11/3は、SGC有志メンバーによる「Warfrog の会」に参加しました。これは、質実剛健なウォーフログ社のゲームを1日楽しもうという趣旨で開かれた特例会です。
ウォーフログ社のゲームはやや長めのものが多いために、朝10時にゲーム倉庫に集合して開始され、夜9時過ぎまでに3ゲームを遊ぶことが出来ました。
Way out west (ウェイアウト・ウエスト) / Warfrog
まずは5人でゲーム開始。
「ウェイアウト・ウエスト」は、西部劇をテーマにしたゲームです。ゲームボード上には5つの街があり、そこにカウボーイ・建物(銀行・商店・ホテル・刑務所などなど)・ウシを配置するすることでお金を稼ぎます。
今回は、都合もあって最後までプレイ出来なかったのですが、配置・分配ゲームとしてはよく考えられていると思いました。ややルールが不明瞭な点があり、全体的にこなれていない印象もありましたが、実際にはそれほど複雑な状況は発生しません。なにより、西部劇らしい緊張した駆け引きがとても楽しかったです。

お昼をはさんで1人合流し、ここから6人体制に。
「ルネッサンスの王子」は、ルネッサンス期のイタリアを舞台に、覇を争っていた大勢力(ベニス・ミラノ・フィレンツェ・ローマ・ナポリ)に仕える中小勢力の当主を担当します。中小勢力は代々傭兵稼業を営んできた血筋で、大勢力に代わって軍隊を率いて戦います。
このゲームの流動性は、この手の戦略ゲームにしては珍しいほどの激しさです。それがゲーム全体を混沌の渦に巻き込み、プレイヤーは嵐の中を漂う小舟のように翻弄されることになるでしょう。たった1回の行動結果によって状況がらりと変わってしまうことも珍しくはないのです。
プレイヤー間の絡みがまた複雑な力学を生んで、単純に敵か味方かという関係にはまずなりません。まさに暗黒と芸術に彩られた権謀術策のイタリア史をよく表している作品だと言えるでしょう。
僕はこのゲームを何度も遊んでいますが、毎回のように大きく異なる展開となり、そのたびに新しい発見があります。今回は終了まで4時間もかかる大熱戦となりましたが、長さを微塵も感じさせないほどの面白さを満喫しました。

これも6人プレイ。
「革命」は、フランス革命直後の激動期にあるフランスが舞台のゲームです。基本的には選挙ゲームで、「王党派」「穏健派」「急進派」の3派が相まみえて、新しい時代の担い手を目指して政権を狙います。
プレイヤーは、各派閥の勢力を表すブロックを、カードを使って各領土に配置します。最終的に、配置された派閥ブロックの数が多ければその領土の議席を1つ取ることが出来ます。しかし、各領土に配置可能な派閥ブロックには制限がいくつもあり、1つの議席を巡って複数の派閥が同数で争うことがよく起こります。このような場合、カードの出し合いによって決着を付けることになります。
ゲームは全4ターンで、勝利得点をより多く獲得したプレイヤーの勝利です。勝利得点は、選挙に勝った派閥により貢献したプレイヤーなどが獲得出来ます。
しかし、ゲーム途中に一定の条件を満たすと、王党派による反革命が起こったり、あるいは急進派による選挙圧勝が発生し、ゲームは強制終了してしまいます。この強制終了が起こると、それまで貯めていた勝利得点はまったく無価値なものとなり、別の条件で勝利判定が行われます。
ルールにまとまりがない部分がありますが、他に類を見ない魅力にあふれた変則選挙ゲームです。強制終了によるどんでん返しが発生するので、最後まで気が抜けない緊張した展開となります。これも普通の選挙ゲームには見られないダイナミックさですね。
レポートは以上です。
ウォーフログ社のゲームはどれも、普通のドイツゲームに比べるとやや難易度が高くてマニアックな作品ばかりです。しかし、いずれも実際に遊んでみるとプレイ感は思ったより重くはなく、それでいてほど良い歯ごたえのある優れた戦略ゲームがほとんどだったりします。
年1作くらいのペースでしか新作がリリースされないのですが、今後も注目したい会社ですね。