました。合併がゲームに与える影響は大きく、単に会社のオーナーが変わったというだけではなく、盤上の状況も自分の置かれている立場もがらりと変わるのです。

仮に合併によって会社を失ったとしても、実はそんなに痛手ではありません。それが大きな会社であれば分配金も大きくなり、その価値で会社を売り抜けたという意味になります。さらにスロットに空きが出来るので新しい会社を設立することも、新たな合併を仕掛けることも出来るようになります。

このように「インドネシア」の合併には、単に敵対的買収を目的にしているというだけではなく、運営の効率化や新たな海運ルートの開拓、そしてゲーム進行に関わる駆け引き等々、実に多様で意味合いを持っており、それがこのゲームの味わいをより一層深いものにしていると言えます。ですから、的確なタイミングで自分の目的に応じた合併パターンをよく考えて決断しなければなりません。

今回のインストは1時間ほど(お疲れさまでした>かゆかゆさん)、実質的なプレイ時間は4時間ほどに及びましたが、間延びした感覚はまるで無く、とても密度の濃い時間を過ごすことが出来ました。慣れればもっと短い時間でプレイすることも可能でしょう。これだけ入り組んだ内容を持つ開発系のゲームが3~4時間できちんと収束するというのは、ある意味驚きでもあります。

そして同卓の厳しい目を持ったメンバーにも好評でなりより。もはや再戦は必然で、しばらく僕は「インドネシア」の伝道師となってあちこち回るとしましょうか。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19777


Oraklos (オラクロス) / Splotter Spellen moon Gamer
moon Gamer

もうひとつのスプロッター。アクションゲームの一種です。自分の前に並べられたカードの配列を、机に上にばらまかれたキューブから探し出すゲームです。

配列を構成する条件がやや厳しめで、僕にはちょっと難しかったです。意外と駆け引きの要素があったりしますので、コミュニケーションゲームの一種として考えれば楽しめるかも。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/oraklos.html


Trump, Tricks, Game! (トランプトリックスゲーム) / Phalanx Games moon Gamer
moon Gamer

4回目。すいません、今までルール間違っていました。ルールブックを隅までちゃんと見直して、今度こそちゃんとしたルールでやったと思います。

今回はマストフォロー時に手札にスートが1枚だけなら一時的に拒否可能な上級ルールのみを使用しました(押しつけルールが絶不評だったので)。ゲームの方は、前回のSGCで勝ったプレイヤーのプレイを参考に「4ゲーム目重視」の方針を立てて勝ちました。これは使えるかも。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/trumptricksgame.html


Deflexion / (Self Published) moon Gamer
moon Gamer

かゆかゆさんが持参。レーザービームで相手のファラオを打ち抜きます。2人用のアブストラクトゲームです。

チェスのようなボード上にコマがありますが、これには片面か両面にミラー(鏡)がついているものがあります。自分の任意のコマをタテ・ヨコ・ナナメのいずれかの方向に1マス移動させるか、あるいは90度の方向転回をしたら、自陣のボタンを押してレーザー光線を発射します。

「レーザー光線」は比喩ではなく、本当に発光する装置がボードに付いています。もちろんレーザー光線はコマの鏡に当たれば反射しますし、反射した先が鏡ならさらに連鎖して反射します。これは面白いギミックです。moon Gamer

もし、レーザー光線がコマに当たり、当たった場所がコマの鏡の面でなければ、そのコマは除去されます(それが自分のコマであっても)。もし除去したコマが相手のファラオであれば、あなたの勝利となります。他にも特殊な機能を持ったコマがあったりしますが。基本的なルールはほとんどこれだけです。

1ゲームしかプレイしていませんが、派手派手しい見た目以上に硬派な思考ゲームではないでしょうか。なかなか面白いので僕はとても気に入りました。ただ、レーザーボタンを押しても何の音もしないので、演出的にはちょっと寂しいかな。そういうゲームじゃない? moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/16991


Vegas Showdown / Avalon Hill (Hasbro) moon Gamer
moon Gamer

リクエストが入ったのでエントリー。僕の他は全員が初プレイです。僕は何回目だろう… さすがにちょっと飽きてきたかも。

過不足無くまとめ上げられたメカニクスは優等生的にキレイですけれども、あまり刺激もないからか、同卓メンツには可もなく不可もなしみたいな評価でした。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/15364


