moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲーム等々)と、その周辺の話題を中心にした個人ブログです。

タグ:18xx

4日(祝)は、つなきさん宅で開かれた「18C2C会」に参加してきました。参加者は、つなきさんの他に atogさん、ヴァイスさん、それに僕の4人です。

moon Gamer「18C2C (Coast to Coast) / Designs In Creative Entertainment(DICE)」は、アメリカ合衆国における鉄道の歴史を、「18xx」のシステムを使って全米規模のスケールで集大成した超破格のゲームです。

数ある「18xx」バリエーション中でも最大規模を誇るビッグゲームで、ボードの大きさは約97cmx約173cm。これはシングルベッドを少し短くしたほどの大きさです。「18C2C」に含まれる公共会社(鉄道会社)はなんと34社。プライベートカンパニーだけでも18社(もちろんほとんどに特殊効果あり)もあります。

ただでさえ長いプレイタイムとなる「18xx」システムで、これだけ大規模なゲームをプレイするわけですから、とても1日では終わるわけはありません。このゲーム会も計画段階から2日かけて行うこととなっていました。このレポートはその1日目の様子です。


18C2C (Coast to Coast) / Designs In Creative Entertainment(DICE) moon Gamer

運行ラウンドだけで3時間近く…

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こんな巨大ゲームであるにもかかわらず、内容があまりにも濃いので驚きました。

アメリカの鉄道は、激しい市場競争を背景にした成功と衰退、そして再生の歴史です。伝説的な鉄道王が登場し、19世紀の終わりには大陸間を横断する鉄道が開通し、新進気鋭に富んだアメリカを大国へと押し上げる原動力のひとつともなりました。「18C2C」は、その栄光のアメリカ鉄道史を、創生期から現代に至るまでの長大なスケールで集大成した野心的な大作です。

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システムは当然「18xx」の流れを汲んでいます。
以下、簡単に「1830」との主な相違点を書いてみましょう。

1.列車の種類

列車は「2」~「6」までがあって、その上に「8」「10」「12」と続きます。フェイズの数え方は列車の種類と同じ(3列車なら3フェイズ)です。廃棄タイミングは、フェイズ4で2列車、フェイズ6で3列車、フェイズ8で4列車、そしてフェイズ12で5列車が廃棄されます(パーマネントは6列車以降)。

2.公共会社の合併とシェル

フェイズ4以降、運営済みの2つの公共会社を合併させることが出来ます。公共会社が合併すると、2つの会社が一度に運営を行うような形になります。合併会社を構成するそれぞれの会社は「シェル」と呼ばれる単位で資産やポイントを管理します。つまり、ひとつの合併会社は2つの「シェル」を持っていると考えます。

列車の保有制限やポイントは「シェル」ごとに管理します。例えば、フェイズ4では合併していない単独の公共会社が保有可能な列車の上限は3両ですが、合併会社は1つのシェル(合併会社の片方の会社)ごとに3両ずつ持てます(合併会社全体では6両)。ただし、資金は合併会社全体で合わせて持ちますし、合併会社が1運営ラウンドで配置可能なトークン数は1個だけです。

3.タイル敷設

運営時に、各鉄道会社は「3ポイント」を持ちます。黄タイルを敷設するのに1ポイント、タイル置換で2ポイントを消費し、これを自由に組み合わせることが可能です。このポイントは、プライベートカンパニーの特殊効果、中西部会社の設立直後のボーナス等で増加することがあります。また、公共会社の合併によって、使用可能なポイントが増加します(合併会社のポイントが単純に合算されるわけではない)。

4.トークン

最初のトークンは$40で、以後$100となります。特殊なトークンとして、会社合併後に発生する「プルトークン」と、目的地まで到達した時に配置可能な「目的地トークン」があります。

5.目的地

それぞれの公共会社には固有の「目的地」があります。そこまで列車を運行することが出来たのであれば、特殊なトークンである目的地トークンを目的地の都市へ無料で配置することが可能です。目的地トークンのある都市は、その会社が使用する場合は2倍の価値がある都市として計算します。

目的地へ列車を運行することが可能となった会社は、それが他社の運営手番中であったとしても、割り込むような形で「記念運行」が実施されます。これは、(いくつかの条件はありますが)通常の運行に追加される収益機会です。

6.株券

個人で購入する際、1社あたりの株券保有数に制限がありません。つまり社長が設立後にいきなり100%の株券を独占することも可能です(1プレイヤーが保有可能な株券枚数の上限はある)。

会社社長プレイヤーは、所有者の同意なしで、規定の資金を支払いさえすれば、強制的に自社株券を購入することが出来ます。強制購入価格はフェイズ2では時価の1.25倍ですが、フェイズが進むごとにより高価となります(フェイズ6だと時価の3倍)。

未購入の株券は銀行で管理されます。運行済みの会社は、プレイヤーから株券を購入して内部株化することが出来ます(ただし1運営ラウンドで1株券のみで上限は1社あたり4枚まで)。また、会社の内部株は再上場することが出来ます。このあたりは「1870」ルールに似ています。

7.国策合併会社

これは「アムトラック」と「コンレール」のことです。最初の6列車購入時にはアムトラック、最初の8列車購入時にはコンレールが登場する可能性あります。この時点で指定された古い列車が廃棄された時点で、列車を持たない会社はすべて国策合併会社へ強制的に吸収合併されます。似たようなルールは「18GL」などにもあります。

この他にも細かいルール(半配当やカナダの特別ルール等)があります。おおざっぱには「1830」や「1870」に準拠したルールが多く存在し、「18xx」のどれかをプレイした経験があればすぐに理解することが出来るでしょう。

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このゲームは、18社もあるプライベートカンパニーの競りからゲームが開始されます(初期株式ラウンド)。競りの方式は「1830」と同様ですが、プライベートカンパニーを2列9段に並べて競りを行います。それが終わるといよいよ株式ラウンドの開始となります。

で、この日は第1株式ラウンドだけで、いきなり11社(!)も設立されました。プレイヤーの初期資金額が多い(4人プレイ時で$1800)のと、初プレイでプライベートカンパニーの相場が安かったこともあって各プレイヤーの資金にだいぶ余裕があり、必然的にこのようなことになったようです(それともこのゲームでは普通のことなのでしょうか…)。

そして最初の運行ラウンドでは、21枚もある2列車が飛ぶように売れまして、この運行ラウンドで早くも売り切れてしまいました。「18C2C」はスケールの大きなゲームではありますが、フェイズの進行速度とラウンドの進行数との割合は、通常サイズの「18xx」とあまり変わらないかもしれないな、とこの時に少し感じました。

僕が最初に設立したのは、「C&O」「Pennsylvania(PRR)」と「1830」でもおなじみの会社に、「Chicago & NorthWestern(C&N)」という、要所であるシカゴから伸びる会社の3社でした。「C&O」「PRR」は本拠地から目的地も近く、重要拠点であるニューヨークまでも近い場所にあります。さらにこの2社は距離的にも近いので、将来の合併に向けた好条件が揃っています。

それらは良かったのですが、「C&N」の方は運営が少しまずかったようで、どういうわけだか僕は本拠地シカゴから北方へ路線を敷設してしまいました。ここは当然中央部のセントルイスを経由してカンサス方面に延びるべきで、そうすると「PRR」の目的地への接続も容易になる上に、自身の目的地であるソルトレイクシティ(遠いけど…)への足場にもなるのです。

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こんなに好材料が揃っているのに何を懸念していたかというと、中央部には未設立会社トークンスペースが数多くあったこと(こちらから先にその地へ線路を敷設すると、その線路を『タダ乗り』で利用する会社を他人が設立する恐れ)、序盤ではミシシッピ川を渡れない(プライベートカンパニーの特別ルール)こと、そしてミシシッピ川流域は線路敷設にコストがかかることなどです。

しかしこれは悲観しずぎで、ここは思い切って先に中央に切り込んでおいて、そこに拠点を先に作っておくべきでした。結局、この後もこの地域では細かい判断ミスが続いて、しばらくはあまり収益が上がらないことになります。

一方、東部方面では「C&O」がいち早く目的地に到達して好調。「PRR」は目的地までのルート取りが以外にも難しかったのですが、無事ニューヨークへの接続を果たしてまずまずの収益。フェイズ4でこの2社を合併させ、これでセントルイス~シカゴ~ニューヨーク間を結ぶ高収益体制の準備が出来ました。

中央部では「Missouri Pacific(MP)」を設立して「C&N」との合併をしましたが… これはちょっと強引というか、あまり美しい手ではなかったですね。それでもこの後に、そこそこは収益を上げはするようにはなるのですが、それはまた次の日ということで…


