26日(土)は、草加市で行われたゲーム会に行ってまいりました。参加者はおのさん、Bone5さん、かゆかゆさん、そして僕の4人でした。ゲームマーケットの前日ということもあって、主に体力的な問題で参加するかどうか直前まで悩みましたけれども、事前におのさんから送られてきた新作を中心にしたプレイ予定リストの誘惑には勝てず、はるばる(というほど遠くはないですけど)草加まで行くことになりました。

この日は朝から曇り空の安定しないお天気。ゲーム中には一時的に本格的な雨が降ることもありました。ただ帰り道のことよりも、翌日の天気の方が心配だったりして。


RattleSnake (ラトル・スネイク) / Fantasy Flight Games

意外と磁力が強いです。

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ダイスを振って、出目の色のヘビの上に磁石を置いていきます。磁石はくっつかないように億必要がありますが、くっついてしまったら引き取らなければなりません。手元の磁石が無くなったら勝ちです。

磁石の形状が不安定な上に、えらく強力な磁力を持っているので、どうかするとダイスを振っただけで盤上に置いてある磁石が揺れることもあります。シンプルこの上ない子供ゲームではありますが、磁石に翻弄されて不思議と盛り上がりました。
http://www.boardgamegeek.com/game/27940


Neuland (ノイラント) / Eggert-Spiele moon Gamer

やっと「ローズ&ボーズ」と置き換えられそうな予感も。

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さまざまな生産施設から原材料を生産し、それらを元に別の建物を建てて、より価値の高い原材料を生産していきます。そして最終建設物である「資産」を建設し、そこに自分の紋章を置くことが目的です。もちろん紋章配置にも原材料が必要です。2004年に発売された同名ゲームを、よりプレイしやすくリメイクしたものです。

同系統の「ローズ&ボーズ」では、建物から産出される生産物はボード上に配置され、それを輸送ユニットによって別の建物へ移動させることで、新たな生産物を産み出していました。輸送ユニットが効率的に移動するために交通インフラの整備までルール化されており、極めて具象的かつ精密な開拓&再生産システムを持っています。しかし言うまでもなく、それらは手続きの増大をも伴っており、必然的にプレイタイムも長めになっています。

「ノイラント」において、鉱物を除く生産物は「労働者」という汎用的なコマによって表現されています。ある建物において何かが生産された時、そこには労働者コマが置かれます。そして別の建物で生産を行う際に、その生産に必要なコストは、盤上の労働者コマを除去することで支払います。そうして、生産した建物には改めて労働者コマが配置される(=生産物)わけです。

例えば、「狩人小屋」は「食糧」を生産する生産施設です。コストはかからないので、単にその上に労働者コマを配置することで、そこに食糧を生産したことを示します。その近くに「きこり小屋」があったとしましょう。これは「食糧」をコストとして「木材」を生産する生産施設です。なので、狩人小屋にある労働者コマを除去(=コスト支払い)し、「きこり小屋」に労働者コマを新たに配置することで、そこに「材木」が生産されました。

※なお、鉱山から産出される「石炭」「鉄鉱石」「銀鉱石」については、それ専用のコマを用います。

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プレイヤーはこれらのことを「アクションポイント(AP)」を消費することで行えます。基本的に生産を行うこと(=労働者を配置すること)で1APです。建物を建設するにはコストを支払わなければなりませんが、APは消費しません。APの管理は、ボードの周囲にあるトラック上の「時間マーカー」で行います。APの消費量によって手番順が決まったり、その他ちょっと面白いルールがあるのですが割愛。APマネージメントも「ノイラント」の特徴です。

別の建物の生産物をコストとして使用する時、生産を行う建物と離れている場合は、その距離に応じて余分にAPを消費しなければなりません。これは輸送ユニットや交通インフラの整備等を大きく抽象化・簡略化したルールであり、結果としてプレイアビリティの上昇にも寄与しています。拡大再生産型のゲームにしては、実質4ページくらいの分量でコンパクトにルールがまとまっているというのも美点のひとつ。