Slipe (スライプ) / Calm moon Gamer
moon Gamer

ヤフオクで700円(送料込)。2人用アブストラクトゲーム。かゆかゆさん持ち込み。コマはモザイクタイルですね。

コマには2種類あって、ひとつだけ色の違うのが「メインピース」、他は「サブピース」です。ゲームの目的は、真ん中にある「センター」マスに自分のメインピースを移動させることです。自分の手番では自分のコマを1個だけ移動させることが出来ます。コマは、タテかヨコに、他のコマに当たる直前のマスまで直線的に移動させなければなりません(途中のマスで止まれない)。サブピースは、センターマスを通過することが出来ますが、そこで停止は出来ません。

ちょっとだけ時間が空いたので、かゆかゆさんと対戦してみたんですが… やり方がまずいのかゲームがダメなのかわかりませんが、どちらかがミスをしなければ延々と続いていくような気が。しばらくやってみましたが、一向に終わる気配がないので中断しました。うーむ。 moon Gamer
http://calm.peewee.jp/


レポートは以上です。

とにかく今日は「Indonesia」に尽きます。ゲーム会に至るまでにちょっと苦労したので、これが遊べるゲームだと発見出来ただけでも儲け物です。アフターは「かつくら」にて。ごはん・みそ汁・キャベツがお変わり自由だったので、もりもり食べながらゲーム談義に花が咲きました。

朝から晩まで本当にお疲れさまでした>ご参加の方々
またぜひ遊びましょう。moon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

12日(日)は、上北沢で開催されたSGC例会に参加してきました。僕としては久しぶりのゲーム会(3週間ぶりくらい)です。

このところゲーム会に行くどころかテーブルゲームそのものを全く遊んでいませんでしたけれども、これはどうも昨年末から今年の初めにかけて、連日のようにゲームを遊びまくったのが明らかに影響していたようです。というのも、あれでかなり自分の気が済んでしまった(?)みたいなのです。なので、流れゆくままにひと休みしていた次第です。もちろん、別に燃え尽きてしまったわけでもないですし、また自然とゲーム三昧の日々に戻っていくことになるでしょう。

今回の例会参加者は10人に満たず、規模としてはこぢんまりとしていましたけれども、ゲーマーとして資質の高い初参加者が2人と、ゲストとしてHAL99さんがいらっしゃっておりまして、内容的にはとても充実した1日となりました。


King of Beasts Mythological Edition (キング・オブ・ザ・ビースト) / Playroom moon Gamer
moon Gamer

クニツィア作のカードゲーム。5人。
春には大阪へまた帰っていってしまうという Bone5 さんの持ち込みです。

場に公開されている5枚のカードから1種類を取って手札に入れた後、手札から1種類のカードを場にプレイします。場にプレイする時には「種類」が同じであれば2~6枚のカードを一気にプレイ可能です。

カードをプレイする時には、何枚かを手元に伏せて置いて、残りを場の該当する列に置きます。これを繰り返し、どれかの列に6枚のカードが出たらゲーム終了です。最も長い列となった種類のカードを伏せていたら、それが得点となります。また、2番目・3番目に長い列のカードもポイントに計上されます。最もポイントを獲得したプレイヤーの勝利です。

クニツィア風味がほどよく感じられるライトなカードゲーム。ただ5人でやったからかもしれませんが、一巡回って来るまでに場の状況ががらりと変わってしまうわりには手札のコントロールは運の要素が強く、何となく流されるままにゲームは進みました。お金も競りもない「モダンアート」?(違うか…)

軽くて何度も遊べそうではあるので、もうちょっと少ない人数でなら再プレイしたいです。moon Gamer

http://www.ps-hiroshima.com/board/kingofthebeasts.htm


Trump, Tricks, Game! (トランプトリックスゲーム) / Phalanx Games moon Gamer
moon Gamer

やっと入手したので持ち込みました。4人。

個人的には3回目のプレイ。今回は上級ルールを2つとも入れました。このゲームを健部さんに最初に教わった時には上級ルール入りだったこともありますが、これを採用した方がカードマネージメントやプレイヤー間の駆け引きがより複雑となり、僕としてはその方が好みです。