本日のレポートは以上です。

ゲーム的にはフェイズ5が始まるあたりでこの日は終了となりました。時間は午後10時過ぎだったでしょうか。日が沈んでから僕はかなり疲れてしまい、午後9時台の記憶が一部飛んでいたりします。連日この調子ではさすがにこのタフなゲームをまともにプレイするのはきついので、帰りの電車の中では、翌日の方針と共に体調管理対策なども考えていました。

<つづく>

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21日(土)は、つなきさん宅で開かれた「18GL会」に参加してきました。参加者は、つなきさんの他、atogさん、phyさん、taroさん、そして僕の5人です。

「18GL / Deep Thought Games, LLC」は、アメリカにある五大湖(Great Lakes=GL)の周辺地域における鉄道の歴史をテーマにした「18xx」バリエーションゲームのひとつです。時間軸的には、1820年代のアメリカ鉄道の勃興期から、20世紀に入ってから鉄道事業が衰退した時期を扱っています。

この日は朝から気温が上がり、少し蒸し暑い陽気でした。


18GL / Deep Thought Games, LLC moon Gamer

一部に特異なルールが…

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1960年代に入って、アメリカ北東部における鉄道事業は構造的な悪循環に陥り、よりいっそう深刻な事態にさらされていました。これを何とかして打破するため、経営不振に陥っていた複数の鉄道会社を統合・合併し、新たに統合鉄道公社(Consolidated Rail Corporation/CONRAIL)が創設されます。これは1976年のことです。この「CONRAIL(コンレール)」は、徹底した経営の合理化を行うことによって母体組織の再建が図られました。

「18GL」にもコンレールが特別な会社として登場します。それどころか「18GL」は、コンレールそのものををテーマにしたゲームであるとも言えるほど、大きな存在として扱われています。

ゲームにおけるコンレールは、特定のタイミングで経営不良化した会社を吸収することで設立される可能性があります。ひとたび設立された後は、あたかも鉄道会社であるかのように営業を行います(ただし特別ルールはあります)。コンレールが登場した直後は、広大な範囲に脅威的な影響をもたらすように見えます。しかしこれに大きな刺激を受けた市場は再び活気を取り戻し、やがて(現実がそうであったように)鉄道経営の新しい時代を迎えるきっかけになるのです。このドラマティックなゲーム的演出は、「18GL」の特徴のひとつであると言えるでしょう。

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ただ、このコンレール設立の史実を再現するために、「18GL」では少しばかり強引なルールが導入されています。4種類目の列車である「10H列車(2種類目の『4H列車廃棄)』」か、5種類目の「E列車(3種類目の6H列車廃棄)」が登場した直後に、それによって列車を失った会社は、強制的にコンレールに吸収されてしまいます。「直後」なので、列車を持たない会社にいくら資金があろうとも、その運営手番を待たずに、いきなりこの処理が行われるのです。

また設立後のコンレールは、列車を額面価格以上でしか他の会社に売却することが出来ません。これはコンレールの合理化経営を表現しているものと思われます。もちろんこれはゲーム的にも意味はあるようにはなっていて、デザイナーは史実の再現とゲーム性を苦労して調整しているように見えます。

さて、こんな感じで僕は、「18GL」におけるアメリカ鉄道史の再現性とか、まずはそういう視点からこのゲームを楽しんだのですけれども、もちろん他の方々は当然のようにゲームに勝つことに対して真剣に取り組んでいたわけで… まぁ、初手からマップを読み違えるとか、そういうしょうもないポカもあって、勝敗にはまるで絡めずに6時間ほどを過ごしました。

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もちろんただ眺めていたわけではなく、各会社のルートの伸び方・絡み方や、何よりもコンレールがゲーム後半においてどのようなポジションにあるのかなどを見極めていました。「18GL」は、「18xx」バリエーションの中でも相当に複雑で微妙な形勢判断を求められるプレイ難易度の高いゲームで、たった1回のセッションだけで全容を理解することは正直難しいのですが、少なくとも次は今回のようなことにはならないようにはなったかと思っています。

来るべき2回目のセッションを切望しつつ、今回のレポートはここまでといたします。
http://www.boardgamegeek.com/game/17654


レポートは以上です。このような素晴らしいゲームをプレイする場を与えていただきながら、情けない結果になってしまってまったく申し訳ないです。失礼いたしました。

長時間にわたって大変にお疲れさまでした>参加者各位
またぜひ遊んでやってください。よろしくお願いいたします。moon Gamer

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14日(土)は、つなきさん宅で開かれた「18EU会」にお誘いいただきまして、はりきって参加して来ました。参加者は、つなきさん、ヴァイスさん、atogさん、そして僕の4人です。

「18EU / Deep Thought Games, LLC」は、鉄道ゲーム「18xx」のバリエーション群のひとつで、洗練された独特のシステムが高い評価を得ています。個人的には今回が2回目のプレイとなります。前回のレポートと簡単なレビューはこちらのエントリーをご覧ください。

さて、この日の開始時間は午前11時だったのですが、僕は電車の乗り継ぎに失敗して30分ほど遅れて部屋に到着。すると、部屋では先日つなきさん宅に到着したばかりという超巨大な「18xx」バリエーション「18C2C」のお披露目が行われていました。このゲームについては、それほど遠くない日にプレイレポートお届けすることになるでしょう。

この日は朝から気温がぐんぐんと上昇し、夏日かそれに匹敵するくらいまでの蒸し暑い陽気になりました。街を歩いている人たちにも半袖姿がけっこう目立ちました。スギ花粉はようやくピークを過ぎたようです。あと2週間くらいのガマンかな…


18EU / Deep Thought Games, LLC moon Gamer

このゲーム独特な感覚の習得には4人くらいがいいかと。

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前回のセッションでは、まったく納得のいかない不本意な内容でした。まさか続けてあんな不甲斐ない醜態を再びさらすわけにもいきませんので、今回は事前にルールを熟読した上で、ある程度は方針を考えた上でゲームに臨みました。僕はこのゲーム本体を所有していないため、これらの方針を考える上で、前回プレイ時に撮影した写真や BoardGameGeek の写真を参考にしました。

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とはいっても、大したものでもなんでもなくて、単に「株価の上昇によるキャピタルゲイン重視」を打ち出しただけです。

出来るだけ早い段階において初値$100(開始価格の最高価)で公共会社を設立し、以後、少なくとも半配当を行って株価を引き上げることを目指します。株価の高値維持が出来れば、運営ラウンドにおいてプレイ順も早くなりますし、その意味でも一石二鳥以上の効果があります。

このゲームの株価チャートは、わりと早い段階で安定しやすい形状になっていて、また、半配当でも条件さえ満たせば株価は上昇します。したがって、普通に運営さえ間違えなければ、たいていは株価が運営ラウンドごとに上がり続けます。

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この方針での理想型は、ゲームの最初に$100会社を設立する形です。この会社を安定させてしまえば、ゲームの終わりまで、運営ラウンドで早い手番を手中に入れることが出来るだろう、というのがゲーム開始前における僕の皮算用でした。

もっともこれは、atogさんやつなきさんなど、運営のテクニシャンに対抗するためには、株の方でがんばるしかないんだろうなぁ、という、わりと後ろ向きな考え方が発端になっているあたりが情けないところ。

もちろん、盤上の研究と同様に仕手戦の研究を行うことも、「18xx」攻略には極めて重要であることは確かではあります。


さて、「18EU」はタイルの構成に特色があり、都市を含むタイルにはいくつかのパターンがあります。

・無印の都市(パリ・ベルリン・ウィーンを除く都市)の路線はストレートしかない
・「Y」を含む都市の路線にはカーブしかない(路線方向は逆パターンもある)

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・ストレートタイルは、置換で「20」→「30」→「40」→「60」と収益増加
・「緑」タイルでトークンが2個配置可能
・「灰」タイルでトークンが3個配置可能
 ※緑と茶タイルの線路方向には複数パターンがある

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・「Y」タイルは、置換で「30」→「40」→「50」と収益増加
 ※同色であればストレートタイルより+10多い
・トークンは茶タイルにならないと2個配置可能とはならない
・灰タイルは存在しない
 ※いずれも線路方向には複数パターンがある

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特定のパターンのタイルが枯渇することはあまりないのですが、ストレートとカーブ(Y)タイルの配置については強く意識していなければなりません。特に、アルプスより南の狭い一帯は複雑で、最終形をイメージしつつ計画的にタイルを配置していかないと、すぐに行き詰まったり、非効率なルートになってしまいます。