残念ながら欠点もあります。プレイタイムは慣れても2時間はかかるでしょう(慣れれば慣れるほど逆に長くなる可能性すらあります)。また「ノイラント」に限ったことではありませんがアクションポイント制の常として、待ち時間が多くなりがちです。しかしいくつかの問題を抱えてなお、「ノイラント」には、テーマそのものや競技性などに多くの魅力を備えており、優れた開拓&再生産ゲームであると感じました。

このセッションで僕は序盤から何だか調子よくて、中盤まで配置紋章数はトップかそれに近い位置にいました。が、そのうち他のプレイヤーたちが追いついてきて、終盤はだいぶ混戦模様となり、盤面で細かい駆け引きが繰り返されることに。最後は「次の手番までに誰かが勝たなければ僕が勝ちますよ」という形を作り上げ、1順巡ってくる間に誰も勝ちきれなかったために勝利を収めることが出来ました。

終了まで2時間半ほど。ダウンタイムは気になりましたが、面白かったです。近日中に再戦必須です。
http://www.boardgamegeek.com/game/12681


Metropolys (メトロポリィス) / Ystari Games moon Gamer

イスタリ期待の新作。ルールは軽め。しかし勝つのは難しい…

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手番では手持ちの建物(ビル?)コマ(1~13の番号が付いている)を1個置きます。置くことの出来る建物は、直前の人が建物を置いたマスに隣接していて、なおかつそれよりも大きな番号のコマでなければなりません。置きたくなければパスをして抜けます。こうして、1人を除いて全員がパスしたら、最後に置いたプレイヤーの建物(そのラウンドで最大値の建物)だけを残して、他の建物は持ち主に返します。基本的にはこれを繰り返すだけです。

建物を置いたマスに何らかのタイルが置かれていれば、建物の所有者はそれを獲得します。タイルには得点になるものや、逆にマイナスになるものなどがあります。またゲーム開始時に2枚のカードが各プレイヤーに配布されますが、そこには自分の建物が置かれたマスに応じて加算されるボーナス点が書かれています。ボーナス点はゲーム終了時に計算され、その内容は他プレイヤーには秘密です。

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イスタリの新作ということで、どんなゲームなのやらとインストを受けたら、そのあっさりしたルールに少々拍子抜けしました。しかし実際にプレイしたみたら、とらえどころがえらく難しいゲームであることがわかってびっくり。というか困惑(良い意味で)。初プレイでは、特に序盤はどうしていいのか、さっぱりわからないですね、コレ。

でもそれは他人もきっと同じだろうと、半ば開き直ってサクサクとビルを建てまくるワタクシ。マイナスタイルはイヤですけど、それを恐れていたらボーナス獲得に支障が出る気がしたので、多少の出血は覚悟の上で積極的にビルを置きに行くことにしたのです。途中、多少のミスもありましたが、後半は展開にも恵まれてこのゲームもトップで終了。連勝なんて久しぶりです。

中盤過ぎになって、このデザイナーが楽しませたいツボのようなものが見えてきたあたりから、ようやく面白さがわかってきました。序盤は混沌としていますけれども、終盤はまるで詰め将棋のように変貌します。第一印象は○だったので、とりあえず入手候補にはしておきます。
http://www.boardgamegeek.com/game/25568


Wie verhext! (魔法にかかったみたい) / Alea

トリックテイクのようなバッティングゲームのような。

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場に並んでいるのは得点カードで、それを獲得することが目的のひとつです(得点となるコマの獲得も目的/ようするに点を取ればよい)。各プレイヤーは同じ構成のカードを12枚ずつ持っていて、各ラウンドの開始時にそこから任意のカードを5枚、秘密裏に選びます。これが手札となります。

スタートプレイヤーはまず台札となるカードを手札から1枚場にプレイします。次以降のプレイヤーは、台札と同じカードが手札にあれば、それをプレイしなければなりません(持っていなければパスです)。カードをプレイする時、プレイヤーはそのカードが持つ2つの能力のうち、どちらを使うのか宣言します。