さて今回のゲームですが、3ゲーム目で4ゲーム目の切り札を集めまくり、4ゲーム目で12トリックを全部取ってグランドスラムを達成したプレイヤーの圧勝となりましたmoon Gamer。そういう展開にならないように他のプレイヤーが気を遣わなければならなかったのですが、キーとなるプレイは2ゲーム目あたりからあったような気がします。まったく難しいゲームです。moon Gamer

http://ejf.cside.ne.jp/review/trumptricksgame.html


Aquädukt (アクアダクト) / Schmidt moon Gamer

メビウス便の新作登場。4人。

moon Gamer

家を建て、水路を引いて得点を競うゲームです。ボードは大きく20の区画に分かれており、それぞれの区画は4~6マスの土地(正方形のマス)で構成されています。

自分の手番では、この土地に家のタイルを置くことが出来ます。まず20面体のダイスを3回振って、対応する区画の任意の土地に家のタイルを配置します。家のタイルには1~4軒の家が描かれていますが、特別の制限がない限り、どの家を置いても構いません。家の数が多い方が後で多くの得点が入る可能性があります。

また、家を置く代わりに、水源を置くか、あるいは水源から水路を2本まで引くことを選んでも構いません。水源は青いガラス玉で、土地の交点に置きます。他の水源の近くに置くことは出来ません。

水路は青い棒で、これは土地と土地の境界に置きます。水路の隣接している土地に置かれた家のタイルには水が供給されたこととなり、ゲーム終了時に得点対象となります。また、水路は土地の境界に2本まで置くことが出来ます。これを二重水路と言います。二重水路は2つ離れた土地へ水を供給する機能を持っています。

ある区画の土地が全て家でふさがったら、その区画の全ての家に水が供給されたかどうかを判定します。もし、この時点で水が供給されていない家があれば除去されます。空いた土地には、また家を配置することが出来ます。

基本的にはこれを繰り返していって、全ての水路がストックに無くなった後のラウンドが終了した時点でゲームは終わります。盤上で水が供給されていない家を除去した後、残った家の件数を数えて多いプレイヤーの勝利となります。

ライトな「サンチアゴ」風。何しろルールは2ページのみ(両面印刷で1枚)。ダイスを使うわりにはそれなりにテクニカルな要素も盛り込まれていますし、プレイヤー間の絡みも意外と多いです。たいして時間もかからずサクサク進行するわりには、終了後に充足感にひたれるのがいいですね。何度も遊びたくなるような中毒性があるわけではありませんが、僕はかなり好きなタイプのゲームです。moon Gamer
http://www.tgiw.info/news/nurnberg2006.html#schmidt


Diabolo (ディアボロ) / Amigo

クニツィアっぽいですがシャハトです。4人。

moon Gamer

場には5色の「列」があります。各列は右と左に「天国」側と「地獄」側に分かれています。自分の手番ではまずカードを1枚引いて、そして手札から1枚のカードを場にプレイします。

場にプレイするカードは、カードの色の対応する列に出します。この時、「天国」側に出しても「地獄」側に出しても構いません。ただし、片方の側に置くことの出来るカードは3枚まです。また、ひとつの列の5枚のカードが置かれたら、その列は「完成」したこととなります。完成した列にカードをプレイすることは出来ません。

4人プレイ時のは2つの列が完成した時点でゲームは終了し、各列ごと順番に得点計算を行います。まず、その列の天国側と地獄側に置かれたカードの数字をそれぞれ合計します。もし天国側が大きければ、その列の色のカードが手札にあるプレイヤーは得点を獲得する可能性があります。各プレイヤーは手札から得点計算を行っている列の色を公開し、その数値を合計します。それが最も多いプレイヤーが公開したカードの合計点数分だけ得点を得ます。

逆に地獄側が大きければ、今度はその列の色のカードが手札にあるプレイヤーは失点するかもしれません。これも同様に、各プレイヤーは手札から得点計算を行っている列の色を公開し、その数値の合計が最も多いプレイヤーが、公開したカードの合計点数分だけ失点します。

これをプレイヤー数だけ繰り返し、最終的に最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

自分の手番では1枚しかプレイすることが出来ないので、自分の行動よりも、他人の思惑を読むことが重要なゲームです。上では説明しませんでしたが、一発逆転のギャンブル要素もあります。それぞれの要素が手際よくまとまっていたこともあり、遊んでいて楽しかったです。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/diabolo.html


Antike (古代) / Eggert-Spiele moon Gamermoon Gamer

古代国家の元首となり、国を発展させて要人を獲得するゲーム。4人。

moon Gamer

一種の陣取りですが、ゲームの目的は「Personalities(要人/要職)」カードを勝利条件を満たす枚数だけ獲得することにあります。カードは5種類あり、それぞれ獲得する条件が異なっています。

