25日(土)は、池袋で開かれた「チャレンジゲームの会」に行ってきました。
前回のレポートはこちらのエントリーをご覧ください。前回は、袋小路代表の娯楽堂さんが個人的に呼びかけたプライベートな会という位置付けでしたが、今回は袋小路の特別例会に準ずる扱いに昇格させたようです。
ただテーマがやや突飛ですし、初心者お断りとはっきり謳ったこともあり、今回も人の集まりもそれなりだったようです。とはいえ、会場では普通のゲームサークルではあまり見かけないようなゲームが次々と登場し、会場内は大盛況でした。
以下は、僕が持ち込んだり、プレイしたゲームのレポートになります。
Pusher / Peri Spiele
マイナーゲーム? いえいえ、93年の年間ゲーム大賞ノミネート作です。3人。
たくさんのボールと浅いくぼみのついたボードで遊ぶアクションゲームです。目的は、自分の色のボールを誰よりも早くボード上にすべて置くことです。
手番では自分のストックからボード上の任意のくぼみにボールを置きます。ただし、ボールと同じ色のくぼみには置けません。これはゲームを通じて適用される制限で、もしそのような状態のボールがあれば、ボード上から取り除かれます。
2つのボールが接して置かれている状態を「ペア」と言います。ペアを作ることは義務ではありませんが、意図的に作ることは出来ます。手番でボード上に「ペア」があるプレイヤーは、「三角」に並ぶようにボールを置かなければなりません(手番はそれで終わり)。そしてその次のプレイヤーは、その「三角」の3つのボールの中心部分を押さなければなりません。
ボードのくぼみは浅いので、押されたボールはコロコロと転がります。その結果、ボールの色とくぼみの色が合ってしまったボールはボード上から除去します。もし、手番プレイヤーのボールが1つでも除去されてしまったら手番は終わりです。
運良く自分のボールが除去されなかった時、ボード上に「三角」に並んでいるボールがあれば、再びそれを「押す」ことが出来ます。「三画」が無い時には、自分のストックからボールをひとつボード上に置いて手番が終了です。
というようなシンプルなゲームで、家族でわいわい遊ぶタイプのファミリーゲームです。ルールもかなり曖昧で、例えば押す方法について細かく規定されておらず、単に「Push」と書かれているだけです。
ボールを転がさないようにそーっと押して、何度も手番を行うと一度にたくさん置けてしまうことがあるので、「それは何となくずるいから、もっとチカラを入れて押すようにしよう」とか、その場で適当に決めを作って遊びました。
意外と楽しめましたけど、箱が重くてでかいので持ち運びは不便だなぁ。
http://www.boardgamegeek.com/game/7065
スーパーティルト / エポック社
1977年発売の国産アクションゲーム。みずるさん持ち込み。4人。
ダイスを併用する変形スゴロクです。各プレイヤーは4つのボールを持ち、これらをすべてゴールさせれば勝ちです。
手番ではダイスをふり、出た目だけ自分のボールひとつを動かします。ダイスによって移動するのは「横」方向にだけです。ボールを移動させることで、傾きによって溝をボールが転がり、「縦」方向に移動することもあります。もし、ボールが縦に触れてしまうようなことがあれば、下になったボールはふりだしに戻ってしまいます。
その後でボードの「ボタン」を押します。ボタンを押すことで、ボールの重みでボードの傾き方向が変わることもあります。また、それによってボールが溝に沿って移動したり、ふりだしに戻ってしまうような状態が発生することもあります。
スタートするにもダイス運が必要という、何だかものすごいゲーム。スゴロクだから当然(?)最後のゴールもダイス次第です。ヴィンテージゲームはこうでなくてはなりませんね。ということで、このゲームは運だけで勝ってしまいました。
Ting Tong / Ravensburger
ベルの軽やかな音色がステキなメモリーゲーム。
1973年製のヴィンテージゲーム。デザイナーは何とあのアレックス・ランドルフです。開始時にベルの下に「1」~「10」までのタイルを隠して、それを数字の順番に開けていくことを競うというだけの、元はシンプルなメモリーゲームです。「10」まで開けられたらその人の勝ち。そしてタイルの種類を変え、再びゲームを行います。