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さて、このセッションで僕は、マップの中央から東側にかけてのマイナーカンパニー4社(6/7/9/13)保有することとなり、そこから2つの公共会社を設立する流れとなりました。2つ目の会社は予定通りに$100スタートです。

他のプレイヤーも次々と2社体制を確立し、結果としてフェイズ3~4が瞬く間に過ぎ去ってフェイズ5に突入するという、序盤はえらく早い展開だったような。

ゲームは進み、やがてベルリンから北部のハンブルグを経由してロンドンを目指すルートを確立することには成功しましたが、西側の路線が今ひとつ非効率なタイル配置になってしまい、見た目ほど収益額が上がらずに足踏み状態に。そのうち atogさんが高収益ルートを確立して、頭一つ抜け出すことになります。

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自分の2社は、いずれも株価は順調に上昇していたので、後半の運営ラウンドで最初と2番目の順番を得ることが出来たまでは良かったのですけれども、そのメリットをうまく生かせられなかったのはまずかったですね。今後の反省点として記憶に留めておくことにしましょう。

結局、保有株券の精算総額ではトップだったのですが、保有現金額で atogさんに大きく差がついて総合2位という結果に終わりました。前回に比べればずいぶんとマシな結果にはなったのは良かったと思っています。このセッションは、トークンの置き合いになって各社の収益額が抑え気味になったことで、結果的に株券の相対的資産価値が上昇した、ということなのでしょう。

まだまだ底知れぬ可能性を秘めたゲームとして、「18EU」は、自分の周囲で今後も長くプレイされていくことになると思います。僕としても、そろそろゲーム本体の入手も考えたいところです。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/5684


Yspahan (イスファハン) / Ystari Games moon Gamer

メインディッシュの後はさっぱりとデザートを。

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インスト入れても1時間で終わる戦略ゲーム。運の比重をどう考えるかは好みによりますが、短時間で「ゲームを」やったという充実感が得られる貴重なアイテムではないかと。

このセッションはヴァイスさんが絶好調。ラクダもお金も回りまくり、マップでもキャラバンでも大暴れで順調に点数を伸ばしていきました。当然のごとく結果も大差でヴァイスさんトップで終了しました。大変にお見事でした。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/22345


レポートは以上です。

このところ「18xx」のゲーム会が続いていますが、この後しばらくはこの流れが続きそうな勢いです。ただ、そのおかげで新作をプレイする機会が失われていまして、そちらはそちらで何とかしたいなぁ…。

ということで、大変にお疲れさまでした。 またぜひお誘いくださいませ。moon Gamer

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21日(祝)は、池袋にて開催された袋小路「重たいゲームの特別例会」に参加してきました。半年に一度ほどのペースで開かれているこの「重ゲー会」は人気が高く、毎回けっこうな人数が集まります。今回も35名もの参加者があったそうです。この日、僕は朝9時から入ったのですが、すぐさま5卓が埋まってしまいました。事前に mixi コミュ等である程度の下準備されていたとはいえ、これだけの人数が朝早くから一気集まったのですから大したものです。

個人的なメインは何といっても「18EU / Deep Thought Games, LLC」です。良作の多い「18xx」バリエーションゲームの中でも最高峰に位置すると抜群に評価が与えられている作品です。「18EU」については事前に断片的な情報は得てはいましたが、僕が実際にプレイするのはこれが初めてで、この卓が立つことが決まってからというもの、何日も前からずっと楽しみにしてきました。

この日は朝方にやや冷え込みまして、場内のエアコンがちょっとばかりパワー不足だったこともあって、午前中は室内でも寒かったです。気温があまり上がらなかったこともあってスギ花粉はそれほど飛んでいなかったようですけれども、ここの会場は室内のハウスダストがきついため、アレルギー対策はいつものようにしっかりとケアしておりました。


18EU / Deep Thought Games, LLC moon Gamer

「18xx」系統におけるひとつの頂点。6人。

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マップの中央にはドイツ全土があって、その周囲の国(イタリア北部、フランス中央部等々)の都市が配置されています。メカニクスで最も大きな特徴は、プライベートカンパニーが存在せず、15社もあるマイナーカンパニーをパブリックカンパニーへと成長させていく過程を描いているという点に尽きます。

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いつものように「1830」との違いから。

1.マイナーカンパニー

「18EU」にはプライベートカンパニーが存在せず、その代わりにマイナーカンパニーがあります。マイナーカンパニーはマップ上に15箇所も点在しており、ゲーム開始時に競りによって所有者を決定します。マイナーカンパニーには、いわゆる特別ルールは存在せず、設立場所しか違いません。マイナーカンパニーには株券は存在しません。列車を保有可能で、運行による収益は必ず半配当となります。黄色のタイルのみを設置し、タイルの置換は行えません。

2.転換

マイナーカンパニーは、パブリックカンパニーへと転換することが出来ます。転換するマイナーカンパニーと路線が接続している別のマイナーカンパニーは、転換されるパブリックカンパニーの株券に変えることも可能です(吸収合併)。

3.株券

パブリックカンパニーの株券は会社が保有します。会社にある株券がプレイヤーに売却される時、対価は会社の資産に入ります。Bank Pool にある株券は会社が買い戻すことが可能です。いずれにせよ、株券はすべて市場価格で取引されます。

4.トークン

パブリックカンパニーは本拠地に1つと、その他追加して4つのトークンを持ちます。これらはまとめて£100で、設立時に前払いします。したがって運営時にトークンを配置する際にはコストがかかりません

5.ルート

ルート上に含むことが出来る大都市や盤外地域は列車の数字までですが、都市や港はカウントしません。ただし収益の計算にはすべて入れることが出来ます。

6.P列車

「Pullman Car(P列車)」という特殊な列車を購入することが可能です。P列車も会社の列車保有制限にカウントされます。P列車を持つ会社が運行する場合、任意の都市の収益額を2倍して計算します。ただしP列車も会社の列車保有数にカウントされます。またP列車は、プレイヤーが任意に廃棄することも可能です。

7.配当と株価

配当、内部留保の他に「半配当」があります。配当額が現在の株価以上の場合に限って株価が上昇します。株価チャートにはカラーゾーンもクローズエリアもありません。配当は会社の保有する株券に対しても行われ、それは会社の資産となります。

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マップ上に点在するマイナーカンパニーをどのように獲得するかがまず最初の難関です。もっともこれは競りなので、理想型を目指すように取っていくのは至難でしょうから、最終的にどのような形になってもある程度は柔軟に対応することが出来るように対策を考えておいた方が、作戦としては現実的でしょう。ただこれは1度は通してプレイしておかないとなかなかわかりにくいことではありますし、実際わかりにくかったです。

それとタイルにちょっとした特徴があったのが個人的には混乱しました。大都市を含むタイルはまっすぐに路線が突き抜ける形しかありません。しかし「Y」と書かれた大都市ヘクスに配置する「Y専用タイル」には60°か30°に路線が曲がった形しかありません。これを最初にしっかり把握しておかないと、つながりそうでつながらなくなることがあります。

で、このセッションではこれに見事にハマってしまいました。しかもマイナーカンパニーがタイル置換を行えないルールを勘違いしていた(インストで聞き逃した)ために、もう序盤で完全に死に形。あれだけ楽しみにしていたセッションだったのに…。実に情けない。

中盤を過ぎて、特に北側の路線が完成し始めたあたりから、やっとマップのつながりが理解することが出来るようになりましたけれども、それじゃ遅いわけです。終盤近くになって、少しましなルートの開発にとりかかろうかとも思いましたが、それも結局他社にふさがれてゲーム的には完全にジ・エンド。

スキル不足もいいところで他の方々には申し訳ない限り。今でも落ち込んでいて夢にまで出ます。このレポートも泣きながら書きました。どうしてこんなに飲み込みが悪いのだろう。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/5684


Viking Fury / Ragnar Brothers moon Gamer

2年ぶりの再プレイ。3人。

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前回プレイのプレイレポートはこちらのエントリーからどうぞ。「カナルマニア」で威勢の良い Ragnar Brothers の 2004年に発売された快作です。Ragnar Brothers お得意の布製マップが特徴で、発売当時は500個限定で生産されました。しかし好評だったようで、その後に追加生産された模様です。

さて今回は、前回の経験を踏まえて、「Runeカードはすべて日本語化する」「プレイ人数を減らす」ことでルールの明確化とテンポアップをはかりました。さらに、ルールに一部にアレンジを加えて制限を緩やかにすることで、ゲーム性はほとんど損なわない形でさらなるスピードアップを行ってみました。結果的にこれらの工夫はうまく行ったと思います。