手番ではコインを1枚もらった後にアクションを選択します。これは「ロンデル」上で任意のマスにコマを移動させることによって、そのマスのアクションを実行します。ロンデルは円周状になった8つ(7種類)のマスによって構成されており、コマは時計回りに移動させます。ロンデル上のコマは3マスまでは無料で進めることが出来ますが、それ以上のマスを進ませるにはコスト(資源で支払う)が必要になります。

アクションは大別して3種類あります。1つ目は資源の獲得です。資源には「大理石」「鉄」「金」の3種類があります。資源は自分の都市のあるエリアから原則として1つずつ産出されます。

2つ目のアクションは開発です。開発されるものも「神殿」「軍隊」「知識」の3種あります。神殿は大理石、軍隊は鉄、知識は金によって獲得することが出来ます。

moon Gamer

神殿は盤上では重要な施設です。資源では1エリアから1つの資源しか獲得出来ませんが、神殿のあるエリアからは3つの資源が産出されます。軍隊によって軍事ユニットを配置する時にも1エリアに1個ずつしか配置出来ませんが、神殿があると3個の軍事ユニットまで配置可能となります。さらに都市の防御力も3倍アップします。

軍事力を表す軍事ユニットには「レギオン(陸軍)」と「ガレー船(海軍)」の2種があります。どちらも生産するためのコストは同じです。配置する時には1エリアに置く数に制限がありますが、配置後は1エリアにいくつの軍事ユニットが入っても構いません。

「知識」には4つの種類があり、そのいずれも「金」を支払うことで獲得します。また知識には「簡単(Simple)」と「高度(Higher)」の2段階があります。いずれも獲得すれば何らかの恩恵を受けることが出来ます(特に軍事行動)。

そして3つ目のアクションは「軍事(Manuver)」です。これは、盤上の軍事ユニット(レギオンとガレー船)を行動させることです。軍事アクションでは自分の全ての軍事ユニットを行動させる出来ますが、1つの軍事ユニットは1回の軍事アクションで「移動」行動か「征服」行動のどちらかしか行えません。ただしこれは、知識の「車輪」「道路」「帆走術」「航海術」があれば、追加して軍事行動を行わせることが出来るようになります。

moon Gamer

戦闘のルールは実にシンプルかつシビアです。同じエリアに異なる国の軍事ユニットが存在した場合、そのどちらかのプレイヤーが望めば戦闘になります。そして数が少ない方の軍事ユニットは全滅し、数の多い方の軍事ユニットはその数だけ除去されます。つまり相殺(Exchange)します。

相手の都市を奪うには「征服」行動を行う必要があります。これは防御側に軍事ユニットだけではなく、都市の防御力(神殿により増加)や知識によるボーナス点(君主制・民主主義)も加点して判定を行います。攻撃側の攻撃力が防御力以上になったら、軍事ユニットの相殺処理を行った上で都市の所有者が入れ替わります。

ロンデルによるアクションを行った後で、都市の無いエリアに自分の軍事ユニットがあれば、必要な資源を支払って新たな都市を建設することが出来ます。

さらに、条件を満たしていれば要職カードを獲得します。例えば、10個の都市を建造すれば「王」カード、敵の神殿を破壊すれば「将軍」カード、7つの海域にガレー船を配置すれば「船長」カードが獲得出来ます。要職カードそのものには何も効果はありませんが、勝利するためにはこれを規定の枚数分集めなければなりません。そして最初にその条件を達成したプレイヤーの勝利となります。

moon Gamer

基本的な構造はとてもシンプルなゲームです。それぞれの開発に必要な資源の種類が対になっており、しかもそれはボード上に印刷されたロンデルを見れば一目瞭然なので、すぐ理解出来ます。戦闘も要するに「数が多い方が勝ち」ですし、複雑になりがちなイベントカードの類も一切ありません。盤上の状況を見れば、各プレイヤーの意図は明白にわかります。

それだけに、互いの陣形が整った後の陣取りは熾烈になります。ごていねいにも、各プレイヤーが何枚の要職カードを持っているかを管理するトラックまで用意されているので、息を潜めて相手を出し抜くことはまず不可能です。戦闘に乱数の要素がないこともあり、勝ちきるにはどのような状態になったとしても必然的に最後の(勝利条件を達成する)カードを獲得する状況を作らなければなりません。