タイルの種類が写真のようにいろいろあって、一見しただけでは、それがいくつなのかわかりにくいデザインのタイルもあります。実はこれがこのゲームのキモなんですね。
数字なら覚えやすいのですが、そうでないものはなかなか記憶しづらいため、ベルの音色がヒントになるのです。つまりこのベルは、すべて音階が異なっています。
この日はルールを少しいじってアレンジしましたが、素直に元のルールで遊んでも十分に面白いと思います。箱には12個のベルが入っていて、2個は「ダミー」として使うことで難易度を上げることも出来ますし、数字タイルの枚数を減らせば簡単にすることも出来ます。記憶ゲームとして、他にいくらでも遊び方が考えられるでしょう。
お年寄りから子供まで、全年齢で楽しむことの出来る良いファミリーゲームでした。
http://www.spielarchiv.de/spiel/t/tingtong/tingtong.htm
Kameltreiber AG (キャメルドライバー) / Schmidt Spiele
スピーディなラクダレース。4人。
レースの目的は最後まで生き残ることです。
まず大きめのタイルをルールにしたがって環状に並べます。続いて、裏と表で異なる数字の書いてあるチップを、ボードの輪の中に並べます。あとはスタートタイルを決め、そこに全プレイヤーのラクダコマと、「マーカーストーン」を置きます。
手番になったら、数字チップを1枚選んで裏返します。そこに書かれている数だけ、自分のラクダコマを時計回りに進めます。止まったタイルが「オアシス」タイルなら、もう一度手番を行えます。「ヘビ」タイルなら、最も後ろにあるタイルのさらに1マス後ろに戻らなければなりません。
最も後ろにあるラクダコマのタイルには「マーカーストーン」を置いておきます。マーカーストーンのあるタイルのラクダコマが移動したら、新たな最後尾のラクダコマがいるタイルへマーカーストーンを移動させます。
このマーカーストーンが乗っているマスにいるラクダコマが、後ろから別のラクダコマに追いつかれるか、あるいは抜かれるかすると、そのラクダコマはゲームから脱落します(!)。そして、脱落させたラクダコマのいるタイルにマーカーストーンが移動します(!!)。なんと、トップからいきなり最後尾になってしまうのです。こうして、最後まで生き残ったプレイヤーの勝利です。
記憶ゲーム的な要素が無きにしもありませんが、基本的にはパーティゲームっぽいノリで、ハラハラドキドキを楽しむのが本筋でしょう。プレイタイムがかなり短いので、何ゲームかやって勝敗を決めた方がいいかもしれません。
http://www.boardgamegeek.com/game/11854
ザ・タワー・オブ・ドルアーガ / ナムコ
懐かしの一品「ドルアーガの塔」ボードゲーム。4人。
どういうわけだか本日最も食いつきの良かったゲームでした。僕自身も20年ぶりくらいに遊びました。元ルールの曖昧な点はアレンジしたり、その場で話し合いによって決めたりしました。
このゲームはタイトルの通り、ビデオゲーム創成期を代表する名作「ドルアーガの塔」をモチーフにしたボードゲームです。目的はもちろん、最上階に閉じこめられたヒロイン・カイを救い出すことにあります。
まず、各プレイヤーのプレイヤーキャラクターである「ギル」の能力値を決めます。能力値には「攻撃」「移動」「体力(HP)」があります。(2D6/2)+6が攻撃力で、16から攻撃力を引いた値が移動力です。体力は「14」で固定です。これらは専用のキャラシートに書き込んで記録します。
ボードを組み合わせてダンジョンを作ります。ダンジョンは1F~6Fまでの6層からなり、ボードを自由に組み合わせて作ることが出来ます(ボードは裏表で異なるデザインになっている)。6Fだけは専用ボードがあります(6Fも両面あって、そのどちらかを使う)。
また、各フロアの4隅のいずれかに「IN」と「OUT」のマーカーを置きます。これは、そのフロアの入口と出口を表しています。さらに、フロアにはプレイヤー数と同じ数の「カギ」を適当にばらまいておきます。
手番では、自分のギルを移動力を使って移動させることが出来ます。基本的に1マスで1移動力消費ですが、水・砂・闇のマスは2マス分と数えます。ナナメ移動も可能。移動が終わったら、そのフロア専用の「モンスターカード」の山札からカードを1枚引いて、そのモンスターと戦闘となります。
モンスターの攻撃力はギルのいる「地形」で決まり、モンスターカードに各地形ごとの攻撃力が書かれています。プレイヤーは2D6にギルの攻撃力を加算し、それがモンスターの攻撃力と同じか上回れば勝利です。