より強力な能力を使うのであれば、それ以前にプレイされたカードの能力が無効となり、自分だけが独占できます。ただし、自分より後に同じカードがプレイされたら、自分の能力が無効にされてしまうかもしれません。一方、少し弱い能力を使うのであれば、それはただちに適用されます。つまり誰にも邪魔はされません。取り分が少なくなる代わりに、確実に利益を得る選択肢です。

能力によって、場のカードを獲得するために必要な「原材料」を得たり、その原材料を「鍋」に放り込んでカードを獲得したり、あるいは全員の持つ資産や原材料の一部をかすめ取ることでカードを得ることなどを行うことが出来ます。

こうして、全員の手札が無くなるまでラウンドを続けます。次のラウンドでは再び12枚のキャラクターカードから5枚を選びなおして手札とし、新しいラウンドを開始します。

変則トリックテイクかと思ったら、シビアなリソースコントロールに伴うプレイヤー間の駆け引き要素も盛り込まれている、意外としっかりしたゲームでした。というか、これアレアブランドなんですね。なるほど。プレイ感はそんなには重くはなかったのですけれども、自分ことだけを考えていては勝てないタイプのゲームでもあります。

ということで、本日初の惨敗でした。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/34084


Change Horses (チェンジホース) / Eggert-Spiele moon Gamer

負けるが勝ちの変則すぎるレースゲーム。

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まず、6頭の出走馬のうち、自分が所有する馬が秘密裏に決めます。ゲームの目的は、自分の馬をなぜか最下位にすることです(このあたりがらしてものすごく違和感があります)。まず自分の山札の中から2~3枚の移動カードを選択して、それを場に同時に公開します。移動カードには2種類の馬の色が描かれていて、基本的には進ませたい馬(つまり自分以外の馬)の移動カードを選択することになります。

ここで手持ちのにんじんカードを使って競りを行います。競りの目的は馬カードをプレイする順番を決めることです。最も高く競り落としたプレイヤーが最後に移動カードをプレイします。各プレイヤーは自分の手番に、公開してある自分の移動カードから1枚を選択してボード上に配置します。全員が1枚ずつプレイしたら、馬を移動させます。

場に出された移動カードで、各馬に対応する色の枚数を数えます(上述したように1枚の移動カードには2種類の馬の色が描かれています)。もし枚数が偶数なのであれば、その馬は移動しません。奇数なのであれば、枚数分だけ前に進ませます。そして、ボード上の移動カードはそのままにして、もう一度同じ処理を繰り返します(2回目)。すなわち、移動カードをプレイする順番の競りを行い、そこで決まった順番にしたがって移動カードをボード上に配置し、馬を移動させます。馬の移動判定と距離は、1回目にプレイしたカードも考慮して行われます。

これで1ラウンドが終了します。何ラウンドかくり返し、いずれかの馬がゴールしたらゲームは終了し、そこで最後尾の馬の所有者が勝利となります。

長々と説明しましたが、実はここまではそんなに悪くありません。問題なのはジョーカーカードと呼ばれる特殊効果カードで、これがレース途中の細かい流れをすべて台無しにするくらい強力さを持っているため、ゲームがとても大味なものになってしまっているのです。途中経過をすっ飛ばし、最後の手番で偶然に勝ってしまうような効果を入れたデザイナーの意図はいったい何だったのでしょうか?

ただこのセッションのおかげで、翌日のゲームマーケットで持ち帰る荷物をひとつ減らすことができました。そういう意味で、ここでプレイした価値はあったと思っています。
http://www.boardgamegeek.com/game/30379


レポートは以上です。体力的にはまだ余裕のある状態ではありましたが、翌日のことも考えてここでお開きとさせていただきました。帰るまぎわに雨も止んでいてホッと一安心。とても楽しい1日でした。このような場に呼んでいただいたことを感謝いたします。またぜひお誘いください。moon Gamer