僕がスタートプレイヤーになったので、宝物のある港を巡回するようにして「交易」→「略奪」を繰り返す方針を採りました。他のプレイヤーは「交易」→「移住」とわりとまともな方針だったのとは対照的。でも略奪の方がヴァイキングらしいでしょう?

moon Gamer moon Gamer

港で交易を行うと、その後に行う略奪や移住の難易度が少し下がりますので、何にせよこれが優先して行われることになります。また、交易にはダイス判定が必要ないのもメリットで、序盤の主要な得点源です。しかし Goods マーカーの数は有限で、中盤過ぎには無くなってしまいますので、いつまでもこれに頼っているわけにはいきません(カードによって Goods マーカーがストックに戻ることもあります)。

略奪や移住は大きな得点源となる「可能性」があります。しかし、その成否判定はダイスによって行われます。略奪と移住は判定方法が異なりますが、いずれも結果は成功か失敗かの2択です。つまり、成功すれば獲れますし、失敗すれば失います。この簡素なギャンブル性は「Viking Fury」のテーマに良くマッチしていてゲームを盛り上げてくれます。

忘れてならないのが「Sageカード」。ここに書かれている条件を達成すると、そのカードがもらえます。場には3枚公開されていて、そのうちどれを達成しても構いません。もちろん早い者勝ちです(というか、このゲームはほとんどの得点要素が早い者勝ちです)。「Sageカード」には、ノルウェー・スウェーデン・デンマークのいずれかの国の名前が書かれており、国ごとに多くのカードを獲得していると大きなボーナス点が入ります。他人がどこの国の Saga カードを集めているかをチェックしておきましょう。

moon Gamer moon Gamer

運の要素を薄めても高めてもいるのが「Runeカード」で、これは特殊効果を持つカードです。有効な効果が多いのですが、手札としては最大で最3枚までしか持つことは出来ません。しかも補充する場所も機会も限られています。引いた Rune カードによって、方針が変わることもしばしばあります。

「Runeカード」を使ったり、あるいは捨てたりすることで風向きを変えることが出来ます。これもわりと重要なテクニック。このセッションでも煩雑に風向きが変わりました。海には東西南北があり、風向きが悪いとアクションを安全に行う回数が減ります。他人と同じ方角の海に行くと風向きによる妨害がしずらいので、反対側に行くようにするといいです。

ゲームは終盤になって得点的にもつれにもつれ、誰が勝っているのかよくわからない状態に。結局、最終的なボーナス計算で、Sagaカードを大量に集めたプレイヤーが勝利を収めました。僕は2位でしたけれども、トップとは10点差くらいの僅差。3位プレイヤーもそこそこ点を得ており、とても良いバランスに収まった好ゲームでした。プレイタイムは90分ほど。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/12495


レポートは以上です。

「18EU」はダメダメでしたが、「Viking Fury」で気分的に少し持ち直しました。「Viking Fury」は同卓メンバーにも好評でしたし、僕も面白かったので、またしばらくしたらぜひ再プレイしたいです。これが終わった時点で、別の卓では2回目の「18EU」が中盤を迎えていました。その盤上の様子を見て、なるほどそうやればいいのかと参考にしてみたり。面白そうなゲームなので、もうちょっと腕を上げたいものです。

本日は朝早くから本当にお疲れさまでした>参加者一同様
またぜひ次の機会にはよろしくお願いいたします。moon Gamer

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11日(土)は、地元は千歳烏山のゲーム倉庫にて四半世紀会を開きました。今回の参加者は僕を入れて4人。そしてお題は前回に引き続いて「1870 / Mayfair Games」です。メイフェアが1994年に発売した「18xx」メカニクスバリエーションのひとつで、現在でも高い評価を得ているゲームです。前回、このゲームをプレイした時は3人で、ルールの正しい運用も何だか少し怪しい状態でしたが、今回はそれらを補正した環境でプレイを行うことが出来ました。

少し暖かった日。こういう日はスギ花粉もバンバン飛びますので、少し神経質なくらいケアして外に出ました。こういう日は当日よりもむしろ翌日の体調に影響が出やすかったりします。このところゲーム会が続いて外に出る機会が多くなっていますし、今月はまだ予定があるので、慎重に慎重を重ねたいところ。


1870 / Mayfair Games moon Gamer

そういやマップの南北両端ばっか使っていたような…

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前回のレポートとレビューはこちらのエントリーをどうぞ。簡単にいうと、「1830」をベースにして、さらに株に関するルールを増補したような作りになっています。「18xx」バリエーションゲームをやる時にはよく「1830と差分のルールについて説明します」という言い方をしてインストをすることがよくありますが、「1870」については「差分」というより「増分」についての説明が必要になります。

実際「1870」は大作です。マップは広く会社の数も列車の種類も多いし、ルールの「増分」もかなりの分量にのぼります。プレイヤーの選択肢も増えているので、プレイ時間も長めです。ということで、今回もショートゲームバリアント(株価が$400に達した会社の運営ラウンドが終了したらただちにゲーム終了)を採用しました。

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このゲームにおいて、最終的に最大の収益をたたき出す大都市は、Kansas City と St.Louis です。どちらも茶色タイルを置き換えて灰色のタイルを配置することが可能で、そうなると収益 $60(額面上では盤上最大)となります。この2つの都市がどこにあるかというと、いずれも北方(盤の上方)にあります。St.Louis は、プライベートカンパニー「Mississippi River Bridge Company」の特別ルールによってミシシッピ川を渡れるようになるまでは大きな影響を持ちませんが、Kansas City は序盤から要所として機能します。

Kansas City の南に位置する Springfield にはゲーム最初の公共会社である「St.Louis-Sanfrancisco Railway(以下 FRISCO)」が登場しますし、Kansas City 上にも Mississippi-Kansas-Texas Railroad(以下 KATY)」がまず間違いなく設立されるためです(このセッションでもそうなりました)。Kansas City は最初から最後まで大都会として激戦地となるので、このあたりにタイルとトークンがひしめき合うのは必然とも言えます。

今回僕は、プライベートカンパニーの競りで FRISCO の社長株を落札し、この会社の経営を行いました。FRISO は社長株が購入された時点ですぐに運営を始める特殊な公共会社で、「1870」の序盤で最も目立つ会社です。僕は株価を $68(初期株価の最安値)に設定し、まずはのんびりこの会社で儲けようと考えていたら、まだ FRISCO が列車を持たない状態の株式ラウンドで、早くも他プレイヤーが株券を2枚3枚と購入してきました。

しょうがないので社長の座を譲り渡さないように防衛買いを行い、結局 60% の株券を購入することになったのですけれども、後から考えるとこれは判断ミスだったような気がします。ここでは FRISCO の株券をあえて放出して FRISCO を明け渡し、Kansas City の隣に設立される Atchison, Topeka & Santa Fe Railway(SataFe)にでも乗り換えた方が良かったでしょう。そうすることで FRISKO にも KATY にも圧力も強められますし、地理的には SataFe の方が有利だからです。

しかし結局、その決断をしなかったばかりに、FRISCO が配当を出した次の株式ラウンドで早くも FRISCO の株券が市場へと放出されてしまい、その時点で株価防衛をするだけの資金も無かったために株価は一気に暴落することとなりました。

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この市場の FRISCO 株はこの後に会社へと償却され、しばらくは少しだけ利益をもたらすことになりました。そして FRISCO は順調に拡大を続けましたが、ここでちょっと油断して他社の株価に気を配らなかったのが敗北の遠因となりました。

FRISCO 社は、路線ルートが似ている KATY 社とほとんど収益額が変わらないにもかかわらず、仕手戦の対象にならなかった KATY の株価は高額のまま維持され続けていたのです。これに気がついた時は後の祭りで、手元の KATY 株を売却しても株価防衛で拾われてしまうという始末。

この後、何とか2社目を設立し、その会社で全線開通(トークン+1/目的地の収益2倍)を達成するなど追い上げましたが、結局はまるで間に合わず、順位も最下位に沈みました。序盤、FRISCO 社の経営にこだわった判断ミスのツケが最後まで響いたゲームでした。この結果は結果として受け止めるとして、敗因を明確に理解することが出来ましたし、マップのクセや「1870」独自の手筋がやっと見えてきたので、それを本日の収穫としましょうか。

改めて思ったのは「1870」のスケールの大きさです。マップが物理的に大きく広いのです。恐らく5人か6人でプレイしてちょうどいいくらいじゃないでしょうか。いつか最大人数でプレイしたいものです。それまでに、ちょっとは歯ごたえのある相手になるように腕を磨いておかなければ…moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/424