ここで、モンスターカードに書かれた条件に合っていれば、宝である「トレジャーカード」を引きます。宝の出現条件は戦闘での勝利が多いのですが、たまに負けなければならないとか、特定のアイテムを所持していなければならないなど、特殊な条件が課せられていることもあります。
「トレジャーカード」には、ギルが装備する装備(ソード・アーマー・シールド・ガントレット・ヘルメット・ロッドなど)や、ポーション(体力回復/たまに毒薬も…)、アイテム(マトック・ブーツ・ネックレスなど)があります。同じ種類のトレジャーは1つしか持てず、最大でも7つまでしか持てません。トレジャーによって能力値が変化したら、すぐにシートを修正します。
戦闘に負けてしまうと「体力」が-1されます。もし、ギルの体力が0以下になったらゲームから脱落します。
5Fに到着すると「カイ・カード」を引きます。そこには勝利条件が書かれています。カイ・カードに書かれた条件をクリアした上で、6Fでカイが閉じこめられている部屋に入ったプレイヤーの勝利となります。
オリジナルのコンポーネントで使いづらかった「カギ」マーカーは、木製キューブに変えてみました。カードも薄くて使いづらかったのでスリーブに入れたかったのですが、サイズが小さすぎて合うものが見あたらなかったので、しょうがなくそのまま使いました。
ルールも少しいじりました。まず初期体力を「14」ではなく「16」にしました。移動に関しては、壁の端でもナナメ移動を可能とし、その代わりに1マスに1体しか入らない(越えることは可能)としました。それぞれの山札は捨て山を作らずに、捨てる時には山札の下に戻しました。
ゲーム途中で決まったこととして、落とし穴トラップは使い捨てとし、ポーションは飲まない限り山札に戻すようにしました(6Fに登場するイシターは常に山札に戻す)。体力が0になっても、ひとつ下のフロアの「IN」から、初期体力を半分にした上で再登場するようにしました(ただし1回のみ)。
久しぶりのプレイだったこともありますし、ノスタルジックな思い出のひいき目もあるでしょうが、またえらく面白いセッションでした。あまりスマートではない処理や不足しがちなカードなど、そんな細かいことはどうでもいいくらい熱中してゲームの世界に入っていました。
このセッションで僕は、カードによる不運が重なって4Fあたりからずるずると遅れ、他の3人が5Fに達しているにもかかわらず、1人だけ4Fのカギが取れていない状態で取り残されてしまいました。ところが、落とし穴にかかって他のギルが4Fに落ち、さらにそのプレイヤーがレッドネックレスを使って、6Fまで進んでいたギルを4Fまで呼び寄せたあたりからダンゴ状態となりました。
そして5Fで僕が引いたカイ・カードは「6Fのモンスターを2体倒すこと」。比較的優しい条件だったのでにんまりしつつ、5Fで強力なロッドやらシールドやらをゲットしていざ6Fへ。この時点で体力が2点しかなく、はっきり言ってこれは無謀に近かったのですが、5Fにはもはやほとんどトレジャーが残っていなかったので、イチかバチか先に進むしか選択肢が無かったのです。
6Fには戦闘に負けると体力を-2する強敵ドルアーガがいるので、ドキドキしながらモンスターカードを引くと… なんと、そこにはイシター(体力2点回復)が微笑んでいたのです。正直、これはかなり助かりました。さらにハイパーナイトを豊富なアイテムの修正値(ナイトにだけ効くアイテムを所有していた)で倒し、その後にも2枚目のイシターを引くという超幸運にも恵まれました。結局、2体目のハイパーナイトを倒して勝利条件を達成し、一番乗りでカイのいるスペースにたどり着いたのでした。
これでしばらくこのゲームをプレイする機会がないような気がしますが、たまに引っ張り出して遊ぶのもいいかもしれませんね。もし次の機会があるなら、カードを自作するなどして修正したいところではあります。いや、持ち込んで良かったなぁ。
レポートは以上です。
まだ夕方に近い時間で、ゲーム卓へのお誘いも受けたのですが、この翌日にもゲーム会の予定が入っていたので少し早めに帰宅させていただきました。持ち込んだ4つのゲームがすべてプレイ出来ましたし、他の卓で珍しいゲームを見ることも出来ました。本当に楽しい1日でした。また同じ企画が立ったら、ぜひ参加したいです。どうぞよろしくお願いいたします。