27日(土)は、高円寺で開催された「高円寺盤遊会」に行ってきました。高円寺盤遊会の詳細は mixi コミュニティをご覧ください。
[高円寺盤遊会] ※要mixiアカウント
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1982220
※主催者である月斎さんは、高円寺盤遊会をサークル活動ではなく「ゲーム会」であるとアナウンスしています。このエントリを読んで高円寺盤遊会に興味を持った方は、その主旨を十分に理解した上で、上記コミュニティで雰囲気をつかんでから参加されるようお願いいたします。
朝の9時20分ごろに会場入りし、「Age of Steam (蒸気の時代)」の拡張マップ「America」と「Brass (ブラス) / Warfrog」を夕方くらいまで、深く長く堪能しました。
爽やかな初秋の一日。少し空気がひんやりしていて気持ち良い陽気でした。
Age of Steam Expansion - America / Bezier Games
拡張マップ「アメリカ」。5人。
「アメリカ」は、「蒸気の時代」の拡張マップを次々に発表する Bezier Games 製の拡張です。この拡張マップは、特別ルールはそれほど多くありません。しかしながらとても変則的です。それらは「蒸気マニア」を楽しませるツボを的確に押さえ、さらに「蒸気の時代」の秘められたポテンシャルを引き出そうとする制作者の意気込みが強く感じられて、大変に好感が持てますね。
基本ルールとの相違は以下の通り。
1列の Goods Display:
通常、Goods Display の各列には、盤上のシティは3つ、ニューシティには2つの商品キューブを置くマスがあります。「アメリカ」では、この一番上のマスしか使いません。つまり、ひとつのシティには、すでに盤上に置かれているひとつに加えて、あとひとつずつの商品キューブしか Goods Growth(商品追加)フェイズでは出現しません(ニューシティタイルは Display 上の1個のみ)。また Production アクションでは、各列の一番上のマスにしか商品キューブを配置することができません。
※2008/09/28:補足:Puroduction アクションにおける制限については、このマップの所有者がそうインストしていたので、その場はそれにしたがいました。が、後で確認したところ、正式なルールではこの制限は無いようです。
各プレイヤーは最初から「6リンク」のエンジンパワーを保有しています。したがって線路タイルを建設するだけで、最大6リンクの商品輸送が可能です。しかも、この6リンクは維持費(1リンクにつき収益額-$1)を支払う必要がありません。
Move Goods(商品輸送)フェイズにおいて、各プレイヤーは1回しか商品輸送を行えません。ただし、「Locomotive」アクションを選択した場合に限り(+1リンクではなくて)商品輸送を1回追加して(つまり2回の)商品輸送を行えます。
Income Reduction(収益低下)フェイズにおいて、低下する収益は通常の半分になります。例えば、収益が11~20の時の収益低下は(-2ではなく)-1で済みます。
人数に合わせたゲームターン数設定が、通常ルールより1ターン短いです。
とにかく商品キューブの少なさがこのマップの特徴です。エンジンパワーは全員が最初から十分にあるわけですから、商品の争奪戦と、それに伴う路線建設競争あたりに大きくクローズアップされていて、それによって、より濃密なプレイヤー間の駆け引きを強調することがデザインの狙いになっています。そしてそれは成功しているといえるでしょう。
このセッションで僕は、最初のターンからやや多めの株式発行を行って競りで優位に立ち、盤上で早い段階に優位に立つことを目指す方針を立てました。まずはシアトルを起点にして、西海岸沿いに位置する路線建設を行い、競合相手の少ない場所をいち早く獲得できたのはかなりラッキーだったかも。
その後、商品追加のダイス目が良かったターンがあり、その直後にうまくセカンドムーブ(2回目の商品輸送が行える権利/『アメリカ』マップにおける Locomotive)アクションが取れたことで大幅な収益増となり、第3ターンには早くも経営黒字となりました。