これには資源の安定的な供給と温存がキーポイントになるでしょう。というのも、軍事ユニットと異なり、一度獲得してしまった資源は使わない限り無くならないからです。とはいうものの、このあたりの情報も相手に筒抜けなので、思い通りに資源をマネージメントするのも至難を極めます。

moon Gamer

今回は4人プレイで、僕はフェニキアを担当しました。他はギリシャ・ローマ・ゲルマンです。フェニキアは背後に敵がいないという地勢的に有利なポジションにあり、隣国のギリシャを牽制する目的で軍事ユニットを生産することを重視する戦略を取りました。資源は「金」重視で、つまり知識の獲得によって要人カードを獲得(ある知識を始めて獲得すると『学者』カードが入る)する方針を立てました。

これが当たったのかどうかはわかりませんが、2時間半ほどの熱戦の末に何とか勝利を収めることが出来ました。中央に位置したギリシャとローマはちょっときつかったみたいですね。4人だと最初の位置だけで有利不利がわりとはっきりしてしまうような気がしますので、もうちょっと多い人数で再戦したいところです。

久しぶりに直接打撃系のマルチプレイヤーズゲーム風な戦略ゲームを遊びました。やや長い時間がかかりましたが、テンポが良く進行し、メリハリがあって面白いゲームでした。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/antike.html


VOC! - Founding the Dutch East Indies Company / Splotter Spellen moon Gamermoon Gamer

世界の海へ繰り出して貿易を行うアクション風味のゲーム。4人。

moon Gamer

Splotter Spellen は、このところ「Antiquity」や「Indonesia」などで国内一部のフリークたちの注目を集めているメーカーです。その一方で、軽いノリのゲームもいくつかあって「VOC!」もそのひとつです。

ゲームの目的は、世界中に散らばる香辛料などの交易品産地に船で向かい、それをヨーロッパまで持ち帰り、高く売却することです。と書くと、大航海時代をテーマにした本格的な貿易ゲームのように見えますが、実は目をつぶって目的地まで正しく線を引けるかどうかを競うというアクションゲームがベースになっています。

交易地に向かう船には「船員」と「商人」を乗せます。これはプレイヤーごとに色分けされたコマをそこに置くことで表します。「船員」を置いた列の最も左側に位置するコマの所有者が「船長」となって船を操作します。船長を担当するプレイヤーは、専用ボード上に「目をつぶって」ペンを走らせ、目的地まで線を引きます。

船員以外のコマを乗せているプレイヤーは航海士となり、船長に言葉で指示を出します。ただし、無制限に指示を出せるわけではありません。指示可能は言葉は「東」「西」「南」「北」、それに「ストップ」だけです。回数は、今走らせている船に乗せている「船員」の数までです(だいたい2回くらい)。

moon Gamer moon Gamer

実際にどうプレイするのは写真をご覧いただいた方が早いでしょう。上の写真で専用ボードにペンで書いている人が「船長プレイヤー」で、実際には目をつぶって書いています。横にいる人はそれを見ながらタイミング良く指示を出す準備をしているわけです。

ペンを陸地に走らせてしまったり、端から出てしまった時には「座礁」します。座礁すると船長のコマは取り除かれ、新しい船長となります。船を走らせるプレイヤーが変わることもあります。港に帰る前に全ての船員が除去されてしまうと、その船は沈没してしまいます。

交易地に到着した船は交易品を獲得します。これは商人の役目です。交易品を積んだ船を出航した港へ戻すことが出来たら、契約にしたがって売却し、利益を得ることが出来るかもしれません。

単純なアクションだけではなく、他のプレイヤーとの駆け引きや協力関係、それに第三勢力としてのアムステルダムの存在など、一筋縄ではいかない複雑な利害関係を生み出す構造もまたこのゲームの特徴となっています。

ただ、この交易の部分がアクションの部分のキレの良さに比べると、やや冗長に感じられました。ここをもう少しスマートにまとめてくれたらもっと楽しめるゲームになったと思うと残念です。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/voc.html
http://www.boardgamegeek.com/game/4323


レポートは以上です。
この日、僕は3時間足らずの睡眠時間しか取らずに参加したため、最初から体力的にはかなりへろへろの状態となっておりましたmoon Gamer。ふー。アフターは上北沢のトンカツ屋。狭いお店だったのでほぼSGCのメンバーで独占状態となりまして、濃い話やら何やらで楽しいひとときを過ごしました。
ということで、みなさまお疲れさまでした~ またよろしくお願いいたしますmoon Gamer

    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