レポートは以上です。

ゲームの後は「1870」の感想戦と、次回はぜひ「1856」をやろうという話で盛り上がりました。ただ、この場ではバリエーションを楽しむのはそのくらいにしようという話も出ました。このグループでは、同じゲームを何度も遊んで極めるというスタイルでゲームが遊ばれることが多かったし、これからもそうでしょう。僕としてもそれは納得です。またぜひよろしくお願いいたします>参加者各位 moon Gamer

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9日(金)は、つなきさん宅にて開かれた「1861会」に参加してきました。平日にもかかわらずこのゲーム会に集まったのは、つなきさんの他に PHYさん、atogさん、それに僕の4人でした。

本日のメインとなった「1861: The Railroads of the Russian Empire / JKLM Games」は、「18xx」メカニクスを用いたバリエーションゲームのひとつで、モスクワを中心としたロシア(ロシア革命前のロシア)が舞台となっています。全体的に鉄道会社の「運営」部分に重きを置いたアレンジがなされており、広大なロシアの大地を背景にしたスケールの大きな構成になっています。発売は 2006年と最近ですが、少数限定販売のために入手はすでに難しくなりつつあるようです。

この日は気温がやや低めではありましたが、スギ花粉のシーズンまっただ中で飛散量も多めでした。体調管理がすこぶる難しい季節で、何とか無事に乗り切りたいものです。


1861: The Railroads of the Russian Empire / JKLM Games moon Gamermoon Gamer

プライベート・マイナー・パブリックと会社が3タイプがあります。

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マイナーカンパニーが成長して公共会社へとアップグレードしたり、マイナーカンパニー同士が合併を行ったりします。「1861」のルールを「1830」と比較すると以下のような違いがあります。

1.マイナーカンパニー

プライベートカンパニーとパブリックカンパニー(公共会社)の間に、「マイナーカンパニー」という特別な会社が存在するのが「1861」の大きな特徴です。マイナーカンパニーは、公共会社と同様に列車を保有し、運営(線路の敷設も含む)も行います。株価もあります(株券は無く、マイナーカンパニーの価値そのものを表します)。
マイナーカンパニーは小規模な運営を実際に行うことで収益を上げます。しかし、公共会社ほどには大規模な拡張は望めない(トークン数は本拠地+1個/株価の上限が低い等)上に、ゲーム終盤には国有化されてしまいます。したがって、より多くの利益を望むのであれば、「昇格」や「合併」によって公共会社に拡大してく必要があります。

2.ゲーム進行

株式ラウンドの後に1回目の運営ラウンドがあり、その後に「合併ラウンド(Merge Round)」が存在します。合併ラウンドでは、マイナーカンパニーが公共会社(パブリックカンパニー)に昇格したり、あるいは複数のマイナーカンパニーを「合併」してパブリックカンパニーを設立したりします。 合併ラウンドの後には2回目の運営ラウンドと合併ラウンドがあります。つまり「株式」→「運営」→「合併」→「運営」→「合併」が基本的なゲームの進行単位となります。

3.株券購入

公共会社が設立され、プレイヤーによって購入されなかった株券は会社が保有します。未購入株券は会社所有であり、その株券を購入する際には対価を会社に対して支払います。

4.株券売却による株価変動

パブリックカンパニーの株を、社長プレイヤー以外が売却しても株価は変わりません。社長が株を売却すると株価は1段下がりますが、何株売っても下がるのは1段だけです。

5.配当と株価変動

公共会社は部分配当(半配当)を行うことが可能です。内部留保か収益ゼロで株価が左へひとつ下がります。株価が上昇するためには、1株あたりの配当額が、現在の株価と同額以上でなければなりません(そうでなければ配当でも株価は上がりません)。
なお、マイナーカンパニーは必ず部分配当となり、ゼロ配当でない限り、株価は自動的に右へひとつ上がります。

6.融資

マイナーカンパニーや公共会社は銀行から融資を受けられます。完済するまで、運営ラウンドごとに利子を支払わなければなりません。

7.国有鉄道(ロシア帝国鉄道)

ゲームの中盤に入ると「ロシア帝国鉄道」が自動的に運営を行います。ロシア帝国鉄道はルールにしたがって列車を購入して運営を行い、実際に収益も上げます(ただし収益はすべて内部留保)。ロシア帝国鉄道が列車を購入することで、フェイズが進行することもあります。また、特定の条件下において、マイナーカンパニーやプライベートカンパニーを国有化して接収することがあります。

他にも、競りの方法や株価の売り切れ上がりルール等々、異なる点は多岐にわたります。一般的な「18xx」メカニクスの骨組みだけを流用して、数々のアイデアが意欲的に盛り込まれているような印象を受けました。株価は暴落することがないので安定しやすく、どちらかと言えば運営を中心した会社経営を行って競うような環境にチューニングされているようです。つまり、鉄道会社の運営面にフォーカスした「18xx」バリアントであると言えます。

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その象徴が「マイナーカンパニー」の存在でしょう。小規模な会社を創業させ、より大規模な経営体制をコツコツと作り上げていく過程は素直に面白いと思いました。しかしマイナーカンパニーを公共会社へ変換するタイミングは、このゲームの序盤において最大の山場であり、ひょっとするとゲームを通して最大の難所であるかもしれません。

マイナーカンパニーを公共会社へ変換するには、単独で公共会社に「昇格」するか、あるいは複数の会社による「合併」するかです。特に複雑な判断となって悩ましいのが「合併」です。自社だけではなく、他人のマイナーカンパニーとも行うことも出来ますし、3社以上の会社が合併しても構いません。

「合併」にはこのようにいくつもの選択肢があり、プレイヤーはそれぞれのパターンについて合理的な評価を下す必要があります。合併直後の結果をなんとか計算することは出来たとしても、それがどのような将来につながるかを正確に予見することは、プレイ経験を積みでもしない限りは困難でしょう。

もっとも、そうやって設立された公共会社の経営判断はそれほど難しいものではありません。というのも、他社の株価を直接下げる行為が行えないので株価対策の必要はなく、したがって盤上での展開がゲームの流れを決めるためです(見た目にわかりやすい)。

公共会社を設立に関して多くのパラメータと手続きが存在し、その過程が「1830」より複雑になっています。そして当然ながら、この意志決定の優劣によってゲームの勝敗が決まることになるでしょう。

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このセッションにおいて、その卓越した抜群のセンスを見せたのが PHYさんでした。大都市モスクワを中核にした公共会社を2社立ち上げ、それらをうまく切り盛りして経営することで、高収益体勢を作り上げました。この見事な必勝型の元をただせば、序盤で要となるマイナーカンパニーを高額で競り落としたことが発端となっていて、PHYさんの優れた戦略眼と先見の明にただ舌を巻くばかり。

結局、ゲームの後半は PHYさんのウイニングランを見学していたようなもので、結果も当然のように彼の圧勝でした。僕はといえば、途中からせめて最下位にならないようにがんばるのが精一杯の3位に終わりました。しかし、優れたプレイヤーのプレイングテクニックを間近で見ることが出来たのは僥倖で、良い勉強になったと思っております。ということで、何としてでも再戦希望。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/23817


Portobello Marke (ポルトベローマーケット) / Schmidt Spiele

余った時間を利用して短いゲームをプレイ。

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もちろん「ポルトベローマーケット」は良いゲームです。ですが、さすがに濃いゲームの後では薄く感じてしまったかもしれません。思っていたよりドライでガチなゲームで、それはうっかり人を選びそうなくらいのクセの強さを持っていたということは僕としては驚きではあったのですが、短時間で密度の濃い思考を巡らす楽しさが味わえるゲームはそうはありませんし、これからしばらくくり返しプレイしていきたいと思っております。

このセッションでは、中盤あたりにつなきさんの好手が炸裂し、その一手でゲームが決まってしまいました。厳しいゲームだなぁ。次は、さらにガチになるバリアントを試してみようかと。
2007/03/13 「ルールが間違っているのでは?」という指摘がミニ掲示板上でありまして、確認したところ確かに一部違っていました。大変に失礼しました。次は正しいルールでプレイしたいと思います。 http://www.boardgamegeek.com/game/27356


Auf falscher Fährte (乗り間違い) / Berliner Spielkarten moon Gamer

勝利条件が徐々に明らかになるトリックテイク。

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ありそうで無かった独自なアイデアの変則トリックテイキングゲーム。

カードの数字は「0」~「12」で、4つのスート(色)があります。カードはすべてを全員に配りきります。カードが配布された時点で、各プレイヤーは手札から1枚を選んで場に伏せて置きます。4人ゲームなら4枚のカードが裏返しに置かれることになります。