順調かな、と思った直後にちょっと異変が。序盤に少しで出遅れていたと思っていた akiszさんが、他プレイヤーに路線を使わせてもらう形での副収入が、積もり積もって予想外の収益を叩き出し、ついには収入トラックで同点になってしまったのです。目算でこちらは路線数でわずかに下回っており、また株式発行数もこちらの方が多かったので、この瞬間だけを見れば、スコア的にはどうも逆転していたような気がします。
ただこの時点でこちらが有利だったのは盤上に残っている商品キューブの数でした。僕は貴重な商品キューブをいくつか独占する形で西海岸沿いのシティに確保していました。一方、akiszさんの路線上にはほとんど有力な商品キューブがなく、あったとしても他社と競合していました。
akiszさんはこの状況を打開するため、3つの株式を発行(この時点で僕の株式発行額を超えた)、その資金力で競りに勝ち、そしてエンジニアアクションを取って一気に西海岸へ進出する準備を進めてきました。これを簡単に許していたら逆転されていたかもしれません。
そこで僕は、この動きに切り返す形で First Build(優先建設)アクションを取り、エンジニアを使っても1手番では西海岸に直接接続できないよう路線建設を行いました。これが決め手となり、この後のラウンドにもいろいろと動きはありましたが、最後はけっこうな差をつけてトップを勝ち取りました。個人的には「蒸気の時代」で3連勝です。
Brass (ブラス) / Warfrog
なんか濃い人たち(ワレス的に)ばかりが同卓に。4人。
そしてこのブログに何度も登場している「ブラス」をプレイ。同卓のメンバーは、このゲームをやり込んだ人が揃った感じ。ものすごくきつかった…
僕は相変わらずのブンケイメソッド(紡績と借金を利用した効率的な資金収集)の方針を採りました。それはそれでうまくいったのですが、このゲームはちょっと面白い流れに。まず技術革新が頻繁に行われてレベル2の産業が多く配置され、そのために運河期から石炭と鉄の需要が高まったのです。うーむ、ブラスっていつの間にそんなゲームに…
個人的に興味深かったのは、「炭坑で収益レベルを上昇させた後に借金」をくり返して現金を貯め込んだプレイを見られたことでしょうか。このために£5硬貨が無くなってしまうくらいでした。炭坑は勝利得点的にはあまり多くありませんが、収益レベルは大きく上昇するので、それを利用した戦略です。運河期の総得点に占める得点比率は微々たるものなので、ここの得点は二の次にして、レベル2以上の産業を配置と資金収集に集中するというわけです。
つまり運河期を鉄道期に向けた長いセットアップにしているというか。そんな感じでしょうか。「借金」は、アクションを消費するので必要最小限度に、と今までは考えていましたが、山と積まれた現金はいくらあっても困るわけではなく、鉄道期に借金でアクションを多く消費するよりは、先に運河期でやってしまおうということでもありますね。いろいろな作戦があるものだなぁ、と感心しきり。
このセッションでは、運河期の終盤から鉄道期のはじめにかけてのプレイ順管理がどうもうまく行かず、自分の目標としていた3つのプレイが次々とすべて先に行われてしまったあたりで集中力が途切れ、終盤は雑なプレイになってしまいました。ということで、得点はかろうじて100点と3桁キープながら最下位に終わりました。が、1位は116点、2位は114点、3位はうろ覚えながら106~108点くらいで、実は僕が思ったより僅差だったのです。
ということは、アクションのコンバインを利用して無理やり造船所を作るとか、そういうことを目指してやっていれば、もうひとつくらい順位を上げられたかもしれません。途中で諦めたらダメってことですか。そのことについての深い自省と、上に書いたことやそれ以外の参考になるプレイを目の前で見られたことを次への糧としましょう。しかしなんて良いゲームなんでしょうか「ブラス」は。
http://www.boardgamegeek.com/game/28720
レポートは以上です。まだ夕方でしたが、主に体力的な問題でこの日は帰宅しました。良いゲームと良いメンバーに恵まれ、最良のゲーム会となりました。またこのような機会があることを切に祈ります。
みなさまお疲れさまでした。