これでゲームスタート。ルールはノーマルなトリックテイクです。マストフォローで、切り札があります。切り札の色はランダムに決まります。ただし、トリックを取った方がいいかどうかは、ゲーム開始時にはわかりません。

第2トリックが終わったところで場のカードが1枚表にされます。以後、トリックが終わるごとに1枚ずつ場のカードが表にされます。すべての場のカードが表になったら数値を合計し、もし23以下ならこのゲームはトリックをより多く取ったプレイヤーの勝ちとなり、24以上なら取ったトリックの少ないプレイヤーの勝利(ミゼール)となります。

ゲームが終わったら順位によって得点が入り、何ゲームかやって得点が多い人の勝ちです。

これは軽くて、しかもちょっと変で良いトリックテイキングゲームです。ゲームはボロ負けでしたけれども。しばらくトリックテイクをやっていなかったので、その影響もあるかもしれませんが、この場は大変に楽しくプレイさせていただきました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/1317


レポートは以上です。

長い時間にわたって満ち足りた時間を過ごすことが出来ました。仕事を都合を調整してまでして参加して本当に良かったと思います。「18xx」は、まだ昔の感覚が思い出せずに苦労しているのですが、この日だけでだいぶ取り戻せたような気がしています。またぜひお誘いください。よろしくお願いいたします。moon Gamer

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25日(日)は、地元は千歳烏山のゲーム倉庫にて、古くからのゲーム仲間を呼んでの「四半世紀会」を開きました。参加者は僕を入れて3人です。「久しぶりー」とか言われたので、はてそうだっけ? と後で過去ログを調べてみたら、昨年の7月以来でしたか。確かに久しぶりだわ。

本日のメインゲームは「1870 / Mayfair Games」でした。今日、「18xx」メカニクスを用いたゲームには膨大なバリエーションが存在するようになりましたが、この「1870」は90年代前半に発売されたもので、このジャンルのゲームとしては先駆的な作品です。同時期に発売された「1856」とともに、現在でも日本語訳付で国内のショップで扱われています(90年には『1835』も同社から発売されていました)。

「1870」をやろうという話は実はかなり前からありまして、今回やっと実現しました。人数は3人ですけれども、プレイした全員が久しぶりに「18xx」系のゲームに触れるということもあって、リハビリにはちょうどいいんじゃない? ってことで、のんびりと始まりました。ちなみに今日のメンツ全員が「1830」プレイ歴15年以上ということもあって、インストはそれとの差分説明で済みました。

前日から急に冬らしい寒さとなって、暖冬気味の陽気にすっかり慣れてしまったので体調管理が大変です。ゲーム倉庫には備え付けのエアコンがありますが、これだけでは広い室内すべてを暖めるにはちょっとパワー不足だったため、先日追加してハロゲンヒーターが設置されました。そしてこの日はこれが1日中つけっぱなしでした。


1870 / Mayfair Games moon Gamer

仕手系「18xx」。3人。

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「1870」は、アメリカ合衆国の中央部を舞台にしています。ミシシッピ川が南北を突き抜けて、東西はテキサス~イリノイ・アラバマ州あたりまでを含みます。一見して、面積的にもヘクス数的にもずいぶんと広いマップです。

「1830」との違いについて説明しましょう。まず「1870」には鉄道会社が10社も登場します。列車の種類も多く「2」~「6」の上に「8」「10」「12」とあり、「D」がありません。数値の低い列車がスクラップになるタイミングも「1870」とは微妙に異なります(一律2世代前ではない)。

運営ラウンドでは、黄色のタイルを2枚配置するか、あるいは1枚の置き換えが可能です。また、各鉄道会社には「開始都市」とは別に「目的地」が決まっています。「目的地」の都市まで線路を敷設することが出来ると、その鉄道会社だけ「目的地」都市の価値を2倍にします。

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株式ラウンドには大胆にいくつかのルールが加えられています。

株価防衛 -Share Price Protection-

株が売却されると株価は下がりますが、社長は株が売却された直後に、その株券をすべて買い取ることで株価の下落を防ぐことが出来ます。購入資金は社長プレイヤーの私費によって賄われます。また、これによって会社の株の60%を超えて保有することになっても構いません。

株の償却 -Share Redemption-

市場やプレイヤーの持つ株券を会社自身が買い戻すことが可能です。つまり会社に株券を売ることが出来ます。1株式ラウンドに1株券のみで、総計4株券の償却が可能です。会社が保有する株券には、配当による分配金が支払われます。

株の再公開 -Share Reissue-

償却され、会社が保有する株券は(条件さえ整えば)再び公開することが出来ます。この場合、株価よりもやや安い価格で銀行に再公開されます。再公開することで、会社は再び運営資金を得ることが出来ます。

半配当 -Half Dividends-

会社が上げた収益は「配当」「留保(無配)」の他に、「部分配当(半配当)」というオプションがあります。これは、収益の半分を株主へ、半分を会社の資金へ回すということです。半配当を行った場合、株価は変動しません。

公開市場にある株券

公開市場(Open Market/『1830』でいうところの BANK POOL)にある株券には配当による分配金は支払われません。会社に分配金が支払われるのは、会社が償却によって株券を保有している時のみです。

ストップ安と倒産

株価表には、1本の赤い境界線が引かれています。この境界線を越えて株価が下がるには、株券が2枚以上売却された時のみです(ストップ安)。1枚だけ株券が売却された時には、大きく下がらないようになっています。また、株価が下がりすぎた会社は Close(倒産)し、ゲームから取り除かれます。倒産した会社は復帰しません。

細かい点ではもう少しありますが、「1830」に比較すると、おおむねこのように環境が追加変更されています。株式ラウンドにおいて株式の運用方法に幅が広がって会社経営の選択肢が増加しており、経営ゲームとしてグレードが高められています。追加されたルールは、ゲーム性を高めるという意味でどれも理にかなっていて、優れた改良が施された「18xx」の秀作のひとつではないでしょうか。

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マップが広くて会社の数も多いためか、ボックスに書かれたプレイ時間(4時間)ではとても収まらず、その倍以上はかかるようです。もともと長時間ゲームの多い「18xx」系ラインナップの中でもひときわ目立つ存在ですが、いちおうルールにはショートゲームバリアントもあります。それでも最後までプレイするには1日がかりになるかもしれません。

このセッションでは3人で行われ、初プレイということもあってルールを確認しつつの進行となりました。そして、会社の特徴やマップの特性など、眺めただけではわからないことが次々と顕著になるにつれ、「1870」が相当な手応えのある面白いゲームであることがわかってきて、全員が「1870」の醸し出す濃厚な世界にハマり込むことになります。

またその一方で、的確にプレイするには事前にしっかりと研究しておく必要があることも痛感しました。戦略の幅が広さや懐の深さはあまりにも絶大で、そういうグレードの高いゲームを3人でお試しプレイをするにはもったいないような気がしたのです。ということで、4時間ほど遊んでまだやっと中盤に入り口に差し掛かったあたりで、協議の末に途中終了となりました。

今回のセッションでは、株の償却と再公開のあたりが十分に試せなかったのですが、これをうまく回すことで効率的な経営が行えそうです。その他、ゲーム中に思いついたアイデアと作戦がいくつもあるので、再戦時はぜひ試してみたいと思っています。その日が遠からず来ることを心から願っています。面白かった。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/424


Die Säulen der Erde (大聖堂) / Kosmos (Franckh-Kosmos)

少し時間が余ったので3人でトライ。

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6ラウンド固定なので、時間がない時でも重宝するゲームです。言うまでもなく大変に優れたゲームではありますが、さすがに「1870」のような硬派なゲームの後では、運の要素がやや強めなこともあって、少し戸惑わせてしまったかも。

また、3人プレイというのも少し問題があったかもしれません。僕自身、このゲームの3人プレイは初めてでしたが、やはり4人プレイ時に比べるとやや薄いかなぁ、という感じはしました。

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まぁ、それでも最後は楽しんでもらえたようです。このセッションでは僕は、中盤でお金が足りなくなって、しかたないので金属を資金源にしたりしていたのですが、それをうまく得点に結びつけることが出来ず。それでも何とか最終ラウンドで猛追したのですが一歩及ばずの2位でした。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/24480


レポートは以上です。

ともかくこの日は「1870」に尽きます。ここのところしばらく「18xx」系のゲームから遠ざかっていたのですが、これをきっかけにして再燃することとなりました。とりあえずは、手元にあってシュリンクを破ることさえしていなかった「1856」をプレイすることが次の目標です。もちろん「1830」も。その他、海外で販売されているバリエーションにも興味津々です。

本日は長い時間、お疲れさまでした>Gさん・Kさん
またぜひ遊びましょう。moon Gamer

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ついこの間やったばかりだというのに、「1830 - Railroads and Robber Barons / Avalon Hill」「Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog」の両方を1日で遊ぼうという企画の第2回目が早くも実現しました。場所は千歳烏山のゲーム倉庫です。

前回からわずか中4日、同テーマのしかもほぼ同じメンバーが集まって重たいゲーム会となりました。遊ぶゲームがべらぼうに面白いということもありますが、他にもいろいろな事情がありまして、このような忙しいスケジュールとなった次第です。

集まったのは今回もSGCの有志メンバーで、YOKさん、atogさん、たまさん、Gさん、それに僕の5人です。 ただし、ゲーム会に入る時間が一部メンバーが異なっていた関係もあって、この日のゲームはすべて4人プレイとなりました。


1830 - Railroads and Robber Barons / Avalon Hill moon Gamer

時間を忘れるくらい熱中しました。やっぱり抜群に面白い。4人。

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鉄道ゲームのすべてに盛り込まれているわけではありませんが、「1830」には「列車」が登場します。「18xx」系のゲーム全般において、列車の存在は大きく2つの意味を持っています。

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ひとつは鉄道会社の運営には不可欠な設備で、路線上で運行させると利益を生み出します。都市には規模に応じて発生する利益がマップ上やタイル上に記されており、列車を都市から都市へ走らせることで、経由した都市から利益を得ます。列車が無ければ鉄道会社は営利活動そのものが行えません。

もうひとつは、ゲームの進行と段階を管理するインディケータであるという点です。列車には「2」~「6」そして「D(ディーゼル)」というグレードがあり、まずは「2」の列車から順次購入されていきます。あるランクの列車がすべて購入されると、ひとつ上のランクの列車が購入可能となります。

そして新たなランクの列車が購入されると、列車が高性能化するのは当然として、ゲーム全体の環境がルールによって劇的に変わります。鉄道会社の運営は、この大きな時代の変化に対して柔軟に対応させなければなりません。また、この環境変動を利用したダーティな戦術もまたいくつか存在しますので、緊張する一瞬でもあります。

moon Gamer

もうひとつは、ゲームの進行と段階をさて、今回のセッションでは、前回の反省をより生かしたいという意味で、僕はプライベート会社と最初に設立する鉄道会社をほとんど同じ形でスタートしてみました。

一方盤面は前回と様変わりしていまして、普通に NYNY と B&M が相互に設立され、ニューヨーク~ボストンに列車が走りました(前回はこの区間に線路が引かれたのが中盤くらいだったのです)。

前回はルールを記憶から掘り起こすことと、タイル配置の手筋を復習することに主眼を置いたのに対して、今回は全体的な株の動向に注意を払ってプレイしてみました。4人プレイで資金的にも余裕があったので、株式市場が活発に動いていたのも幸いして、おかげでいろいろなことを覚えたり思い出したりしましたが、詳細は略。

ゲームは銀行に資金が無くなるまで(つまり正常に終了条件が満たされるまで)続き、結局今回も atogさんの圧勝でした。時間にして5時間半ほど。負けはしましたが、感覚的にはあっという間の楽しいゲームでした。もちろん再戦必須ですね。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/421


Thurn und Taxis (郵便馬車) / Hans im Glück moon Gamer

少し時間が空いたのでエントリー。4人。

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ドイツ年間ゲーム大賞を取ったこのゲームは、まだSGCの例会でプレイされていませんでしたし、その場にいた僕を除く全員が未プレイだったのでエントリー。

このセッションはインストを入れても1時間ほど。少しばかり長考しても最後はきちんと収束しますし、もとより内容はしっかりしていますので安心しておすすめ出来るゲームです。

とはいうものの、初プレイ後の感想はさまざまでした。ややフリーク向けと言われることもある「郵便馬車」ですが、メカニクスに斬新さが欠けているのもまた事実で、無難ではあるけれどもどこかで見たようなパンチの弱いゲームに感じてしまうフリークもいるということですか。

ま、僕はこのゲームが好きなのでまたどこかで遊ぼうかと思っております。ちなみに結果は1桁得点の惨敗でした…moon Gamer 何度やってもうまくならないのはなぜだろう…moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/thurnundtaxis.html


Age of Steam Expansion #1 - England & Ireland / Warfrog moon Gamer

拡張マップをプレイしました。イングランドマップの方です。4人。

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以前のレポートで少し書いたように、「蒸気の時代」の拡張マップは単に地形のバリエーションだけではなく、いくつかの専用特別ルールを盛り込むことによって、プレイ環境が変えられています。その中には、ほとんど別ゲームかと思えるほどの大きな改編がなされている拡張マップもあります。しかし、特別ルールでどんな風にこねくり回したとしても、元のメカニクスが堅牢ですので「蒸気の時代」そのものの本質的な面白さは変わることがありません。

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今回プレイしたイングランドマップですが、裏のアイルランドマップと併せて、「蒸気の時代」では最初に発売された拡張マップです。アイルランドマップは3~4人用で、特別ルールもそれなりの量のあるやや特殊な環境ですが、イングランドマップの方はノーマルな形に近いです。恐らく、拡張マップの中では最も少ない特別ルールを持つ環境です。

イングランドマップはシティの配置に特徴があります。「赤」のシティはロンドンしか存在しません。赤いシティタイルも使いませんので、赤いキューブはロンドンに運ぶしかないのです。このように、特定の色をたった1つのシティにだけ割り当ててしまう偏った配置は、その後に発売された拡張マップでもたびたび現れるようになりました。

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キューブの状態は全このセッション開始時には、赤がロンドンしか無いことと、ロンドンには5つの辺しかない(線路の乗り入れは5本まで)ということを念を押した上でスタート。僕は、首尾良く最初のターンでファーストプレイヤーになり、「Urbanization(都市化)」を選択してボードの中央付近に黄色のシティタイルを配置するオープニングとなりました。

キューブは全体的にトラブル気味で、最初の2ターンは全員がかなり苦労して採算を合わせていました。誰もがロンドンに早く乗り入れたいと思っていたのですが、それ以前に生き残ることに必死な状態で、そのために序盤は神経質な駆け引きと思惑が交錯する頭と胃が痛みそうな厳しい展開でした。

何とかそれを全員が乗り越えた後は、当然ながらロンドンを中心にしたもみ合いがあり、同時に北端の2つのシティに配置された赤キューブの争奪戦も行われたりしました。僕は First Build を特に取るまでもなく、手なりで路線建設で常に一歩先を取ることに成功したこともあって、中盤過ぎには早くも収益的にかなり優位な立場となりました。

この優位は最後まで揺らぐことはなく、結果的にかなりの大差で勝利を収めました。先日のセッションに引き続き連勝です。まだまだ未プレイの拡張マップが山のようにありますので、いつかまたぜひプレイしましょう。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/6356


レポートは以上です。

この日も11時間に及ぶ長丁場の重たいゲーム会となりましたが、それほど疲れを感じずに1日を過ごせました。プレイしたのが慣れ親しんだゲームばかりでしたから、余計な精神的負担(インストなど)がかからずにいたからでしょう。

ともあれお疲れさまでした>参加者各位
またぜひお付き合いください。moon Gamer

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SdJ 2006 に「郵便馬車」が輝いたこの日、千歳烏山はゲーム倉庫にて、「1830 - Railroads and Robber Barons / Avalon Hill」「Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog」の両方を1日中楽しもうというゲーム会を開きました。

この日は朝から雨模様でしたが、朝から晩まで濃密な時間を過ごすことが出来ました。参加者はSGC有志の方々で、YOKさん、atogさん、たまさん、MERCURYさん、それに僕の5人です。

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「1830」「蒸気の時代」ともに、長時間かかる重量級の鉄道ゲームであり、同時に、世界中で多くのフリークたちの心を引きつけて止まない逸品でもあります。いずれも「鉄道ゲーム」というカテゴリだけに留まらず、テーブルゲーム全体を通して見ても傑出した歴史的なタイトルであると言っても決して過言ではありません。恐らく、今後も長くプレイされていくことでしょう。

これらの傑作をいっぺんにプレイしようという豪勢かつ荘厳な企画に参加することが出来た幸運に酔いしれた1日でした。


1830 - Railroads and Robber Barons / Avalon Hill moon Gamer

19世紀を舞台にした20世紀の傑作ゲーム。

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「1830」は、19世紀の初め頃のアメリカ北東部を舞台にした鉄道ゲームです。当時、アメリカに出現した鉄道産業は、西部開拓や軍需の高まりに比例して、やがてアメリカ金融資本の中枢をも担う超巨大産業へと発展することになります。その歴史の始まりは、小規模でありながら野心的な零細鉄道会社が次々と設立されたことに端を発します。そして、蒸気機関が改良され力強くなっていくと共に、激しい市場競争が繰り広げられました。

「1830」も、この史実と同様に、まず小さな鉄道会社(一部、鉄道馬車も含まれますが)の設立から開始されます。それを礎として、さらに大きな鉄道会社が設立され、やがて盤上は線路タイルで埋め尽くされていきます。しかし成功を収めるには、他の会社、そして他のプレイヤーとの情け無用な競合に何としてでも勝ち抜かなければなりません。

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プレイヤーの目的は個人資産を増やすことです。それには鉄道会社の「株券」の運用が極めて重要な意味を持っています。このゲームは、鉄道会社の運営が主眼ではなく、株式ゲームとして考えた方がいいでしょう。

鉄道会社は、線路を敷設し列車を購入して走らせるなどの「運営」することで収益を上げます。それぞれの鉄道会社で「運営」を行う権利は、その鉄道会社の「社長」プレイヤーが持ちます。そして「社長」になるには、その鉄道会社の「株券」を誰よりも最も多く所有していなければなりません。

この間接的とも言える会社所有権の考え方をさらに徹底させているのが「現金」の扱いです。このゲームのお金は、プレイヤー個人が所有する資金と、それぞれの鉄道会社が保有する資金とを厳密に区別して管理します。

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個人資産を増やすためには鉄道会社の運営が不可欠であり、鉄道会社の収益を増加させるには、運営によって「路線」を拡大したり、あるいは「列車」を購入するなどの投資が必要です。この鉄道会社の運営に必要な経費は、プレイヤーの個人資産ではなく、会社が保有する資金によって賄われるのです。

他にも「1830」には鉄道ゲームと経営ゲームの面白さを際だたせるためのアイデアが数多く盛り込まれています。実際、ルールの分量はかなり多いのですが、実を言うと基本的なメカニクスは見た目ほど複雑ではありません。しかしプレイングは技巧の極みをプレイヤーに要求します。それは、それぞのれアクションの選択肢が広く、シチュエーションが多岐にわたるためです。

プレイヤーに与えられる機会(手番)は多く、そのたびに困難な状況判断とシビアな決断を迫られることになるでしょう。そのため、平均しても6時間はかかる長時間ゲームでありながら、最初から最後まで緊張した状態が続きます。

moon Gamer

ゲームが開始されるとランダムな要素は消失して全てがプレイヤーの行動の結果によってゲームは支配されます。これは、自由度が高いことと相まって、戦略的柔軟性を高く広くしており、「1830」の特筆すべき長所であり大きな魅力となっています。

この日、僕はほぼ10年ぶりに「1830」をプレイしました。久しぶりに遊んだ「1830」は、過去に僕が感じた光をまだ失ってはいませんでした。それどころか、さらにその輝きに磨きがかかっていたような気さえしたのです。かつて、僕が「1830」をプレイした時には、もう少しのんびりしたゲームだっだはずなのですが、失われた10年の間に、あらゆる戦術が研ぎすまされ、洗練されていました。

瞬く間に過ぎ去った序盤にあっけにとられつつ盤上をぐるりと見渡して、やはりこのゲームが、発売以来20年を経てもなお強力な愛好者が多くいることに妙な納得をしたりしていました。同時に、昔の感覚が海馬の奥底からわき上がってくるなつかしさも入り交じり、「1830」が自分にとって特別なゲームであることを今さらながら思い起こしたりもしていました。

moon Gamer

さてセッションの方ですが、日本を代表する「1830」プレイヤーである atogさんが終始リードする形で進行しました。途中、いろいろなエピソードがあったのですが長くなるので残念ながら詳細は割愛。

で、なんだかんだとディーゼル列車が走り始めた終盤に突入しまして、状況に大差がついたと全員一致で判定され、見事に atogさんの貫禄勝ちとなりました。プレイ時間は実質5時間ほどで、まさにあっという間に過ぎ去ったような気がします。

今回は大差のついた形になりましたが、いくつかの手筋もプレイ中に思い出しましたし、この次はもう少し手応えのあるところを見せるくらいにはなりたいです。近いうちに再戦することになるでしょう。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/421


Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog moon Gamer

新世紀における鉄道ゲームのあり方のひとつ。

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もう何回目のプレイなのかはとうに忘れています。ヘビーローテーションどころの話ではなく、僕にとって「蒸気の時代」は、すでに人生の一部と言い切ってしまえるくらいの存在になっています。

このセッションは、初プレイの方もいらしたので基本マップを採用しました。僕は最近、かなりバランスの厳しい拡張マップをプレイしたばかりということもあり、もしかすると基本マップが今ひとつ緩~く感じてしまうかもしれないな、とか不遜なことを何となく考えていたのですけれども、もちろんそれは杞憂以前の無駄な憂いでした。5人プレイという最適の環境もあったのでしょうが、バランスはほどよくカツカツ状態で、ため息と冷や汗にまみれながら、最後まで深い思索を楽しむことが出来ました。

moon Gamer

「蒸気の時代」で最も重要なことは「計画」です。乱数の影響で正確に先の状態を完全に読み切ることは不可能ですが、それでも可能性のいくつかは推測することが出来ます。それらに正確に対応するため、計画はひとつではなく、いくつかの候補を用意するべきでしょう。場は流動的ではありますが、拡散する選択肢は有限なのです。

序盤においては特に、短期的な収支の改善には最新の注意を払う必要があります。しかし、やがて到来する5リンク、6リンクの時代を見据えた長期的展望も十分に見据えておかなければなりません。それは Goods Display 上のキューブを考慮するのは当然として、他のプレイヤーの動向(中でも路線タイルの配置状況/現状と延ばそうとする方向)にも注意を払うべきです。

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さてこのセッションですが、開始早々に、僕を除いた4人がマップの東側に集中しました。moon Gamer 僕だけが西側に線路を引いている状態です。普通、このような形は僕にとって歓迎すべきなのですが、そうはうまくいかないもので、商品キューブの配置状態があまり良くなかったのです(マップ上・Goods Display共に)。

このため、3ターンより先にどのような路線配置を目指すべきなのかを僕は序盤から必死に探っていました。西側には僕以外の他に誰もいないので、商品キューブだけは盤上に豊富にあるのですが、4リンク以上で効率的にキューブを運送するルートを作るのはかなり骨が折れそうな状況だったのです。

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打開策のひとつとして、僕はアクションで「Engineer(1ターンに路線タイルを4枚配置可能)」を多用してみました。タイルをより多く、そしてより優位な順番で引くために株式発行枚数は多めに行います。路線拡大の回数はゲームを通して決まっていますので、それを少しでも効率的に行うための苦肉の策とも言えます。

「蒸気の時代」の有力な戦略のひとつに、序盤から出来るだけ株の発行を抑えて、資金的に効率的な運営を目指す考え方があります。一時期、この作戦は僕の周囲でかなり流行したのですが、最近になってこれとは全く反対の考え方が表れるようになりました。すなわち、あえて株を大量に発行して、コスト増大のリスクをさらなる収益を増大でカバーするという方針です。

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株発行数が多くなると、少なくとも目先の現金は潤沢となりますので、それを利用することで積極的に場を優位に支配しようという考え方です。株発行数を抑える作戦は、どちらかと言えば場の状況に合わせて柔軟に対応するという受動的な方針ですので、その考え方は極めて対称的です。

どちらが優れているということではなく、また状況に応じて作戦を切り替える必要すらありますが、とにかくこの時はこの積極策で攻めてみようと考えました。ゲーム中、かなり右往左往したのですけれども、最終的ににこれは正解だったようで、ゲーム終盤には6リンクで数回の商品キューブを運送する機会を得られるまでになりました。

最後の2ターンには atogさんや MERCURYさんの猛追を受けたのですが、路線数の多さが決め手ともなって(路線数は得点になります)、最後はわずかの差で逃げ切ることに成功し、何とか勝利を収めました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/4098


レポートは以上です。

朝から夜まで11時間に渡る濃密なゲーム会が終了しました。そして終了すると同時に、また同じ内容のゲーム会がすぐに開かれることも決まりました。moon Gamer ということで、近日中にまた似たようなレポートがお目見えすることになると思います。

本日はお疲れさまでした>参加者各位
またぜひお付き合いくださいませ。moon Gamer

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